プロローグ
戦国時代に転生させられた研究者が、伊賀の忍者を救い。日の本の民も救うという話です。
ある程度は歴史の流れにそって進行していきますが、あくまでもファンタジーなので、史実を厳密に追求するのはご容赦下さい。初めて投稿する作品なので、温かい目でご支援下さい。
また登場人物のご子孫のかたがいらっしゃったら、ファンタジーということで笑ってお許しください。
あくまでも、こんな小説があったら自分なら楽しめるという話の展開にしています。
楽しんで読んでいただければありがたいです。
俺はもう38歳になる独身研究者。研究者としてはまあまあの業績を残してきた方だ。趣味はジャンルを問わず気になることを調べること。研究職に向いている趣味といえる。
いらない知識が意外に研究に役立つこともある。それにしても色んな事を調べてきたな。記憶力は良いので頭の中にはたくさんの雑学がインプットされている。しかしやがて寿命が来れば、記憶も消えてなくなる。何かもったいない気がする。
駅前の大通りを楽しそうに中学生たちが歩いている。平和な日常風景だ。場違いな奴がいるな。あれはラリっているな。歩き方が変だ。拙いな。大声で喚き散らしてナイフを振り回し始めた。
既に数人が切りつけられてうずくまっている。俺は合気道の経験はあるが、ラリった奴をやり込めるほどの技術はない。こういうラリっている奴が振り回す刃物を取り上げるのは、達人級の人でも難しいはずだ。申し訳ないけど俺ができることはない。警察に電話ぐらいだな。
お母さんに手を引かれた小さい子供の方に、そいつがフラフラと向かっていく。『そっちはダメだろ』と思った瞬間、無意識に動いていた。
ラリ男のところに素早く移動。ナイフを持つ手首を俺の右手で掴む。この手を離さなければ、とにかく大丈夫だ。後は左腕でそいつの首を引っ掛けて、首を後ろに引き倒せば終わりだ。アスファルトに頭をぶつけて死んだりしないよな。加減は出来ないぞ。
しかし思った通りにはならない。ラリ男はだいたいリミッターが外れている。無意識の力は馬鹿にならない。『道場では力を抜いて下さい』と指導されていたな。思い出した。掴んだ右手が離れてしまった。
ナイフをメチャクチャに振り回すのはやめろ。ナイフが小さい子供に当たったらどうするつもりだ。
今度は右腕でそいつの首を挟んで後ろに引き倒す。そいつの頭がアスファルト舗装でバウンドした。これで終わりだとほっとする。しかし終わりではなかった。俺の腹にナイフが刺さっている。ビックリするほど血が流れている。
この野郎。お前みたいな奴が、俺の人生を終わらせるのか。割に合わないぞ。
急に力が抜けてくる。貧血の症状だな。地面が近づいてくる。体を起こす力がない。
クソ!
若いお母さんと子供が、泣きながら何か言っている気がする。眠い。
目の前が暗くなっていく。
これで人生終わりだな。でも人助けで亡くなるのなら良い死に方かも。どうせいつかは死ぬ。子供も嫁さんもいない。まあ良いか。
でも結婚はしてみたかったな。
人助けで死ぬのだ。天国にいけるのは間違いなし。
天国には天使がいるかな?
天使は美人か……などと考えているうちに……
意識が途切れた。
ここまで、お読みいただきありがとうございます。
初めての作品ですので
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