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1.薄暗い洞窟
湿気漂う暗い洞窟の奥深く。
儀式の用に組まれた木組みの中、赤い炎が躍る。
「どうだ・・・・・阻止できたか?」
洞窟の闇に溶けているかのような人影が声をかけてきた。
人影に期待通りの答えを返せないことに怯えながら答える。
「いえ…残念ながら、こちらの世界に現れたようです」
「くっ、間に合わなかったか」
「ですが、曲げることはできました。おそらく本来の場所から遠いところに出現しているでしょう」
「そうか。では・・・・・」
「ええ。無事ではないでしょう。この世界は今、破壊と滅亡に満ちていますから」
「出かける・・・・・」
「ヴィローチャイ様! どちらに行かれるのですか?!」
「見回りに行く。問題ない。様子を見てすぐにもどる」
「しかし・・・・・いえ、かしこまりました。我らアスラ一族の王。ヴィローチャイ様」