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3 特訓その1

翌朝、俺が用意してあった服に着替えてると

レイラがやってきた。


「おはよう。よく眠れた?」


「うん、大丈夫」


「今日からこれを使って」


そう言って渡されたのがレイピア


「レイピア?冒険者と言えば普通強度の強い長剣等使わない?」


「でも、カッコいいでしょ」


「それはそうかもしれないけど」


「それに似合ってるわ」


いやいや!

そう言う事を言ってるんじゃなくて

レイピアじゃ強度も無いし切る事も出来ないんじゃ無いかと。


「でも、これじゃ切る事出来ないわよ」


「じゃあそれで切るイメージを持ってこれを切ってみて」


そう言われてレイラが一人用のテーブルを指さす。



俺は、言われた通り

頭の中で切る切る切ると念じながら


レイピアでサッとテーブルに向けて振った。

すると殆ど手応えも無くガタンッという音と共に

テーブルが真っ二つに!


「えっ!」


思わず声が出てしまった!

レイラは、顔色一つ変えず


「これは、魔道具の一つ貴方が切りたい物を切り貴方が支えたい物を支えるだけの強度を持つ

ねっ貴方にピッタリでしょ。」


驚いた俺の表情が狙っていた通りだったらしく

凄く嬉しそうだ。


「驚いたわ。うん気に入った。」


「でしょう。じゃ行きましょうか。」


そして俺はレイピアをしまい、レイラと共にロイの待ってる庭へ向かった。


庭に出るとロイがにこやかに待って居てくれたが

俺の相手は、レイラ。


ロイは指示をするだけらしい。

やっぱり物を持てないんだね。

何かと不便そうだ。


まずはレイピアを切れない様に念じながら、レイアと打ち合い稽古

ロイから色々指示が飛ぶが、良く分からね~。


「ロイお願い、もう少し分かりやすく言って貰えると助かる。」


「分かった。相手の剣先だけを見るんじゃなくて、次に相手が何を仕掛けて来るのか

全体を見るんだ!」


言う事は分かるが、そう簡単じゃないんだよな。

その後も、何度もレイピアを飛ばされたり、転ばされたりして、もう散々だった。

ただ、あれだけ転ばされたり叩き付けられたのに、怪我一つ無いのには驚いた。

こんな華奢な体に見えるのに随分と丈夫なんだな。



午後からは、メイリによる魔法の訓練


「シフォン、魔法を発動するには良く詠唱が使われるけど、それを使わなくても発動出来るの。

詠唱の良い点は魔力さえ有れば大抵の人が同じ威力同じ速さの魔法を行使できるの。

欠点は発動までの時間が掛かる事。誰がやっても同じ効果しかない事。」


なるほど、と頷いていると、続けてメイリが。


「対して、無詠唱は誰でも出来る分けじゃ無い。簡単に言えばイメージ作りの上手い人向きの魔法だとも言えるわ。

良い点は発動までの時間がとても早い事と、同じ魔法でも威力や効果力を自在に変える事が出来る事。

欠点はさっきも言った様に、イメージ作りが苦手の人には向かない。

貴方は異世界から来のだから、今から詠唱を覚えるよりは無詠唱の魔法を覚えた方が良いと思うわ。」


イメージか。妄想なら得意なんだけどな~。

等とバカな事を考えてると、後ろからコツンと頭を叩かれた。


後ろを見るとレイリが無表情で


「シフォン、ちゃんと聞いてる?ぼーとしてちゃダメよ。」


「分かってるわよ。ただ、今まで魔法なんて使った事が無いから、そのイメージが湧かなくて。」


「貴方が異世界から来たと言うのは聞いてるわ。貴方の世界じゃ魔法が無かったみたいね。

じゃあ、私が簡単な物から見せてあげるわ。」


レイラがそう言って、メイリに許可を得てから、一言呟くと

手の平に水の玉を作り出した。


「水を周りから集めるイメージ。そして、それを手の平の上に持って来て丸める感じで。

全て頭の中で、どの位の水の量を集めたいか、どの位の大きさの水の玉にしたいかを思い浮かべて魔法を発動するの。」


「分かった。やってみる。」


頭の中でイメージ。水の量、大きさ、・・・うん行けるかも


「水の玉」


手の平の上で、水が出現したまでは良かったが、水の玉になるどころかそのまま流れ出して、服がびしょびしょになった・・・


「難しい・・」


そんな事を何度も繰り返しながら、夕方近くになって水の玉の魔法習得に成功した。


今日は疲れた~。体の方は何とも無いけれど、精神的に。


一度無詠唱を覚えれば、後は比較的簡単に覚えられると言ってたけれど、何しろ剣技にしろ、魔法にしろ、全て初めての事。

もっと頑張らなくちゃ、冒険者になる日が遠のくだけ。


「うん。明日からもっと頑張ろう。」


この後は夕食とお風呂・・・。お風呂か・・・。う~~緊張する~・・・。

食事はパンと焼いた肉にサラダ。

比較的パンも柔らかく普通に美味しく食べらえた。


そして問題のお風呂だが何故か湯船が有る。

ロイ達に言わせると300年前の勇者が広めたと言うが日本人である俺にとっては非常にありがたい事だ。


でっ問題の身体を洗う段階になるとやっぱり緊張する。

まずは頭を洗い腕そして・・・問題の胸・・これは何度か見て触って居たので何とかクリア。

そして身体を洗い問題の下を洗おうと石鹸を付け見ようとした時思わず『ウッ!』

気が付くと綺麗な赤い虹が弧を描いて舞って居るのが見えた。

そして『ゴン!』

と言う音と共に気を失いその後気が付いた時には自分のベットに寝かされてた。

横を見るとレイラが付きっ切りで居たのかじっと俺を見て居る。


恥ずかしさの余り思わずソッポを向くと


「長湯は良く無いわ。これからは気を付ける事ね。」


長湯で鼻血が出たと思われたらしい、まさか中身は男で初めて女性の身体を見て

鼻じブー等と言えず。


「ここへ運んでくれたのもレイラだよね。有難う。」


「血で汚れた身体も拭いて置いたから大丈夫だと思うけど気になったらもう一度自分で拭くと良いわ。」


「えっあっ有難うそうするわ。」


身体を拭かれた!

つー事は全部見られた!

俺だって全部見て無いのに!

いやッ全部見たら又鼻血が不味い事になりそうなので少しづつ馴らそう。

そう心に決め胸とお腹の辺りだけ拭いてその夜は大人しく寝る事にした。


『余りにも理想的なこの身体は心臓に悪い』(by白石 雪弥)

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