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《変な先輩》  作者: 雪
1/6

《変な先輩1》

僕には何か変な先輩がいる。


何が変なのかというと、いろいろ変なのだが良い先輩なのは間違いない。優しいし奢ってくれるし仕事はバリバリ出来……ないが僕が仕事を頼んでも嫌がらずに受けてくれる良い人だ。年齢はアラフォーで独身童貞。アラフォーというより「あらまぁ…」と言った感じだ。


そんな先輩とにかく常識に疎い。


先輩はゲーム好きでオンラインゲームを楽しんでいる。


そんな先輩がある日

「今使ってるのより回線料金が安いのあったから契約してきた!」

みたいなことを屈託ない少年の顔で話してきた。

またこの顔が40越えた独身のオジサンの顔とは思えない程かわいい……くはないが話かけられてしまったので会話することにした。


僕「どこのやつを契約してきたんですか?」

先輩「んーどうやろわからん」

わからん所を契約してくるのは先輩らしいのだが、この事以外で僕はちょっと怖くなったのでこちらから質問した。

僕「前のやつってちゃんと解約してます?」

先輩「解約?」


この辺で僕の頭は?マークで埋め尽くされると同時に、なにやら面白い話しになりそうな雰囲気か漂ってきた。


先輩「前のは解約してない。解約の仕方がわからんから。契約したら切り替わるんやないん?」

僕「……」


やっぱりキタ!面白話だ。これだからこの先輩との付き合いは辞められない。


僕「えー、解約しないとお金が勿体ないじゃないですか!」

先輩「……いやーいずれ解約しようとは思ってんだけど…」


と言っていたが、これは絶対嘘なのだ。僕の反応を見て「解約してないのが普通ではない」と悟ったからだ。長年の勘でわかってしまう。

面白過ぎて声が大きくなっていたのか同僚が面白話を嗅ぎ付けて何人かやってきた。


そして事の顛末を話すと先輩がみんなからいじられだしてしまった。先輩は今にも崩れそうなくらい動揺していた。もうあの屈託のない少年の様な笑顔はなくリアルな40代独身おじさん(アイドル好き)の顔になっていた。


先輩「じゃあ今日、解約してくるよ」

そして先輩は帰って行った。先輩の心はボロボロだったはずだでも解約はしなきゃいけない!頑張れ先輩!


それから2日たったが先輩と会話する機会がなかった。僕は(先輩、ちゃんと解約できたかなぁ)という心配が頭から離れなかった……わけがあるはずもなく平穏無事な日常を過ごしていた。


それから事件は起きた。さらに3日後の飲み会の時だ。僕は先輩の真正面に座っていた。

僕は飲みながら先輩に聞いてみた。

僕「解約できましたか?」

先輩「できたよ簡単だった」

僕「良かったですね」

勿論周りのみんなもこの会話を聞いていた。


それなら良かった…と思っていた次の瞬間、先輩が爆弾を投下した。




「あの繋がっとる線を引き抜いたら良いんやろ?」


さすが先輩だ。ケーブルを引き抜けば解約できると思ってたのだ。

そこでも先輩はいじられた。上司にもこの件で説教されていた。


(先輩ごめん。僕がこんな場で話しを振ってしまったから…申し訳ない)本心でこう思った。

(めちゃ面白い話を提供してくれてありがとう)でもこれも本心だった。


そして飲み会と共にこの一件は幕を閉じた


飲み会の数日後に先輩に付き添い解約するのを手伝ってあげた。


ぼくは先輩が好きなのだ。ありがとう先輩。そしてこれからもよろしく。

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