4 特訓 その2
特訓を始めて数日が過ぎた。
剣技の方は、何とかレイラの剣速に追いつく事が出来るようになって来た。
でもまだまだ倒される事が多いんだよな。
そこで最近ロイから教えて貰った事が一つ。
「その体は、そのままでも4~5人の軍人が相手でも対等に相手が出来る位の力がある。
しかしそれは、あくまでスムーズに生活が出来る様にそうしてるだけで本当の力は、そんなもんじゃない。」
「今でも力一杯やってるけれどこれ以上の力ってどうすれば出せるの?」
「簡単な事さ。心の中で強化。そう叫んでみな。そうすればリミッターが解除される。
戻すには、戻すでも通常でも良い通常生活したいと思えば戻れるよ。やってみると良い。」
「分かったわ」
んじゃ~強化。
「レイラ行くわよ。」
「又倒してあげるから何時でも来なさい。」
それじゃ~と全速で飛び込んで行くと何時の間にかレイラの顔が目の前に有った!
レイラが飛び込んで来た?
いや違った!
自分のスピードがとてつもなく早くなった様だ。
お陰で一瞬でレイラを通り越した・・・・そう近づくのでは、無く通り越してしまったのだ。
「シフォン何処まで行くの~」
レイラが手を振る!
はっ恥ずかしい。
急いでブレーキをかけ走り戻る。
「ロイ今までと違い過ぎ!こんなに違うなんて思ってなかったわ。」
「だろう~。だって最高傑作だからな。」
嬉しそうなロイの顔。
逆にレイラは、あきれ顔で俺の顔を覗き込む。
「アンタね~初めてその力を出すんだから少しづつ加減しながら出しなさいよ。
今実践じゃなくその体を使いこなす為にやってるんだから!そんな事してたら今に大けがするわよ。」
「ごめん。」
思わず平謝り。
流石悪魔あんなに可愛い顔がマジで怒ると本当に怖い。
しかしこの力本当に凄い!
この力なら意外とロイのボディも早く取り戻せるかも知れないな。
そう言えば。
「ねえロイ。そう言えばまだ聞いて無かったけれどロイのボディってどんな力が有るの?」
「そうだな。力は、シフォンの3割増し 魔力量もそれくらいかな。技術などは、
使う人によって全然違うけどもし剣士のアニマが移ってたら今のシフォンより数段上になると思うよ。」
えっ!
勝てる気がしない。
「えっ!それじゃ私は、全然歯が立たないじゃないのよ。」
「そんな事無いさ。それは、あくまでその性能それを使いこなすのは、シフォン達次第さ。
例えばシフォンの魔力量は、とてつもなく多いだからこそその体をフルに使う事が出来る。
しかしあのボディにこちらの人間が入ったならばそんな魔力を持った者など居ない
つまりあのボディの力を使いこなせないって事さ。」
「じゃ私と同じ魔力量をもった異世界人だったら。」
「厳しいだろうな。でもシフォンの方にだって有利な部分は
有るまずそのスピード、これは、流石の俺のボディにでも追いつけない。
そして・・・」
そう言いながら少し黙り込むロイ。
気になり聞いて見る。
「そして何?」
「そうだな。シフォンは、人間の身体に自分を守るためにセーフティーが掛かってるのを知ってるか?」
「良く分からないどういう事?」
「人は、知らず知らずの内に自分の力を抑えているんだ。
シフォンは、身体を鍛えた人がいきなり全力を出したらどうなると思う?」
「早く動けたり、より重い物を持ち上げられたりするんじゃない?」
「そうじゃないんだ最初は、良くても必ず何処か故障する。骨を折ったり筋肉が切れたり。
つまり身体がその力に耐えきれないんだ。
そうならない為無意識の内に自分で自分にセーフティーを掛けてるのさ。
それは、アニマも同じとても辛い事を忘れたり又忘れようと記憶の底に押し込めて行く
そうしないと耐えきれないのさ。
人は、余りにも大きな辛さ負担をそのまま背負ったままでは、
前に進めなくなる。そして壊れる。
でもシフォン俺は、君ならそれらを全て受け入れる事か出来ると思って居る。
それにその体は、俺達の最高傑作だからな。」
そう言って笑うロイ
「私は、・・・」
俺は、思わず黙り込んでしまった。
そんな事本当に出来るんだろうか。
向こうでは、今まであんなに嫌な事を避けて遊んでばかり居たのに。
「シフォン、大丈夫今のシフォンの力でも私が居るじゃない悪魔の力舐めちゃダメよ。」
そう言ってレイナが慰めてくれる。
照れくさくてつい
「悪魔でも優しい所有るんだね。」
するとレイナが
「バカ!」
思いっきり頭を叩かれた。
痛かったけれどレイナのその気持ち嬉しかった。
そしてその夜もお風呂での試練が待って居た。
鼻血は出たが気絶は免れた。
少しづつだけれども進歩してるのを実感。
しかしまだ、『真面に自分の身体を見られないのが自分の16年間の修行不足が悔やまれる今日この頃。』
(by 白石 雪弥 青春の詩集より)