表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/242

残すは公家勢力

天文17年(1548年春)17歳


天下統一に向けて邪魔になりそうな有力大名を潰した。強力な兵力を有する寺社勢力も弱体化した。この後だが、西は信長、東は氏親に任せておけば、彼らがこの国の大名たちを臣従させていくだろう。その結果、史実よりはずっと早く戦国時代が幕を閉じることになるだろう。


この国の大名を臣従させたら、次のステップは中央集権だ。好き放題やってきた大名たちから領地と兵を取り上げ、全ての権力を信長のところに集中する。そうしなければ、近代国家に向けた国作りなんてできるはずがない。


大名たちから領地と権力を取り上げる作業は、さぞかし抵抗が激しいことだろう。先祖代々の土地を守ろうと、大勢がいくさで死ぬことになるだろう。近代国家推進派 VS 守旧派という構図が、いつの間にか、蝦夷国+北畠家(将軍家) VS 北条家(守旧派代表)に変化する可能性だってある。


先のことは分からないのだ。

対立構図に勝利したとしても、その次は国の統治機構や法律の整備、外交、防衛、殖産興業、農地開発もやらなくてはならない。国作りというのは、やることだらけ、仕事がてんこ盛りなのだ。


そうそう、国家の根幹である教育体制の構築もあるな。教育を充実させ、国民の教育レベルを向上させていけば、全ての分野の技術革新を生み出すだろう。教育レベルの向上とともに民度も上がれば、いち早く民主主義国家にたどり着けるかもしれない。


でも先は長いな〜。まったくもって長い。やることだらけ。


ところで、公家勢力は手つかずに残ってしまっているのだ。このままでいいのか?

近代国家推進派 VS 守旧派となった時、公家勢力はどう動くか? 


公家たちには、国という概念などない。近代国家建設の意義や必要性についても、まったく理解できないだろう。訳も分からないまま猛反対するに決まっている。守旧派と結び付くことは違いないだろうな。


公家たちは、平安の昔への回帰を望むだろうな。中には戦国時代の方がいいとか、馬鹿なことを言い始める輩も出てくるだろう。はっきり言って邪魔な存在でしかない。しかし公家のTOPは後奈良天皇だ。今まで世話になっているし、これからも世話になる。義理の父だし……どうしたものか? 


民のことを第一と考える後奈良天皇とは、この先も上手くやれると思う。見ている方向が同じだからだ。しかし正親町天皇に代替わりしたらどうなるか? 判らない……どこかで対立する局面が起こる可能性は高いだろうな。


対立する局面が起こった時、俺には必殺技がある。

『北畠家と北条家と豊穣家は蝦夷国に従属します』という必殺技だ。「この国の大半はとっくの昔から、あなたたちの国ではありませんよ」と言えばいい。そのために蝦夷国を作ったのだ。後奈良天皇も薄々は判っているはずだ。


いろいろ将来に不安はあるものの、その必殺技さえ残しておけばなんとかなるだろう。


ところで、信長は将軍として良く頑張ってくれている。

加賀の一向宗の信徒だった者は、全て豊穣神様に宗旨替え。加賀はいくさのない豊かな国となった。加賀の民が幸せに暮らす姿を見れば、説得する言葉など不要だ。越中や能登の民も、一向宗から豊穣神様に宗旨替えしたのだ。


こうして北畠家の版図は、能登、越中、加賀、越前、近江、伊賀、伊勢、尾張、美濃、遠江、駿河、信濃、甲斐の13ヶ国となる。


豊穣家の方は、下野国への侵攻を始めている。その後は常陸の佐竹家だろう……順調そうだ。氏康さんと氏政も、いずれ蝦夷王国が天下を取るだろうと考えているようだ。北条家の家臣たちの意識改革を始めている。


『家臣には領地をもたせず。仕事と役職に見合った俸禄を払うという体制』への移行が北条家でも着実に進んでいる。


この国に残る大物そうな大名と言えば、三好家、尼子家、大内家、大友家、毛利家、島津家、長宗我部家ぐらいかな。しかし毛利家、島津家、長宗我部家などは、まだ大大名にもなっていない。そんな状況だから信長が、西国の大名なんて楽勝でなんとかしてくれるだろう。


そういえば、商社正直屋の系列店がメチャ増えているのだ。もはや、大財閥正直屋なのだよ。堺の商人たちも、ほぼ系列に組み込んでしまったようだ。地方の豪商レベルなど顎で使われている状態だ。商人の世界では、とっくに天下統一が完了しているのだ。


仮にどこかの大名が、我らにいくさを仕掛けて来ようにも、誰もお金を貸さないし、武具や兵糧も手に入らない。銭の力は巨大だ。信長なら、この力も上手く使ってくれるだろう。


それにしても俺は、戦国時代の人間でもないのにずいぶん人を殺したな……良くやったのか……やり過ぎたのか。


もう良いよね……疲れた!


もう十分に頑張ったよな。 

いくさをなくし民を幸せにする』という約束は、ほぼ果たしたと思う。普通の人なのに、よくやり遂げた……偉いぞ……立派だ……


誰も褒めてもらえないから、自分で褒めておこう。


蒸気船もあることだし、殺伐とした戦国時代の日本を離れて、アメリカ西海岸とかオーストラリアとか、のんびりと船旅をさせてほしいな! カリフォルニアで金を拾って、お土産に持って帰って来ようかな。楽しそうだ。気分転換になりそうだな。


豊穣神様、そろそろ休暇をください。お願いします!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