9 武器屋
翌朝は、俺にしては、比較的早めに目が覚めたので
エルカーミの周りをちょっと散歩すると色んなお店が準備をしている最中だった
俺は、行った事無いけど日本でも朝市ってこんな感じなのかな?
活気が有り朝の清々しい空気が気持ち良い。
その後朝食をとり少し休んでからいよいよレイラと一緒に武器屋へ。
しかし・・・
「うわ~~んママ~怖いよ~。」
「見ちゃいけません早くこっちへいらっしゃい。」
手を引かれて走って逃げる親子。
「ヒッ!」
前から歩いて来た男性が10メートル以上離れて居るのにも関わらずレイラの睨みに脅え慌てて引き返して行った!
「うぎゃ~~うぎゃ~」
寝ていた赤ん坊が突然泣き出し母親に抱かれて何処かへ逃げ出して行く。
レイラさん可愛い顔して貴女一体何処でその威圧感身につけた?
兎に角俺とレイラが歩くとその周りに人が居なくなる。
それは一種の修羅場を模様していた。
「ねえレイラもう少し穏やかに歩かない? このままじゃ私もちょっと歩き辛いわ。」
「だって普通に歩いててシフォンに変な虫でも着いたら嫌じゃない。」
「変な虫なんか付かないわよ」
心は、男だしね。
「じゃー又変なのが来たらどうする?」
「断ってダメなら逃げる。」
そう言って親指を立てて手を前にビシッと突き出す。
「その指が何を示すのか分からないけど気持ちは、分かったわ。絶対よ。」
「勿論。」
そうして断っては、走りオーラを出しかけたレイラを引っ張っては、走り何とか
無事武器屋へ到着して直ぐに店の中へ入ると目の前にズラリと長剣や弓、短剣等が並べられてるのが見える。
おお~~これぞ武器屋男のロマンですな。
そうして興味深げに見ていると白地にエメラルドグリーンの魔石が額に付き自分の服と同じ様な青い模様の付いた綺麗な仮面が目に入った。
気になったので店番をしていた40代位の体格のガッチリした白髪の店主に話しかけてみる。
「すみませんこの仮面も武器に入るんですか?」
「ああ家の物は、全て武器や防具の類に入る物だけだよ。」
「時々町でも仮面付けてる人を見かけるけどあれも武器か防具の類に入るの?」
「仮面を付けてる理由は、色々有る顔の大きな傷を隠す目的だったり、ファッションで付けてたりする者も居るが
家のは、全て武器や防具になる物だ。例えば今お嬢ちゃんが持ってるそれは、魔法の効果を上げたり魔力を温存する効果そして鑑定眼の効果が有る物だ。」
「これ目の部分空いて無いけど見えるんですか?」
「まあ被ってみな」
言われたままその仮面を被ると仮面の内側がまるで何も被って無いかの様に外の様子が見えたので驚く。
「凄い!」
「そうだろう。良く魔力温存や魔法の効果を上げる等の魔道具、例えば指輪やネックレス等有るがそれらは、仮面に比べて魔法の効果が発現されるまでの時間が長い
まあ時間にしてみればほんの少しなんだがその少しの差が生き残れるかどうかの分かれ道になったりするもんだ。指輪に比べれば大げさになるが
鑑定眼も着いてるしお勧めだぜ。どうだい気に入ってるようだし買うなら少し安くするぜ。」
「おじさんこれ買います。」
思わず言ってしまった。
仮面なら顔も隠せるし鑑定眼付きなら冒険者として持って来いの物じゃないだろうか?
「レイラどう似合うかな?」
「そうだねシフォンの目と同じ色の魔石がシフォンらしくて素敵。でもシフォンの顔が見られないのがちょっと残念かな?」
「フフ有難う。」
最近少し好みが女性っぽくなってるような気がするがもしかしてこの体のせいかな?
それともメイリのDNAが影響してるかも?
またもやお姉言葉を使う・・・
いや今は、忘れよう。
この後仮面を着けたまま他の店をウィンドウショッピング。
日本だったら逆に注目浴びそうだがこちらでは仮面を着けた人も時々見かけるので
そんな違和感はない。
ただ付けている人の殆どが男性だと言う事を除けばだけど・・・。
そして武器・防具以外にも服に食品や家具類結構一日楽しめた。
レイラは、何でそんな所も周るのと言っていたがまんざらでもない様子。
そして仮面の効果も絶大で
誰一人俺に男性が寄って来なかった。
此れなら一人でも王都見学出来るかも?
レイラさえ許せばだけど。




