この地獄からは逃げ出せない
【第一話 ゲームへようこそ】
「、、、え?ここ、どこ、、、?」
気がつくと、私は謎の広い施設の中にいた。
ホールは殺風景だ。
ついさっきまで、家で本を読んでいたはずなのに、、、。
私の他にも同じ高校の生徒や大人、子供もたくさんいて、皆混乱しているようだ。
「カリン!」
誰かに名前を呼ばれた気がして周りを見渡した。すると、私の方に向かって走ってくる人影が見えた。
幼馴染みのミオだ。クラスメイトのリナとユウキの姿もある。
ミオが困惑したように言った。
「カリン、ここどこなの!?」
「私にもわかんないよ。」
気づいたらここにいたから。
「お前ら、なんでここにいるんだ、、、?」
後ろから、聞き覚えのある声がした。
振り返ると、ミオと同じく幼馴染みのレンがいた。隣にはクラスのムードメーカー、ソウタがいる。
「はぁ、、、皆ゲームに巻き込まれたのか。」
、、、え?
レンの言葉が理解できない。ゲーム?巻き込まれた?意味がわからない。
「どういうこと?」
私は無意識にそう訊いていた。
「もうすぐアナウンスがかかる。説明はそれで聞いてくれ。」
「アナウンス?」
ピンポンパンポーン
『殺戮鬼ごっこへようこそ。』
殺戮鬼ごっこ?
『ルールは簡単です。ゲーム開始から15分後、この施設に鬼が3体放出されます。皆さんはプレイヤーとなり、鬼から逃げてください。捕まってしまうと、脱落となります。鬼の放出と同時に、施設内に罠が設置されます。なお、このゲームは第3ステージまであり、最後まで逃げ切れば現実世界にもどれます。制限時間は各ステージ2時間です。』
レンは、静かに言った。
「脱落は許されない。なんとしても逃げ切らなければ。」
最後の最後まで、、、逃げる。
「脱落って、殺されるってことか?」
ユウキが呟いた。
それにレンが答えた。
「あぁ、死ぬ。」
死にたくない、、、!
『それでは、健闘を祈ります。ゲーム、開始!』
「皆、とりあえず逃げよう!」
私たちは、鬼が放たれるホールから離れた。