この地獄からは逃げられない
〔第二話 罠に要注意〕
「もうすぐ15分。鬼が放たれるね。」
ミオが言った。
「そう簡単には捕まんねぇだろ!ポジティブにいこうぜ!」
ソウタはいつだって前向きだ。こんな時でもいつも通りいられるなんて。
数十秒後、アナウンスが告げた。
『鬼、放出』
鬼ごっこが始まった。
「鬼だけじゃなく、罠もある。慎重に行こう。」
レンの言葉に、私たちは頷いた。
ソウタはなにかを見つめている。
「なぁ、このボタンなんだ?なんか面白そうじゃね?」
ボタン?
「押してみようぜ!」
「ソウタ!ダメだ!それは、、、!!」
ポチッ
レンが言い終わる前に、ソウタはボタンを押した。すると、どこからか斧が飛んできた。
ザシュッ!
「っ!ぎゃあああああああああ!!!」
ソウタの右腕が切れた。
ドッと赤黒い液体が溢れる。
大量の、、、血。
「大丈夫!?」
大丈夫なわけがないのに、、、なにを言っているんだ私は!
「だから押すなって言っただろ!」
レンは焦っている。みんなそうだ。目の前で友人が大怪我をしたのだから。
「おい、どうすんだよ!」
ユウキが叫んだ。
「嘘、でしょ」
「い、いや、、、!なんで私たちがこんな目にあわなきゃいけないのよ!」
ミオとリオはパニックを起こしている。
「これが、例の罠、、、。」