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29 ヒックスとの共闘

「ヴィクラウ、彼の云って居る事をどう思う?」


「此奴は短気な所も有るがこんな嘘をつく様な男ではない。

おそらく本当の事だと俺は思って居る。」


「思って居ると云う事は前から知ってたの?」


「イヤ全てを知ったのは今日が初めてだ、

今までは世話になった人との約束を守る為としか聞いてなかったからな。」


ヒックスの話しが全てが本当なのかは正直まだ判らないけれど

麻薬と警察を憎んで居る事は本当らしい。

それなら・・


「ヒックス、麻薬を憎み

それを無くしたいと云うその気持ちは同意できるけれど

貴方のそのやり方は間違ってる!」


「そんな事は判ってる!しかしこの世界の警察は余りにも生ぬるい!

怪しいけれど証拠が無い?

ふざけるな!奴らが麻薬を扱って居るのを判って居るくせに証拠が無いから動けないだと!

何の為の警察だ!

証拠が無ければ俺がその証拠を公の元へ曝け出してやる。

俺が裁きを下す。

それには多少の犠牲は仕方ない事だ。」


「ヒックス貴方はその犠牲者の人達の事を考えて見た事有る?

三沢 沙羅(ミサワ サラ)さんの様な人を増やすつもり?

貴方は彼女との約束を守るとか無念を晴らす為等と云いながら。

彼女と同じ様な思いをする人を増やしてるのよ。

それが彼女がしようとして居た事なの?」


「それは・・・」


「ヒックス!後は警察に任せてもう止めない?」


「それだけは出来ない!」


ヒックスは怒りに任せた様にテーブルを強く叩き立ち上がった。


「白銀の魔女!アンタは確かに強い。

だからこそ弱者の気持ちが判らないんだ!」


「いいえ!そんな事。」


「なら云う!アンタに贖う事無く死んで行った俺達の5000の仲間の事を考えた事が有るか!

5000だぞ!

彼らにだって家族や大事に思ってくれていた人が居ると云うのにアンタは事も無げに彼等の命を奪った。

そんなアンタに何が判る!」


「確かにあの事は私もやり過ぎたとは思うわ。

でも謝らない。

私が謝ればその後を継ぎ魔王となったクリア達の立場がなくなるもの。」


「・・・はっ?

待て!クリア?

今クリアと云ったか?

あの元4鬼神のクリア様が魔王になったのか?」


「そうよ。

まさか魔王国が無くなったとでも思ってた?」


「ああ・・そのまさかだ・・クリア様が魔王・・そうか・・クリア様がレミニアス魔王国の魔王になったか。」


「貴方随分クリアに傾倒してるのね。」


「あの方は尊敬に値するお方だ。魔族であれば誰でもあのお方の強さに憧れるのは当然の事じゃないか!」


そうか、そう云えば以前ファシズが

魔族は力の強い者に忠誠心を示す者が多いと聞いた事が有ったわね。


彼の言葉を思い出しヒックスをもう一度見つめると確かにクリアなら

確かに魔族を纏め上げるには最適な人物に思える様になった。

でもファシズの苦労は絶えないだろうけれどね。


「ヒックス、これで貴方の憂いの一つは解消されたんじゃない?」


「いや!俺は既にこの世界の住人だ。

そんな事より彼女(三沢 沙羅)彼女(三沢 沙羅)を陥れた連中を許せない。」


そう云いながら彼の表情が和らいだのを見逃さなった。


「ヒックス、貴方向こうへ帰れるとしたら帰りたい?」


「それは・・・」


「そうよね。誰もが自分の居た世界が良い物ね。

ヒックス、それにヴィクラウ、私は貴方達2人を連れて帰る事を約束するわ。

それには貴方達の協力が必要なのだけれど手伝ってくれる?」


「白銀の魔女様!本当に帰れるのか?」


ヒックスよりも先にヴィクラウが話に乗って来た。

でもヒックスの前では私の事を呼び捨てで私を目の前にすると様付け?

