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とりあえず日本の森に。

転移門を抜けた先は森で時刻は夜。


龍造寺成帝が死んだ瞬間の時間軸に転移して来た。

12000年後の地球を見ても懐かしくないだろうからな、荒廃してたらショックだし。


龍造寺が産まれる前や存在している時間軸へ渡るのは困難だった。

ほとんど感だけどヤバイと分かる。タイムパラドックスとかそんな感じのヤツなんだろう。


龍造寺の死の瞬間は俺にとっては誕生の瞬間だ。

彼と俺にとっての重大な特異点となる。

ふたりに繋がりのある特異点を利用することで世界を繋ぎやすくして

世界間転移を成功させることができた。


平行世界も含めた数多の異世界や世界線の中から

元の世界を選ぶには目印が必要でこの瞬間が

好都合だったってこと。


まぁ、タイムパラドックスとか特異点とか2000年間色々考えたけど

結局は全部仮説。所詮俺はファンタジー世界の住人だからね

マジカルパワーと直感と根性で適当にやっただけだ。結果が出たからそれでいい。

結果良ければ全てよし!



で、今いるこの森が何処かと言うと屋久島だ。

ひと目に付かない場所はどこだろうかと考えて思いついたのがここだった。

ほら俺ドラゴンだからいきなり街中に現れたらみんなビックリするだろうから。

今の俺はよそ者だから地球人には配慮しなきゃね。


転移するには一度訪れた事のある場所だとやりやすい。

龍造寺は大学生の頃にサークル仲間との旅行で縄文杉見学ツアーに参加していた。

そんなわけで屋久島の縄文杉を目指して転移してみた。


「『超級:哨戒』」


「よし、狙い通り俺が見られる範囲に人は居ないな」



『超級:哨戒』は周囲に居る人や魔獣なんかを感知するスキルね。

12000年で数多の種族を経由してきた俺は自分で把握出来てない

ほどの数のスキル持ってるから。

これからは説明なしでガンガン使うよ。

どんな効果かは勝手に予想して補完してね。


さて、スキルは使えたし魔法は……

うん、ちゃんと魔力があるし魔法も使えそうだな。

龍種としての種族特性はどうかな?


今の俺の姿は全長2mぐらい、ちょっと大きめの

コモドオオトカゲって感じだな。コモドオオトカゲよりは断然カッコいいけどね。


城ではこのサイズで生活してた。

本性は300m超えだから素の姿での生活は不便だ。

特大サイズの龍種が普段は身体を縮小させたり

人化の法で人種に化けているのは常識だね。


前世が人間で、ヴァンパイア等の人型種を経由し

大魔導師でもある俺なのになぜか人化の魔法は使えない。

これほんと謎、種族特性で自由に縮小できるから

別に不便は無いんだけどね。


今の2mのままだと、ただの珍しいデカいトカゲと誤解されて

捕獲しようと襲われるかもしれないな。

体長9mぐらいに拡大しとくかね、尻尾が長いから全長は18mぐらいだな。


パッと見ではティラノサウルスぐらいのデカさかね。

頭あんなデカくないし前足もしっかりしてるから

ティラノサウルスよりシュッとしてて俺はハンサムなんだぜ?

漆黒の鱗もちょいワル感出ててイケてる。


うん、問題なくサイズ変更出来たな。

種族特性も健在だ。この大きさなら地球人に舐められないだろう。

いきなりオラァって襲われないはずだ。

ゾウとか密猟してる連中ならどうなるか分からんけどな。


まぁ襲われても銃器程度じゃ俺の鱗はどうにもならんけどね。

でも核兵器だとどうだろう?

結界なしの無防備な状態で直撃したら

目とか口内なら少しはダメージ負うかな?


……ちょっと試してみたいな。

核兵器持ってそうな国を煽って撃たれてみるか?

放射能汚染は魔法でなんとかなるから問題ないよね。

あー、でも核兵器って高いのかな?それだと使わせちゃった

国に迷惑か、この考えは保留にしとこ。




スキルも魔法も身体もバッチリだし、目の前の倒木を回収するか。

いやぁ~実は尻尾を引っ掛けちゃって縄文杉倒しちゃったんだよね。

この体のサイズには慣れてないからなぁ。


杉といえば木材として有名だよね、縄文杉ともなれば

良い木材に違いない。勿体無いので頂いておこう。きちょ材きちょ材。


俺だってドラゴンの端くれだからねぇ、ちょっとした収集癖があるんだよ。

『超級:インベントリ』っていう収納スキルで色んな貴重な品々を貯めこんでる。


植物性の品だと、世界樹で作った大量の薪とかドリアードのドライフラワーとか

ファンタジーお馴染みのマンドラゴラも当然あるぞ。

縄文杉ちゃんも俺のコレクションに加えちゃいますねー。

むこうの世界視点で考えたら異世界の木だからね珍品マニア垂涎の逸品ですよ。


「『超絶:インベントリ』 ほい、しまっちゃおうね~。……ん?」


縄文杉はしまえたけど何が違和感が。

いや、違和感というか嫌な予感というか。


まさかね、まさかだよね。

そんなわけ……マジかー。

インベントリの中身空っぽだわー。

縄文杉しか入ってないわー。


馬鹿げた量の金銀財宝が

世界に二つとない貴重な魔道具が

実在しないとされていた神話時代の霊薬が

数百年掛けて自作したぼくのかんがえた最強の魔剣が

5000年前に死去した『神級:調理人』持ち伝説のシェフに

大量に作らせて出来たてほやほやのままで保存していた料理が


すべて無くなってる。マジか……。

やっちまったなこれ、うわぁ。

転移時に事故ったのか?インベントリ内の品については

何も想定していなかったから何が起きてこうなったのかさっぱりわからん。


次元の狭間にぶちまけてしまったのだろうか?

もしかしたら元の世界に取り残してしまっただけかも

それならセバスが保管してくれてるはずだ。だといいなぁ……。

これが世界を越えた代償か。




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― 新着の感想 ―
[一言] 半年更新していませんが次の話しが気になるので投稿を待ってます 頑張ってくださいね
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