8宿屋 エルカーミ
冒険者ギルドから出ると人目は、気になるけど今までの様に
寄って来る人は、居なかった。
いや、正確には来させなかった。
レ・イ・ラ・が!
何しろ横で来るなオーラ全開のレイラが睨み聞かせてたからね~。
それは、寄って来ないよ。
俺だって怖いもん。
そしてやっと着いたエルカーミは、比較的人通りの多い一角に建っていた
やはり石造りの2階建てで1階は、食堂になってるらしい。
そんなに大きくないがこざっぱりしてて綺麗なお店だ。
やっぱり女性が経営してると細かい所にも気が付くんだろうな。
店内に入りカウンターに設置してあるベルを鳴らすと
「はーい」
と明るい女性の声が聞えて来た。
出迎えてくれた女性は、ショートカットの赤毛で活発そうな人で
年は、大体俺と同じ位かな?
愛想が良くてかわいい感じの子だ。
「ようこそエルカーミへ、お泊りですか?」
「はい、今日から暫くの間泊まりたいのですが2人部屋空いてますか?」
「はい大丈夫です。お名前は、それとお食事の方は、どうしますか?」
食事は、朝夕2食にしてもらった。折角王都に来たのだから他のお店でも食べてみたいからね。
このエルカーミのトイレは、共同でお風呂自体無くお湯で身体を拭く事になるらしい。
レイラに聞くとロイの屋敷が特別なんだとか。
確かにあれだけ水を豊富に使うなんてここでは、確かに贅沢なんだろうな。
でもここに来て驚いたのが比較的近代的な部分が有る事、
この国では、約3割の人が魔法を使えない為その人達の為に
色んな部分で便利な物が作られている。
その為ロイの様な発明家が多いのもその要因の一つらしい。
火を着けるにもマッチが有るし何と魔動車なる車も有る。
速度は、馬車の2~3倍位乗り心地も良いらしいが値段が高いため富裕層の贅沢品として扱われる物が殆ど。
お風呂やシャワーも有るがこちらも普通の家には、無いんだって
でも日本人としては、身体をサッパリとお湯で洗いたいよな~未だドキドキするけど。
そういう中でここは、比較的一般的な宿で
部屋は、8畳くらいの大きさでベッドは、2つ洋服タンスが1つ壁掛け鏡が一つ質素な作り
でも、綺麗に掃除され手入れの行き届いていた。
窓には、ガラス窓が有り外の様子が部屋から見る事が出来るのは、嬉しい。
うん、ここにして良かった。
夕食の時受付をしてくれた女性シェラさんが迎えに来てくれたので着いて行くと
食堂では、2組の女性客と男性客が5組程内2組は、冒険者らしいが落ち着いて食事をしてたので
比較的クラスの高い人達かも?
運ばれて来た食事は、固そうなパンと色んな刻んだ野菜の入ったスープ
そして結構量の有るビーフステーキ。
ここでも牛が飼われてるんだと驚いたがこの辺りは、魔物も少なく近くに牧場もあるので
比較的牛肉は、手に入り易く
その代わりオーク等の魔物の肉は、手に入り辛く値段が高いので中々食べられない。
オーク一度食べてみたい。
夜は、レイラと翌日の予定を話し合った。
と言っても翌日の準備と買い物で終わっちゃうと思うんだけどね。
でも、俺としては、武器屋に是非行ってみたい。
冒険者と言えばヤッパ武器屋は、外せないでしょう。
「レイラ私明日武器屋行きたいんだけどレイラは、何処か行きたい所有る?」
「別にないけどシフォンには、レイピアが有るじゃない、その他何か欲しいの?」
「欲しい訳じゃ無いけど、どんな物が有るか見てみたいの。一緒に行かない?」
「私は、貴方を守るって約束だから勿論着いて行くけど、買わないけど見るだけって。」
うーん此方には、ウィンドショッピングって物が無いらしい。
何て説明しようかな?
「レイラ私こちらに来てまだ知らない事が多いから此れから役に立つ知識として
どんな武器が有って防具は、どんな物が有るか実物を見てみたいの。」
「そういう事なら分かったわ一緒に行きましょう。」
そうして翌朝武器屋へ行く事が決まりその日は、少し早めに寝る事にした。
う~~んロイ邸のお風呂が恋しい。