表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《変な先輩》  作者: 雪
2/6

《変な先輩2》

僕には変な先輩がいる。


俳優の香川照之さんのことを数年間に渡って「カガワテルノ」と呼んでいたかっこいい先輩だ。さらにみんな気付いていたけど誰もつっこまずに放置されていた素敵な先輩だ。


そんな先輩には好きな人がいた。その女性は会社でも明るくすごくモテる人だった。仮にAさんとしよう。

先輩は「身分が違いすぎる。」と言って最初から諦めていた。確かに傍から見ても美女と野獣だった。


そんな先輩を、周りのみんなが囃したてた。Aさんを諦めるな!と…。

面白がってた人が大半だったかもしれない。僕は先輩のことが凄く心配に…ならなかったがとりあえず成り行きを見守った。

そして先輩はノってしまった。彼はノせられてしまったのだ。Aさんを我がものにしたいがために。


かくして【先輩改造計画】がはじまった。いろんな人が好き勝手なアドバイスを送っていたが、先輩はそれを真摯に受け止めた。メガネをコンタクトに変え、ジムに通い始め、洋服も何万もするような服を買い始めた。


そして何と車まで買い替えると言い始めた。先輩の車はボロ軽だ。すごく似合ってた。

それがなんとスポーツカータイプを買うと言い出した。(アドバイスした人もすごく無責任だ!)と僕は憤慨…はしなかった。一体どうなるんだ先輩はと思いながら見てた。


結局、車は、良心ある人のアドバイスで中古の4駆を買うことになった。まあこれも中々のボロだが。


そして車が納車され【先輩改造計画】が終了した。


納車された日に先輩と話す機会があった。というか多分自慢しにきたに違いない。やはり車自慢だったが一通り話を聞いてあげた。これくらいは後輩の役目として当然だ。


そして、役目を終えて立ち去ろうとする優しい後輩を彼は呼び止めた。

僕が振り返ると「今から決めゼリフだ」と言わんばかりの顔をした先輩がこう言った。



先輩「あの車の助手席に最初に乗せるの誰か聞きたい?」


僕「誰ですか?」




先輩「お姫様にきまっとるやん。俺にとってのお姫様は一人しかおらんやろ!」



Aさんのことだ。というかすごい自信だ。



勿論この後Aさんを乗せることはなかった、それどころかその車でAさんをストーキングしだしたのは先輩の名誉の為に言わないでおこう。


僕は先輩が好きだ。カレーうどんを食べようものなら口の回りにべっとりカレーがつくような先輩が好きなのだ。


ありがとう先輩。これからもよろしく。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