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帝国軍到着

明けましておめでとうございます。

本年も宜しくお願い致します。


今回は短めとなっております。

 

 翌朝眼が覚めると、既に帝国軍は到着していた。


 昨日は帝国軍の対応はガルゾルが請け負ってくれたので、エルビンはそれに甘えて眠りについた。


 まだ子供という事もあり、それは許されたが、流石に挨拶にはいかないと駄目だな。と思い、素早く顔を洗い軽く朝食を食べて、相応しい服装に着替えてから帝国軍の陣地に向かう。



 補佐と護衛としてグレキンスとその部下達さらにリオネルを伴い帝国軍陣地に行く。


 向こうは此方の存在に気付き兵士がやって来る。


「お待ちしておりました。将軍閣下の居場所まで、私が案内させて頂きます」


 そう言って来たのは下士官である兵士である。見事に鍛えられた体躯をしており、頼り甲斐のありそうな人物に見える。


「ああ、頼んだよ」


「はっ!此方です」


 下士官に案内されて陣地の中央部に向かう。



 中央部には既に立派な天幕が幾つか建ち並んでいた。その中でも一際大きい中央の天幕に案内される。


「バルフィナンス侯爵家の御子息様が到着なされました」


「入ってもらえ」


「はっ!どうぞお入り下さい」


 兵士達の手により天幕の入り口が開けられる。


 エルビンとグレキンスにリオネルの3人が中へ入り、部下数名は外で待機する。


 天幕の中には貴族数人と帝国軍の将校達が居並んでいた。


 エルビンが中に入ると、座っていた貴族や将校達が立ち上がる。


「初めまして、今回の増援軍を率いてきたロツォンと申す。この度は援軍が遅れて誠に申し訳ない」


「いえ、今は帝国臣民が一丸となり今回の国難に立ち向かうべき時です。お気になさらずに。それと申し遅れましたが、私はバルフィナンス侯爵カザールが子のエルビンと申します。以後お見知り置き下さい」


 他の者達とも挨拶を交わす。


「さて、挨拶は済んだ事ですし早速で申し訳ありませんが、これからの事について話したいと思います。昨日は夜遅くに到着したので、まだエルビン殿とは話していませんでしたのでな。ラクラトルト辺境伯からは昨日ある程度の方針は聞きましたが、エルビン殿もこの内容でよろしいか?」


 書記官が昨日の話の内容についてメモした紙を見せてくる。


 軽く目を通したが問題はないので頷く。


「了解した。手間を取らせましたな。では内容通りに朝食を済ませた後は国境線に向かいましょうか」


 そう言って話しはお開きになった。


 まだ朝早いが二度寝する気にはなれず、朝の鍛錬を行う。


 それに触発された訳ではないだろうが、グレキンスも部下達と共に鍛錬する。


 未だに戦争は終わってはいないので、軽くではあるが十分に汗をかいた所でやめて近くの川に水浴びに行く。


 スッキリした後お腹が空いたので軽食を食べて服装を整える。



 暫くすると予定通り貴族の私軍が先発して、その後を帝国軍が続く。


 そして最後尾をバルフィナンス侯爵軍が続く形である。


 何事もなく無事に国境の砦付近に辿り着いた。


 敵軍が未だに包囲しているが、見るからにやる気に欠けている。


 そして貴族軍が一当てすると瓦解して逃げ始めた。


 砦で外の様子を伺っていた帝国軍が的確なタイミングで城門を開けて、騎馬軍団が飛び出して来る。


「大局は決まったな」


 遠くから戦況を見守っていたエルビンがそう呟くと同意する様にグレキンスが頷く。


「ええ、元々戦意に欠けていましたからね。まあ、本隊がやられたので仕方がないですな」


 無事に国境の砦は解放されたので、あとは帝国軍の仕事である。


 順次貴族軍は帰郷の途に着く。


 それに先んじてバルフィナンス侯爵軍は飛空船に乗り込み、先に戻る事になる。


「では、ラクラトルト辺境伯。お先に失礼します」


「ああ、今回の援軍誠に忝い。何れこの恩義には報いる事を約束する。我が家の門はいつでも開いているので、何かあれば……いや、何もなくてもいつでも歓迎しよう」


「ありがとうございます」


 他の貴族達とも挨拶を交わして飛空船に乗り込む。


 そしてバルフィナンス侯爵領を目指して飛んで行く。


 まだ戦いは終わっては居ないが、西方はもう大丈夫だろう。東方の方も先程報せが来て、敵を退ける事に成功したらしい。


 残念ながら殲滅迄には至らなかったが、もう東方は安全になりバルフィナンス侯爵軍の艦隊も、もく数日もすれば帰って来れるだろう。


 問題は南方である。


 此方は未だに決着が着いていないらしい。


 何故なら山岳地帯と言うこともあり、敵がゲリラ戦法を使用した事により、遅々として進軍が進まず苦戦しているらしい。


 城砦群に群がって来た敵軍は撃破して、そのままの勢いで逆侵攻したのが裏目に出た様だ。


 まあ、敵は裏切り者の国であるのでその気持ちもわからないではない。


 それにしても二正面でも普通はキツイのに三正面に戦線を抱えたのにも関わらず、その屋台骨は揺るがず跳ね返すとは流石は大国エイラム帝国である。


 他の国ならとっくに滅びていただろう。


 バルフィナンス侯爵領に凱旋すると皆から祝福の声を掛けられる。


 まだ戦争は終わってはいないが、戦争による物価の上昇などは今のところは起きてはいない。


 その代わり武器防具は値段が高くなり、冒険者や傭兵からは不満が上がってはいるが、両者ともが、この戦争に参加しているのでそこまでではない。


 それにしても故郷に着いたからだろうか、張り詰めていた糸が切れた様にどっと疲れが押し寄せて来たので、挨拶もそこそこにその日は就寝した。


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