表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードゲームは卒業したのにTCG学園に放り込まれたんだが ~イカサマ王と呼ばれた俺はカードゲームなんかしたくない~  作者: ゼ二平


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/43

第41話 王の帰還

 奏星が倒されたことで、教室内は騒然としていた。


 「あの、無敵の幸運女が負けた?」「てか、すげぇなあの2人」「最初はどうなるかと思ったけど、最後はめっちゃレベル高い対戦だった」


 周りの生徒たちは、口々にそんな事を言っている。

 これで証明できたはずだ。“絶対に勝てる”プレイヤーなんて存在しないということを。


 「みんな! ……もう、こいつの言う事を聞く必要はない! 退学に怯える必要もない! 自由にカードゲームをやっていいんだ!」


 だが、みんな、俺の言葉に戸惑っている。どうしたらいいかわからない、といった感じだった。そして、生徒の一人が話しかけてきた。


 「でもよ、確かに俺たちはこいつに脅されてたけど……ゴールドが無くなることに不安なのは間違いないんだぜ? 俺たちはどうすればいいんだよ?」


 そうだそうだ、と周りは口々に頷いている。


 「自分で何とかすればいいのに」


 奈津がぼそっとそんな事を言うが、そんな簡単に放り出すわけにもいかない。

 彼らの王を倒したのは俺だ。王を倒したものが王になる……なんてつもりはないけど、俺も必死に頭をひねる。


 「……ゴールドが足りなくて退学になりそうだと思ったら、みんな俺に相談してよ! 必ず力になる! これ以上誰も退学になんかさせたりしないから!!」


 「信用していいのか? 『イカサマ王(ダーティキング)』……いや、国頭」


 まだ不安がっている彼らを安心させるように、力強く頷いた。


 「ああ……もちろん! 俺がみんなの力になるよ!」


 「「「うおおおお!!」」」


 教室中から歓声があがった。


 「まったく。優ちゃんは優しいんだから」


 「でも。それが彼のいいところ」


 「そうねー。あなた、わかってるじゃない」


 その時、ドタドタと足音がしたと思うと、教室のドアが勢い良く開け放たれた。


 「コラーッ!! こんな時間まで何やってるのッ!? 19時過ぎたら帰るように言ってあったでしょッ!!」


 いつものコスプレ姿ではなく学校用ジャージの姿だったので一瞬誰だかわからなかったが、この声は間違いなく葉月先生だ。


 「まったくちょっと残業してたらこんな事になってるなんて……ああッ! しかも部外者連れ込んでるッ! 誰ッ!? 連れ込んだのは!?」


 「そいつに連れ込まれました」


 すかさず奏星がうなだれている皇浦を指差した。

 先生がギロリと奴を睨み、そのまま首根っこを掴む。


 「皇浦君! ちょっと生徒指導室に来て貰おうかなッ!? 他の子たちも!!」


 そんな事を言われて素直に応じるわけもない。皇浦以外の生徒たちは我先に逃げ出した。


 「あーッ! コラッ!! 逃げるな―ッ!!」


 さすがに先生1人では10数人いる生徒達全員を捕まえることなどできない。ただ、2、3人は捕まっていたが。俺たちも彼らに倣って一緒に教室を飛び出した。

 奏星と奈津の2人と共に広い敷地内を全速で走り、校門の外まで逃げ切ることができた。 


 「……はぁ……なんだか、疲れたな」


 でも、とりあえずは、これ以上退学者が増えることはないだろう。

 俺自身の過去に決着をつけることもできた。

 だが、見過ごせない問題もある。


 「あの」


 突然、奏星は奈津に頭を下げた。


 「ごめんなさい。あたし、とんでもないことしちゃった。あなた達を退学にしちゃって……」


 そう、奈津が退学になってしまったことだ。こればっかりは笑って済ませるというわけにもいかない。  彼女に10億の借金がいってしまったこともある。

 だが、奈津は少し笑って言った。


 「負けたのは私。弱かった私のせい」


 「でも」


 確かに、このままにはしておけない。

 奈津はもちろんだが、奏星のためにも。


 「……心配いらない。俺がなんとかする。任せて」


 2人とも驚いた顔をしてこちらを見つめる。


 「本当?」


 「……たぶん。できる……と思う」


 100%の自信があるわけじゃないけど。今はこの策にかけるしかなさそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