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177 反撃その5

アジトA


シフォンが地下2階でスメルを倒し急ぎ地下3階のレイラの所へ駆け付けると

レイラが一番奥まった所で蹲って居るのが見えた。

側に走り寄り彼女に声を掛けたがレイラはそのまま動こうとはしない。


「レイラ!」


シフォンはレイラを後ろから抱き抱える様に屈み腕を回すと

沈んだ彼女の顔が見えた。


「レイラ、どうしたの?ミナトは?」


その言葉に一瞬震えたと思うと呟く様にシフォンに答えた。


「シフォン・ゴメン・・・逃げられた。」


「レイラ大丈夫。幾ら転移が出来ると云っても魔力には限度がある。

必ず彼女を見つけ出してミナトを取り返すわ。」


彼女の耳元でそう云うと回した手をギュっと力を入れレイラを抱き寄せると

シフォンは。


「レイラ、あのエリアが何処へ転移したか判る?」


「直ぐ探索したけど探索範囲以外へ転移したらしくて見付からなかった。」


「もう一度探してみて貰えるかな?」


「判った。」


レイラが立ち上がり探索魔法を展開すると沈んで居たその顔が驚嘆の表情に変わった。


「シフォン!彼奴王都内に戻って来てる!場所は・・彼奴等のアジトBだわ!」



「Bと言えば・・イズミ達と勇者様達が行ってるわね。・・・」


シフォンは少しの間何か考えて居たがスッと顔を上げるとレイラの肩を叩き

上を見上げた。


「レイラ。エリアは勇者達に任せましょう。私達はまずこのアジトを完全に掌握する事。

上へ戻り部屋の中を彼等が何を企んで居るか調べましょう。」


「シフォンはそれで良いの?」


「ミナトは必ず助け出す。その為には彼等が何を企んで居るのかを知る必要が有るわ。」


「うん、判った!」


シフォンはレイラを連れて階段を上がると直ぐに黒く煤け

今だ煙が上り焦げ臭い部屋がレイラの目に入って来た。


「シフォン、これって一体何したの?」


呆然として聞くレイラに苦笑いを見せながら頭を掻く様子がレイラには何故か可笑しく見え言葉を続けた。


「それにこれだけやって置きながら良く崩れ落ちなかったわね。・・フフフ」


「衝撃は出来る限り減らしたから大丈夫だけどちょっとやり過ぎたかな?」


レイラがクスクスと笑いながらそう云うと

気まずそうにしながら答えるシフォンを見て

その様子がレイラのツボに嵌ったのか本格的に笑い出した。


「アハハハ。ゴッゴメン・・ハハハ・・」


「何レイラ?ひっどいな~人の顔見てそんなに笑う事無いじゃない。」


「ゴメン・・ハハ・・あっあの浄化の森で魔物を『グラビティ』で倒したのを覚えてる?」


「ああ、あの時もちょっとやり過ぎちゃったね・・へへ」


「うん、あれ思い出したのよ、何年経ってもやっぱりシフォンはシフォンだな~って。」


「うっ・・・やり過ぎるのが私?・・・言い返せないのが辛い・・」


「でも、そんなシフォンが見られて嬉しい。」


そう云って嬉しそうに抱き着いて来るレイラはその黒く煤けた部屋との違和感が半端なかったが

悪魔であるレイラであれば・・とっそう考えると納得も行く気がした。

そしてそういう自分自身も人の死に慣れて来ている事に気付いた瞬間だった。


その後その煤けた部屋を調べて居ると一抱えも有る四角い金属製の箱を見つけた。

その箱はレバーが3つ程出ていてコードで繋がれて居たのか

底から出て居た数本のコードはその穴から数センチの所で焼け切れて居た。

しかしやはりその箱も焼け焦げ何の用途に使われて居たのか判らない程の損傷をして居た。


その脇には何か本の様な物だったらしい煤の塊が有ったがシフォンが手に取ろうと触るとスススッと崩れ落ち跡形も無く消え去ってしまった。


「ゲッ!もしかしてこれって重要な物だったりする?」


額からは冷たい汗が流れるがやってしまった物は仕方ないと

その箱をアイテムボックスに仕舞うと何故か後ろから視線を感じ振り向向いた。

するとレイラが微笑みながらそれをずっと見て居る事に気付いた。