ヤッパリ私の前では緊張は隠せないみたい。


「・・・白銀の魔女。俺はこのままでは帰れない。彼女(三沢 沙羅)彼女(三沢 沙羅)の想いを

果たしたい

。」


「ヒックス、辛いかも知れにけれどしっかり聞いて。

貴方の思う様な事は此方の世界では実現不可能よ、

確かに魔法を使える貴方には何でも出来る様に思えるかも知れないけれど

この世界の人達にはそれに代わる力を持って居る。

貴方にも分かって居るでしょ。

貴方もその手にして居た武器に情報力そして数にしても貴方は敵わない要素が多すぎる。

例え今迄の様に初めの内良かったとしても何れ足をすくわれる時が来るわよ。

そうなれば元の木阿弥。全ては消え去ってしまう。」


「・・・・」


ヒックスは俯き黙ったまま私の話を聞いて居た。


「その貴方の代わりに彼等を押さえる力が警察機構なのよ。

確かに彼等も完全じゃないし法律的な問題で動けない時もある。

それでも貴方が悪と捉える者達に対して対抗できるのは彼等しか居ない事を判って欲しい。」


「それでも俺は・・」


振絞った様な声でようやく声を出したヒックスだったけれど

又黙り込んでしまった。

おそらく私の言葉に感じる物が有ったのだと思う。


「そこで提案なのだけれど。」


その私の言葉にヒックスは反応して顔を上げた。


「何だ?」


「一時的に貴方に協力する。でも今までの様に無関係の人の力を借りないわ、

全て私だけで行う。そしてその後は全て警察に任せる。

私達の行う行為は一時的な物かも知れないけれど

きっとこれから警察が麻薬に対する行ないに対して一石を投じる事になると思うわ。

これで妥協して貰えないかしら?」


「何をすれば良いんだ?」


「貴方の持って居る情報を全て開示して。

その中で一番大きな麻薬組織を潰す。

その後の事は全て警察に任せる。

そうすればその後警察が麻薬を扱う組織に対しての足掛かりにもなると思うけれど

それでどうかしら?」


「それで麻薬組織は無くなるのか?」


「多分・・無理でしょうね。でも、麻薬で苦しむ人を減らす事は出来る。」


「・・・確実に減らす事が出来るんだな・・判ったそれなら協力する。」


「判って貰えて良かった。それじゃあ。」


そこまで云ってヴィクラウの方を見る。


「ヴィクラウと一緒に逃げて貰おうかな。」


「へ?どう言う事だ?」


「そろそろ警察がここへ来る筈だから

今貴方に捕まってもらう訳には行かないもの。

どうせ貴方達がこの階へ来たと云う事は

ここには逃げる為の魔法陣が有るんでしょ。」


「チッ!知ってたのか。」


「最上階では無くてこんな中途半端な所で

私達を向かえるなんて事をすれば

その位誰だって判るわよ。」


そしてヒックスの後ろに居た大柄な男を見て。


「貴方は?」


「セッセカンドだ。」


突然声を掛けられ一瞬戸惑いを見せながらも

私に声を詰まらせながらも答えて来た。


「じゃあセカンド、貴方の役目は?」


「俺はヒックスさんの身の回りの世話と指示をサードへ伝える事だ。」


「そうじゃあ貴方達も一緒に逃げなさい。サードは私達を襲ったので

警察のお世話になって貰うけれど貴方達は良いわ。

処でサードって随分乱暴な男の様に感じたけれど何者?」


「彼奴は元ヤクザだ。破門されて仕返しをしたいと云って来たので手伝わさせた。」


「そう通りで随分と荒っぽい人間だとは思ってたわ。

それじゃああの男が捕まっても問題無いのね。」


「あいつ自身俺の顔と目的を知るだけで俺が何者でさえ知らない。

何方にしろヤクザから破門されるほどの男だ何れはと思って居た。」


「彼も切り捨てられる存在だったと云う訳か。可哀そうにも思えるけれど

それも自業自得ね。

じゃあ逃げる事は了承して貰えたと言う事で良い訳ね。」


そう云って階段を見張って居た男にも一緒に行く様に伝えた。

そしてヴィクラウに向き直り。


