50 新しい動き
勇者と会った翌日エスティアは、カイザスの動きを探る為密かに帝国内に変装をして潜入していた。
シフォンは、シトラルに言われてから毎日の様にミナトの所へ行って話をしたり一緒に
結界の周りを木製の車椅子を押して散歩をしていた。
それを見ていたハックが隣に居るミュへ
「シフォンちゃん顔に傷無かったね」
「何言ってるの?ずっとシトラルが付いてたでしょ、あの時治したに決まってるでしょ。」
「そうか~、でもシフォンちゃんてあんなに可愛い顔してたんだね。・・・うん可愛い」
「オイ!なにしら~とこんな可愛い彼女を目の前にしておいて早速浮気?」
「違う違う!あっそれ!冗談にならないから!ちょっと危ないって!」
ハックの前には、腰から抜いた短剣をハックに突き立てたミュが目の前に居た。
「アラ、冗談よ。フフフ」
「ミュ目が怖い・・・」
「ハックそれにシトラルみたいに黙ってシフォンの顔の傷を治すくらいの気の利く男にならないとダメよ」
「それは、大丈夫。見てて」
そう言って何処かへ行こうとするハック。
それを裾を掴んで引き留めながらミュは
「ハック何処行くの?」
「勿論シフォンちゃんの所、そこで気の利く所見せてあげるよ。」
「ハック!気を利かせる相手が違うでしょ!」
ハックの顔に強烈なパンチが炸裂した。
気を失うハックをそのまま置いて捨て台詞を置いて行くミュ
「本当に何を考えてるんだか!あのバカ!」
当の本人シフォンは、最近ミナトと話をする様になってから以前と変わらない位元気になって居た。
勿論レイラの事を忘れた訳では無いがミナトとの時間がその痛みを和らげていた。
「ミナト足の具合は、どう?」
「シトラルのお陰で随分良くなって来てるよ」
「シトラルも驚いてたわ、普通の数倍の勢いで良くなってるって言ってたもの。
これなら思ってたより早く歩ける様になりそうね。」
異世界人(日本人の身体)は治療魔法を使うとここの世界の人間より治癒力は、格段に良かった。
勿論シトラルの治療魔法の優秀性も手伝って居たが今のシフォンの身体より治癒に関しては、確実に上の能力を持ってる。
そしてミナトもこちらの人間に比べ魔力も数十倍の魔力を持って居たがまだその事について誰も知らない。
「うん、これもシフォン達のお陰だよ、まさかこの体になってから又歩ける様になるなんて思って無かったからね」
それを聞いて木製の車椅子に座ってるミナトに顔を近づけ
「ううん、そんな事ないわ。それより本当に良かった、私もミナトと一緒に歩いて散歩したいもの」
そう言うとミナトが顔を赤らめ黙ってしまった。
シフォン顔近い・・・
ミナトの胸がドキドキと鼓動を高める
近くで見るシフォンの目に引き付けられ吸い寄せられるようになる唇。
必死に平常心を保とうとするがそのミナトに何も気づかず普通に接するシフォン。
そのミナトにシフォンが顔を近づけたまま
「ミナトどうしたの?ちょっと顔赤いわよ、熱でも有る?」
そう言ってミナトの額に自分の額を当てるシフォン
思わず目を瞑るミナト。
そして車椅子のひじ掛けをギュっと握りチラッと目を開けると
そこにシフォの魅力的な目が鼻がそして
唇が正に目の前に・・・ミナトの緊張は、頂点に達し。
「あっ!」
そして簡単に意識を手放した。
「エッ!ミナトどうしたの?大丈夫?」
必死にミナトの身体を揺すって起こそうとするシフォン
「エッーーーーーー!一体どうしたの?」
叫ぶシフォン。
その声を聞いて出て来たシャーリがシフォンから事情を聞くと
「シフォン貴方罪作りな女ね。」
そう言ってウィンクする。
意味が分から無いシフォンは、
「どう言う事?」
「兎に角彼の頭を冷やして看病してあげなさい。そうすれば何れ気が付くわよ。」
「病気じゃないの?」
「フフフ、一種の病気かもしれないわね」
「えっじゃ薬か何かあげないと。」
「薬は、貴方よ。」
そう言って笑いながら自分のテントに戻ってしまった。
「どう言う事?私医者じゃ無いのに・・・」
確かに罪作りな女シフォンであった。
そんな人騒がせなシフォンの騒動があった3日後の夕方帝都の様子を見に行っていたエスティアが戻って来た。
話によると早くもカイザスが何やら動き出したらしい事が分かった。
それに対しカルーファ侯爵も動きを見せ始めていた。
『疾風の剣』と『サザンクロスの風』のメンバーの前で得た情報を話し出すエスティア。
「カイザスが勇者を呼び出しました。」
「又攻めて来ると言う事か?」
「残念ながらそこまでは分かりませんでしたが今勇者を呼び出すと言う事は、
近い内に私達に対して勇者を使って何かしら手を打って来ると思って間違いないと思います
それから又これからもカイザスの屋敷の様子を引き続き監視して行きます」
シフォンは、先日の勇者との話し合いの事を思い出していた。
彼のあの言葉を信じるならばあのままカイザスを信じて私達を攻めて来るとは、考えられなかった。
きっと勇者は、私達の事を分かってくれた筈
そうきっと勇者は、私達に着いてくれる。
あくまで勇者を信じようとするシフォン。
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カイザスの屋敷の自室で一人の男と向き合って話をして居るカイザスの姿がそこにあった。
「勇者の動きがおかしいと申したが一体何が有ったのだ」
「ハイ、先日勇者様がいらした村での事ですが夜中に私達の目を盗み森の中へ入って行った事です」
「それは、聞いたが他に何が有ったと言うのだ」
「見た者が言う事には、一人で森の中へ入って行ったと言うのですが私には、それが信じられません
何故なら今まで勇者様は、あの森に一人で入って行った事が一度も無く
しかも夜中に一人で等今までの勇者様の行動を考えると私としては、考えられないのです」
「つまり誰かが手引きしたと言う事か?」
「私は、そう考えます」
「その手引きをしたのは」
「おそらく白銀の魔女かと」
「ふむ、しかしそれは、早々かも知れんぞ近頃カルーファの動きもおかしい
しかしどちらにしろ勇者に気をつけねばならんな」
その後カイザスは、バージスを呼び勇者に監視を付ける事になった。
何時も読んで下さり有難う御座います。
お陰様でとうとうブックマ50超えました。バンザーイ
これからも皆様に楽しんで頂けるよう更新して行きます。
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