「レッレイラ見て居た?」


「うん。流石私のシフォン強力な魔法使うわね。」


そう言って小首を傾げニコッと笑う。

『一応持って行くけどそれ程重要でない事を願うしかないか。』

そう思いつつ気を取り直し地下1階へ上がろうと階段の方へ歩み始めると

上から階段を下りて来る多くの足音が聞えて来た。

そして最初に降りて来た男と目が合った。


「ハッシュ。」


シフォンが声を掛けると剣を片手に持ったままのハッシュが周りを見渡し。


「終わったのか?」


「全員片付いたわ。」


「そうか良かった。こっちも彼らのお陰で片付いた。」


そう言って後ろを指さすそこには20人程の王都守護兵団の姿が有った。

その中の茶髪の青い瞳の男性が近寄り左手を剣に掛けたまま右手をシフォンの前に差し出した。


「白銀の魔女殿、私は王都守護兵団団長ジーク・バレシアと云います。

報告を聞きつけ参上致しました。お見知りおきを。」


『彼が魔族のリオガルドが言って居た人物の1人ね。』

その姿は細身で有りながらも筋肉の付いたその腕は鍛え抜かれた身体をも

容易に想像できるほどの物であり

背はシフォンと

頭一つ違う位でそれ程大きくも無く穏やかそうな顔の好青年にも見える。

そんなジークと握手を交わすと彼等は部屋を調べ始めたが

黒く煤け、散々たる部屋の姿を見て驚き時々彼等の手が止まる。

その姿を見てつい出て来る苦笑いを見せながら後は王都守護兵団とハッシュ達に任せ

エリアが転移したアジトBへレイラと向かう事にした。


「レイラ!行くわよ。」


「うん、付いて行く。」


そしてエリアとミナトが居るアジトBへ走り出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アジトB


そのアジトは繁華街近くの今は使われて居ない筈の店兼倉庫

1階が店になっており2階3階が倉庫になって居る古い建物だった。

その窓は全て木で塞がれ家の中へ入る事も外から見る事も出来ない様になっている。

イズミとセティア達が合流し正午の鐘と共にそのアジトへ飛び込んで行った。


1階の店だった部分は綺麗に片付けられ棚であった物で有ろう物は壊され端に片され

逆に倉庫然とした店内には大人が数人入れそうな大きな木箱が彼方此方に散らばって居た。


イズミがその一つに近づき中を覗きこむとそこには何やら獣の毛らしき物が付いて居る事に気付いた。


「オルイド、まさかこの毛って」


「オークだ。」


「それじゃあ魔物をここへ持ち込んで来てここから一斉に放ったって事?」


「おそらくな。眠らせて木箱へ入れ他の商品と偽って王都へ持ち込んだんだろう。」


イズミがオルイドと話して居ると物音に気付いたのか2階から数人の魔族が階段から降りて来ると

私達を見付け一瞬立ち止まった。


「お前達何故生きてる!」


その魔族達の驚きの言葉にカリナが両手を広げてお道化て答えた。


「バァ~幽霊じゃ無いよ~~。」


一瞬固まった魔族は我に返ると2階に居る仲間に向かって叫ぶと

イズミ達に襲い掛かって来た。


「敵だ~!」


階段から飛び降りる様にその魔族が襲い掛かって来るのを

一番近くに居たイズミが風の刃で牽制しながらオルイドと共に斬り込んで行った。


その後からも上から階段を駆け下りて来る魔族達にはヤグス達とセティア達が向かうが

殆どの者はヤグスに抗う事さえ出来ずに倒されて行く。

その他の魔族達もリオガルドとドリアが対応すると殆どセティア達の出番が無くなる程

このアジトに居る魔族は少なかった。

結局イズミ達が倒した魔族は13人居たがその誰もがそれ程力量が有る魔族が居ない事が

逆に不審に思えてならなかった。


結局制圧に掛かった時間は10数分と短くその後来るであろう王都守護兵団が来るまでの間

1階の店部分を調べ始めると突然先程調べ終わった筈の奥の部屋のドアが開きそこから

ミナトを人質にしたエリアが5人の魔族を引き連れて出て来た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アジトC


