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1登目

「やってきたぞ!! 今回の山はここだっ!!」

「冒険はいつになってもワクワクするぜっ!」

「今回もなかなかいい山ですねぇ、うふふふふっ」

「キロク ノ ジュンビ ガ デキマシタ」


 ここはとある異世界にあるにある山――の前に広がる樹海の入り口である。


「みな、準備はよいな? では、ゆくぞっ!」

「さあ、冒険の始まりだっ!」

「ああっ、筋肉が喜んでいるわっ!」

「キロク ヲ カイシ シマシタ」


 一行は樹海へと進んでゆく。真っ直ぐに山を目指して。



 樹海に入って暫くしてそれらは現れた。


「ケイコク ケイコク テキ セッキン」

「へっへっへっ、武器も持たずにこんなところに迷い込むなんてあんたらも運が無いなぁ」


 樹海の奥からナイフをチラつかせた男が出てくる。

 この樹海を根城にする盗賊のようだ。

 木陰から同じような風貌の男たちが集まってくる。


「そこをどけ、虫けらども。我らは山に用事があるのだ」

「山ぁ?あんな魔物の巣窟にいくなんて馬鹿じゃないのか?あーはっは!」


 同じように笑い出す仲間の盗賊たち。

 

「山にいくなら、その荷物は俺たちが預かってやるよぉ!」

「それには及ばない。これは登山に必要な道具だ」

「遠慮するなよぉっ!!」


 そう言うと、盗賊たちは一斉に刃物をチラつかせ一向に襲い掛かってくる。

 その一つがアレクに突き刺さる!


 ――ことは無かった。

 すんでの所で盗賊の腕を掴んだのだ。


「な、なにぃっ?!」

「サバイバルには丁度よいナイフだが、無暗に振り回すものではない」


 そういって、刃先を指で挟んだ。


「ソードブレイカー!!」


 次の瞬間、バギィッという金属のを響かせ、真っ二つに折ってしまった。


「ひぃっ! ば、バケモンだぁっ!!」

「お頭ぁっ! あっちの黒い男も只者じゃねえよ! 悪魔か何かだよぉ!!」

「アニキィ、向こうの女もヤバすぎるよぉ!!」


 あちらこちらで盗賊たちの阿鼻叫喚が聞こえる。

 最初にいた盗賊の半分以上が地面に突っ伏している。


「食べ物が欲しいなら恵んでやる。だからここから去れ」


 そう言ってアレクは盗賊に持っている食べ物を彼らの前に投げた。

 盗賊たちは食べ物を拾いながら何か文句を言っていたようだが、聞かないことにした。

 そしてそのまま樹海に消えていった。


「主も甘いのぅ」

「あらあら、なにも全部あげることは無かったんじゃないですかぁ?」

「まぁ、食べ物くらいなら現地調達でも問題ないだろう?」

「うむ、現地調達もまたアウトドアの醍醐味っ!よかろうっ!」

「仕方ありませんねぇ、でも、()()させちゃダメですよ♪」


 一行は再び樹海の奥に進む。


「どっせい!」

「ウインドスラッシュ!!」


 道中、レストとアレクは食料にできそうな生き物を素手で狩っていった。

 小さな動物は無視し、鹿や熊の形をした中・大型モンスターがメインディッシュだ。

 断末魔の叫びを上げながら倒れるモンスター。

 捕らえたモンスターはそのまま肩に担ぐ。

 途中から、森の生き物たちはその異様さに気が付いたのか、姿を全く見せなくなっていた。

 その後ろから、いつ取ったのか不明だがミイは木の実や食べられそうな野草を抱えていた。

 そのついでと言わんばかりに、某次郎さんが真っ青になるくらい量の薪も拾っていた。

 山の麓に着くころには、一週間分くらいの食料が溜まっていた。


「大量大量!わっはっはっはっは!」

「山に登る前の腹ごしらえには十分だな」

「では早速調理しましょうか」


 空はオレンジ色に染まり、夕闇が迫っていた。

 一行は、ここでキャンプをすることにした。


 雰囲気を大切にする彼らは、薪を集め火打石で焚火をする。

 当然ながらパーティー全員が火の魔法を使える、にも関わらずに。


 レストは持ってきたテントを組み上げ、寝床の準備をする。

 テントは一人一張で、当然のように杭は素手で打つ。


 獲物の解体はアレクが行う。

 手にしたナイフを構え、何か技名を叫びながら食べやすいように部位に切り分けていく。

 解体した肉は、手際よく木の棒に刺して火の近くに置いて焼いていく。


 ミイは木の実や野草でスープを作る。

 木の実の殻は当然固いのだが、それを素手で握り潰し、器用に中身だけを取り出している。


「キャンプ ノ オモイデ ヲ キロク シマス」


 エックスはレンズの焦点を合わせながら、この異様な風景を記録していく。


「諸君! 今日も一日お疲れだった! 褒めて遣わす!」

「出発は、明日の明け方。日の出の出発でいいのかな?」

「そうですね。 山頂まで3時間程度の予定ですから、余裕があっていいと思いますよ」

「スリープモード 二 イコウ シマス」

「では、明日から本格的に登山を開始する。 それまで各自、明日の準備と休養を取るように。 では解散!」


 一行はそれぞれのテントに入って、明日の準備を行い休養を取る。

 1日目が終了して夜が明けた。


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