表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国時代の忍者に転生させられちゃいました。しかたないので伊賀を救い、日の本の民も救います。  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/242

寺社勢力の排除1

天文16年(1547年夏)16歳


そういえば秀吉君が死んじゃいました……好きになったアイヌの女性を熊から守ろうとして……大怪我で亡くなったそうだ……


秀吉君は前世の歴史では、信長君の後をついで天下統一を成し遂げる英傑だ。

熊に殺されるような人生ではないはず……理由はなんだろう? 

蝦夷国で英傑を便利使していたからかな? 


とにかく今までありがとう……秀長君はまだ12歳だから俺が責任持って面倒見るからね。安心して下さい。


だがそういうことなら、うちの若手武将なんかも蝦夷国に置いておかないで、信長君の元で天下統一にどんどん活躍させた方が良いのかな? 

どうしたものだろう。


しかし神様に聞くのは止めておこう。

とんでもなく怖いことを……さらっと言われそうで怖い……


……話は変わるが……


北畠家の領地の中に、ポツンと1ヶ国だけ他領が残っている。

三河の元康君は子供なのだけど、その存在を妙に危険に感じる。今川館を攻撃した時に松平家の人質を確保し、どこかの田舎で静かに暮らしてもらうつもりだった。

しかし三河に逃げられてしまった……これも運命なのかな……


松平家は潰すことに決めた。

今の歴史の流れに家康君はいらない。むしろ今の歴史の流れに悪い影響を及ぼしそうな気がする。


理由が判らず秀吉君が死んでしまったこともあるしね。俺の第六感アラームがコイツはダメだと……ピコピコしている……


三河をどうするかについて、勘助や幸隆と話していたのだった……つい余計なことを考えてしまった。話し合いに集中しよう……


「では、こうしてはどうか? 三河に米商人を派遣する。その商人が三河の米を高値でも良いので買い占める。そうすると三河に銭が入り米はなくなるな」


「使った銭の量にもよるが、焼酎でも売って多少の銭は回収しておこう。銭を回収したら、三河を陸上封鎖、そして海上封鎖もしてしまおう。三河には米がない状態で領地を封鎖されることになる」


「なるほど、そういうことなら秋の米を収穫する時期になったら、忍者撹乱隊を三河に入れて米蔵に火をつけて回らせるのですね」


「松平家の蔵に火をつけたのは一向宗だ。一向宗には蔵に火をつけたのは松平家だと、忍者撹乱隊に噂を流させる」


「両者が盛り上がってきたところで、忍者撹乱隊に松平家の兵士の格好をして一向宗信者を襲わせる。逆に一向宗の格好をさせて松平家家臣を襲わせるということですね」と勘助。


我が軍師たち話が早いな。


「これで、一向宗と松平家の泥沼の抗争が勃発だ。潰しあいが始まるだろうから、やりたいようにやらせておく。こちらは国境を固めておきながら、いつでも出撃しておけるようにする」


「いい頃合いを見て国境に配備した兵を三河に突入させる。ヘトヘトになった残党を始末してお終いということですね」と、幸隆が答える。


いや……どんどんプランが決まっていくわ……


「良いね。どんどん詳細が決まっていくな。忍者撹乱隊は旧武田忍者を使ってやってくれ。ここで良いところを見せたいそうだ。霧山城で訓練中の武田特殊部隊は、甲州特殊部隊という名前にしよう」


「ついでだが、越後の軒猿のきざるや尾張の饗談きょうだんも仲間に入れて欲しいらしい。特殊部隊がどんどん増えるな。楽しみだ! 名前は越州特殊部隊に尾州特殊部隊とでもするかな」


……俺と勘助と幸隆との話はさらに続く……


「三河の一向宗には大事な仕事をしてもらうぞ。三河一向宗の坊主の一番偉いやつは生かしておいてくれ。その偉い坊主から朝廷に対して文を送らせる。『我ら一向宗は三河を一向宗の国とする。三河は日の本から独立する』という内容だ。きっと大騒ぎになるな」


「そうなると朝廷は幕府に対して、三河一向宗国を討てという勅命を出しますな。勅命を受けて幕府が、三河一向宗国を討伐するという話にするのでしょうか」と、勘助が確認してくる。


「いやそうではない。もっと大騒ぎにするぞ。三河一向宗国から石山本願寺に共闘を求める文を送らせる。同時に朝廷に対して石山本願寺に共闘を求めた事を文で知らせる。『三河一向宗国独立を認めてもらうまで、我々は石山本願寺と共に、日の本の全てと戦う』という文面だ」


