蘇る記憶
なんかいいかんじになってきた(^-^)
お楽しみください!
優姫side
「そうだったわ。思い出した。」
私はお父様から聞いた話を思い出した。
作成していたウィルス、そしてその適合者の話も・・・
「なにを?」
「お父様の研究してたウィルスについて思い出したの。ほら、あの製薬会社の。」
「あー!あそこの社長さんなんだっけ?」
「そうなの。責任はとるって言ってたけど・・・」
あたしはどうしても胸騒ぎが抑えられない。
加寿がいないこと、お父様が生きているか・・・。
そして私たちが生き延びられるか・・・。
「優、どうしたの?心配?」
「え?ああ、大丈夫よ。とりあえず加寿をさがしましょう。」
「わかった。行こう。」
そして私たちは加寿を探すことにした。
加寿side
「加寿!早く!」
その声が聞こえてきた後、俺はかなり走った。
それこそ100メートル走を5秒で走れるんじゃないかと思うほど・・・。
しかし・・・
「うっ!」
うかつにも下にいた感染者に噛まれてしまった。
これで俺は感染確定だ。映画でいうところの脇役だ・・・。
おれはそいつを足で蹴飛ばした後、優のほうを見ないようにしてその場を後にした。
ゾンビになると迷惑だからな。
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午後7時30分ごろ・・・
体中が寒い。やっぱり俺は感染したようだ・・・。
しかし、こんな映画みたいな世界がほんとになるなんて、少し感動している。
もう少しで死んでしまうのだけど。
最後くらい、好きな人に告白したかったな・・・。
死ぬ前はどうしてもネガティブになってしまう。
あー、奇跡でウィルス対抗でもあればなぁ・・・・。
そんなことを思いながら、俺は少し眠くなったため、おれは眠りにつくことにした。
おそらく、目覚めることはないだろう・・・。
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「・・・ず!加寿!」
女の声がする。聞き覚えのある、俺の好きだった声・・・
「加寿!なにこんなところで寝てるの!」
もう一人いるようだ。こっちも聞き覚えがある。キンキンと耳に響く声・・・
俺は深い眠りから覚めた。
「うっ・・・優に、真奈美・・・?」
「やっと起きたわね。加寿。」
目の前にいたのは、優と真奈美。頼れる仲間が、こっちまで来てくれた。
でも確か俺、噛まれたはずじゃ・・・
「加寿、足どうしたの?」
優に聞かれた。もう正直に打ち明けるしかない。
「すまん・・・噛まれた。」
その言葉を聞いて、二人とも顔が引きつる。
言わないと迷惑がかかるが、できれば言いたくなかった。
だが、さっきまでの症状が一切ない。まさか・・・
「噛まれてから何時間たってるかしら?」
「大体、10時間くらいは・・・」
「それなら、よかった・・・。」
そう言って優は泣き崩れてしまった。
「優!どうしたの?加寿は・・・」
「大丈夫、よ。抗体を持ってる・・・。」
俺はその言葉を飲み込むのに時間がかかった。
俺に、抗体・・・?
「はっ、ウィルス抗体ってか。これで俺も主役の一人か。」
「なにいってんのー。主役はみんなだよ!」
「そうだな。ほら、優もいつまでも泣いてるなよ。俺は生きてる。早く移動でもしようぜ!」
「ええ・・・そうね。加寿、生きててくれてありがとう。」
「おう、どういたしまして。」
おれは、好きな人に感謝された。
To be continued..................