レア達はミラエスの案内により魔族側のアジトへ来ていた。

王都近くの森の中に有るここのアジトは20~30人の魔族が居ると思われて居たが

見張りの数やその様子がそれよりもレアは少ないように感じて居た。


「ミラエス、本当にここで間違い無いんだな?」


「間違いありません。少なくてもこの森の中で他の魔族は居ません。」


「それなら良い。」


そう言って後ろで控えて居るボイス達を見ると感を片手に剣を持ち何時でも行けると

彼等は頷いて見せていた。


それを確認すると正午少し前にレアが飛び出して行った。


「レア!まだ早い!」


フェスタが叫ぶもレアは止まらず仕方なくボイス達がその後に続いてアジトへ飛び込んで行く。


「サンダーアロー」


見張りをして居た2人の魔族に対し気付かれる前に2つ同時に電気の矢を放ち

痺れさせて身動き差出来ない様にさせるとボイスを連れ立ってその中へと姿を消した。


中に居た魔族は8人、一番入り口に近い魔族に殴りかかるレア、

その後ろから剣を片手にその後ろに居た魔族に斬り掛かるボイス達が

彼等に気付く事に遅れた魔族に襲い掛かった。


「おっりゃ~~!」


レアが生き生きとその拳を振るい一人の魔族を倒すと奥に居る物へ狙いを定め攻撃魔法を放つ。


「アイスアロー!」


一瞬早くレアが魔法を放つ事に気付いたその魔族は


「マッドウォール」


土に壁を形成しその攻撃を避けると次の呪文を早口で唱え始めた。

それを見たレアは剣を片手に斬り掛かるとギリギリ呪文を唱え終えた魔族から攻撃魔法が放たれた。


「ファイアーボム!」


「こんな所で幾ら早い呪文だと云っても火を使うか?バカが!」


その攻撃魔法を身を翻して避けると跳躍してその魔族の後ろへ着地した。


「ふざけるな!」


片手に持った剣でその魔族を斜めに一刀両断すると次の目標へと視線を移す。

その頃奇襲に成功したボイス達は魔族に呪文を唱えさせる隙を与えず

2人一組となって魔族に斬り込む。


そこへ襲い掛かろうとする魔族をレアがカバーに入り斬り倒す。

即席の組み合わせにしては上手く連携の取れた戦いをして居たが

先程レアが避けた「ファイアーボム」の火が入り口のドアに刺さり炎上を始めた。


それを見つけたフェスタが急ぎ水魔法で消しに掛かるが残りの魔族がそれを阻止に掛かる。


「フェスタ!伏せろ!」


その声に振り向くとレアが持って居た剣をフェスタに襲い掛かろうとして居た魔族に投げつけ

その剣が襲い掛かろうとして居た魔族の背に突き刺さりその場で倒れた。


剣を失ったレアだったが拳と魔法で残りの魔族を倒し10分もせず制圧に成功すると

そのアジトの中を調べ始めた。


調べて行くと大きな倉庫らしき部屋が1つに

人が居たと思われる大部屋が5つ。

明らかにここに居た魔族の数が少ない事に気付き隠し部屋が無いか虱潰しに

アジトの中を探して居ると一度調べた筈の部屋から大きな叫び声が聞こえレアが飛び込んで行くと

そこにはミナトを連れたエリアの姿が有った。

『転移か。とっ言う事はシフォンの所から逃げて来たと言う事か?』

そう思い付くとエリアからも落ち着いた声でレアに話し掛けて来た。


「あれ~、レアじゃない。とっ言う事はここに居た人達は皆やられちゃったのかな?」


「ああ、全員俺達が倒した。後はお前だけだ。」


「ふ~ん、でもボクはそんな簡単にはやられないよ。それに此方には彼も居るしね。」


そう云って人質になって居るミナトを見せるエリアを倒す為

シトラルに任せれば何とかなるだろうと思い

人質になって居るミナトには腕の2~3本程覚悟して貰い

エリアに剣を向けたが又もや転移魔法で逃げられてしまった。


何故かその後のレアの記憶が曖昧になって居たがやはりボイス達も魔族が少ない事が気になって居た様で

ミラエスに再度調べて貰う事になった。


「ミラエス、やはりどう考えても魔族の数が合わない。

申し訳ないが範囲を広げてもう一度調べて貰えないか?」


ボイスの言葉に今度は浄化の森近くまで下級精霊の力をも借りて調べると

このアジトから商団の格好をした魔族が荷馬車が列を組んで数日前に出て行った事が判った。

更に調べるとほぼ同じ規模の商団が『浄化の森』を目指して行ったと他の精霊が報告して来た。


『浄化の森』普通商団が他国へ行ったりする為に態々遠回りをして『浄化の森』近くまで行く事はない。

かと言ってあの近くの村々へ物を売りに行くには精々1台の荷馬車を使い行商人が行く位で

商団等は規模が大き過ぎる。

残るはここを出た魔族が何かの目的を持って浄化の森へ行ったと云う事。

つまり浄化の森を目指して進む商団はここを出た魔族で間違いない。

しかも彼等は目立つのを覚悟で商団を装って居る事は何か大荷物を運んで居る事になる。

『一体何を運んで居る?』


フェスタはその事をレターリーフでシトラルに報告するとレアとボイス達と相談して

その商団を追う事にした。


「レア、浄化の森まで転移出来る?」


「ああ、問題無いがこの人数を運ぶとなると今日中に転移魔法で戻って来る事は出来ねえぞ。」


「うん。それで良いわ。お願い」


そして全員一纏まりに集まると手を繋ぎ

それをレアが確認すると。


「行くぞ!転移!」


浄化の森目指し転移して行った。




皆様のお陰で遂にブックマ登録者が400名超えました♪


有難う御座います♪有難う御座います♪

私の作品を読んで頂き更にブックマ及び評価までして頂き本当に嬉しいです。

これからも皆様に喜んでもらえる様更新して行きますので今後とも宜しくお願いします。

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