「伊賀特製の暗示薬で偉い坊主に国王気分になってもらうわけですね。朝廷も石山も前代未聞の大騒ぎに興奮し過ぎて、なにか変だとか冷静に考える余裕はなくなるでしょう! 主上は朝議を開き、間違いなく一向宗を禁教に指定するでしょう」と、幸隆が作戦を付加してくれる。


「三河一向宗国を討てという勅命は下ると思うが、北畠幕府が三河を討ちに行けない理由ができたらどうなる?」


「そんな都合の良い理由を作れますか。どこかのザコ大名を蜂起させたくらいでは、理由にはならないと思います」と、勘助が首を傾げる。


「忘れてはいけない大物が控えているだろう」

俺は勘助と幸隆の顔を見る。


「ここで加賀の坊主達が一向宗の禁教指定に憤慨し、加賀も加賀一向宗国として日の本から独立すると言い始めればどうだ。加賀はもとより、一向宗の国と言ってはばからないわけだから真実味があるよな」


「三河の偉い坊主に『石山本願寺に加えて、加賀一向宗国とも共闘する。早く三河一向宗国を独立国と認めるべし』という文を送らせる。もちろん忍者撹乱隊にも京で噂を流してもらう。日の本の一大事発生勃発となるだろう。そうなるとどうなる?」


「面白いですな。幕府は、三河よりもっと強力な加賀一向宗国の討伐に行けと命じられるでしょう。そうなると、三河一向宗国討伐はどうするのだとなる。困った主上が蝦夷国に、三河一向宗国を討てと依頼してもおかしくはないですな。しかし主上にはこっそりと、この筋書きを知らせておく必要はないでしょうか?」と、勘助が作戦を付加してくれる。


我が軍師は優秀だ……


「近衛特殊部隊として才蔵を主上の護衛に付けている。才蔵を経由してお知らせすれば良いだろう」


「そうなれば、三河一向宗国の討伐の代償として、三河を蝦夷国に与えるとなってもおかしくはないでしょう。公家は騒ぐでしょうが理屈は通ります」と幸隆。


「この展開に石山は大騒ぎになるでしょう。いや騒ぎを起こさせるのですね」と勘助。


「石山で騒ぎが大きくなれば、主上は石山も討てと命じるだろう。しかし加賀一向宗国の討伐はそんな簡単ではない。そうなると主上が、石山の討伐も蝦夷国に依頼しても、致し方なしという流れになる」


「上手く行けば石山の地を、討伐の代償として蝦夷国がもらえる可能性がある。これで摂津の国に蝦夷王国の港と拠点ができる。西国攻めの拠点を作れる」と、面白がる軍師たち。


作戦立案を楽しんでくれてるな……


「この際一向宗は綺麗サッパリ排除してしまおうではないか。準備を慎重に進めてくれ。勘助は信長に、この筋書きをしっかりと説明しておいてくれ。それとついでだが、この際比叡山の力も落としておくのも良いと思うのだがどうだ」


「比叡山をこの騒動に巻き込むのですね」と幸隆。


「朝廷が決めた一向宗の禁教指定を解除させるために、本願寺から銭を受け取った比叡山が、僧兵を繰り出して一向宗の禁教指定を解除しろと朝廷に強訴する動きを見せるとどうなる?」


「そのために偉い坊主にもう一働きしてもらえば良い。『一向宗の禁教指定を止めなければ、比叡山に頼んで強訴させる。既に話はついている。命が惜しければ禁教指定を止めろ。』と、朝廷に文を送ってもらおうではないか」


「これで、あの危険な一向宗や比叡山を大きく弱体化させることができる。玄武王の目的の障害となる寺社勢力を取り除けますね。面白そうな話になってきた。」と、勘助が喜ぶ。


……信長はこの策を聞いて、加賀の一向宗に対してのアプローチを考えている……


加賀に行くには、北近江を通り越前を抜けるしかない。北近江には浅井家が、越前には朝倉家がいる。幕府から御内書を出し、朝廷からも勅命を出してもらう必要があるな。


御内書と勅命によって浅井家と朝倉家を第一陣として、加賀一向宗国の討伐に向かわせよう。奴らはやる気もないし、兵も弱いから討伐は遅々として進まないだろう。


主上から蝦夷国に三河一向宗国の討伐依頼を出してもらうためには。加賀一向宗国の討伐が遅れる理由を作らないといけない。


丁度良い理由となるな……








ここまで、お読みいただきありがとうございます。

初めての作品ですので

あたたかくご支援いただければありがたいです。


励みになりますので

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