最悪なる自己紹介
「ようこそって」
そんな事言われても困る。
いつの間にか囲まれて逃げ場もない。
「行く宛てもないんだろう?」
団長は優しい声音で尋ねてくる。
「そ、そうだけど」
急展開過ぎて取り繕う事も出来なかった。
「団長、選ぶのはアイツだろ?無理に勧誘することねぇーよ」
ガラの悪い女が私を睨みつけながら言う。
その視線は怖いものだったけど何故か見慣れた視線だと感じた。
「それに、何が出来んだよ」
「ちょっと待って、そもそもここはなんなの?」
矢継ぎ早に言われても追いつかないよ!
「それは言えない。皆のここで生きていく中でその答えを見つけてきた」
しかも団長は答えをはぐらかす。
訳わかんない、なんなの。
「ねね、私達はどうだった?」
何も言えなくなった私に6人組の女の子の内の1人が聞いてきた。ボブでちょっと緑がかった髪の女の子だ。
どうって、あの時のパフォーマンスは煌びやかで……
「楽しそうだった?」
私が言おうとした事を先に言われ頷くしか無かった。それで満足なのかニコニコと笑っている。
「そーでしょー!私は楽しかったの!」
「困ってるでしょ、全く。ごめんなさいね悪気は無いのよ。私はラミ」
ラミと名乗った女の子は黒髪に青い髪が目の横に目立つ。
「私はレミだよー!」
「私は、あれ?私は誰?」