「ヴィクラウ悪いけれど暫くヒックスと一緒に倉敷さんの所に居て欲しいのだけれど大丈夫かしら?」


「白銀の魔女様それで良いのか?警察を裏切る事になるんじゃ無いのか?」


「うん、ちょっと内部協力者?に手伝ってもらう事になりそうだけれどまっ大丈夫でしょう。

でっヒックスの件は大丈夫?」


「倉敷さん達に聞いて見ないと判らないが部屋数は有るいので多分大丈夫だろう。」


そこまで話しを聞いた所でパトカーのサイレンが聞え

徐々に近づいて来る事に気付いた。


「来たわね。それじゃあヒックス、ヴィクラウ後で会いましょう。」


それに頷いて彼等は転移魔法陣を使って何処かへ消えて行った。

まあヴィクラウが一緒に居るので裏切りや逃げ出す事は無い筈。


一人残った私は兄貴達の待つ一階へと静かに階段を下りて行くと

1階ビル入り口付近にミラエスの治療を終え私に微笑み迎えてくれる兄貴がそこに居た。


「シフォンさ~ん!無事でよかっつ・・てっ!」


私に気付いた兄貴が突然立ち上がり走り寄ろうとした時貧血を起こし

倒れそうになりながら私の胸元に倒れ掛かって来た。

『ボスッ』と云う音と共に兄貴の顔が私の胸の中へと飛び込んで来た。


「ウワッ!ゴメン!ワザと無いんだ!」


その時ヒックスから聞いた麻薬の所為で家族を失った三沢 沙羅さんの事が頭を過り

慌てて顔を上げて謝罪する兄貴がとても愛しく感じ

思わずその姿勢のままの兄貴を抱き寄せた。


「兄貴、怪我治って良かった。ミラエスに感謝しないとね。」


「へっ?怒らないの?」


「何で?」


「何でって・・・」


んじゃ。

『パチン!』


大きな音が兄貴のおでこからフロア全体に広がった。

そして私の足元におでこを抱え蹲る兄貴の姿が有る。


兄貴が生きている。

その事を実感できる幸せを感じる瞬間だった。


その後小山刑事課長を先頭に神田刑事達がビルの中へ駈け込んで来ると

私達の話しを聞き地下へと慌ただしく駆け下りて行った。


「うぉ!なんだこれ!」


刑事らしい男沢田刑事の大きな声が地下から聞こえて来た。


「あっ!しまった。」


「ミラエス一緒に来て!」


犯人達を繭玉に閉じ込めたままだった事を思い出し兄貴をそのままに

ミラエスと共に地下へと駆け下りて行きその

繭玉を全部解くと小山刑事課長達に連行されて行った。


残った私達は若い沢田刑事の車に乗り込みその後を追い掛ける事になり

外へ出るとそこにはその騒ぎを聞い付けて来たのか多くの人が遠巻きに私達を見る姿が見える。

ここだけ見れば事件の解決の様にも見えるけれどこれは始まりでしかない。


私のこれからの目標は麻薬組織を潰す事と向こうへ帰る為の方法を見付ける事。

これはヒックスとヴィクラウ2人の協力が有ればそう時間の掛からない事だと思う。


まずは目の前の事情聴取を終えてから内部協力者とのアクセスし

協力を得る事、そして麻薬組織それが終われば帰る方法を探し

それに目途が付けば仕事を辞め帰る準備をする事になる。


問題はその仕事が最近忙しくなって来て居る事。

まだその仕事には行って居ないけれど4日後から既に予定が週5~6程の割合で入って居る。


どうやら初めてのモデルの仕事の評判が良くフライングレディに似たあれ誰だ?に始まり

自分もその撮影会へ参加したいになり。

それが私指名の仕事が増えた理由になったらしい。


まっ本人だから似てるのは当然なんだけれど

その話が出てからと言うものミラエスも出ないかと

私に名刺をくれたスカウトマンの中村 徹さんから打診が有った。


少し様子を見てからと今は待って貰って居るけれど

ミラエスに話したら乗り気で私も白銀の魔女様と仕事がしたいと張り切って居るので

何れはと思って居る。


ただそうなると又分身体作ら無いとならないかな?

既にあれから1ヶ月以上経って居るから問題ないけれどちょっと恥ずかしいんだよね。








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