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ぼーっとして、彼らがいた……2
何か暗い所にいる気がする。光はなく、哀しみや憎しみといった負の感情ばかりが体の内側から溢れて今にも破裂しそうだ。
寒さすら感じる有様だ。頭が痛い、キーンとする。
ふと、この痛さから何故かアコーディオンの音楽が聞こえる。所々音を外していることに少しイラッとする。だが、この優しい音色は私には心地よくて、ずっと聞いていたくなる。
ゆっくりと意識が覚醒する。目の前にはどこかつまらなそうな髪の長い女と、ボサボサ頭の男と、やたらとガタイのいい大男がいた。
3人はそれぞれ別の楽器を持っていた。
つまらなそうな女はアコースティックギターを、ボサボサ男はサックス。そして、ガタイのいい大男がアコーディオンを持っていることからさっきの音色を奏でていた事になる。
「団長、またお節介?」
「俺らも団長のお節介に助けられたんだから文句言わねーの」
つまらなそうな女は心底面倒くさそうに私を見下す。それを見てボサボサの男が窘めるように言う。
コッチの男は常識人っぽい。女はやな感じだ。