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花の散り際、刹那輝いた星

加寿Side

「そんなことはさせねえ、だけど俺が実験体なのも認めねぇ...俺は断る」

間髪入れず俺は横にいる護衛の一人に近づき、足を蹴り転んだ隙に頭を床にたたきつけると、銃を奪って博士に向ける

たじろぐ様子もなく、そうするかと予想していたような顔に腹の底から怒りがこみあげてくる

「残念なものだな、実験体の分際で思い出なんてものを作ってしまうからにこんな苦しい結果になってしまうとは」

「うるせぇ..!」

認められない、俺の青春は、偽物ではなかったはずだ。

優の優しい声、真奈美のせわしなさ、そのすべてが俺にとって、奴らにとって本物だったはずだ

怒りにあふれているはずなのに涙がこぼれてしまう、それを見て博士が隣のまだ立っている護衛に何か合図をした

護衛は何かのボタンを押し、再び俺たちを警戒し始めた

「断るのなら結果は変わる、間違いなく加寿君は後悔することになるだろう」

「どういうことだよ、なぁ!」

銃を捨てて俺は博士につかみかかる、刹那銃弾が俺の頬をかすめて血が流れた

仕方なく距離をとり、俺は優、真奈美、大毅さんを見る

暗闇で表情はわからないが、ここまで一緒に来たからどんな心境なのかは痛いほど伝わってくる

優がすすり泣いている声、真奈美は驚き言葉が出ず、大毅さんは俺と同じで真実を受け入れようとしていない、博士に銃を向けたままだ

しばらくそのままにしていると、エレベーターが屋上に到着する音が聞こえた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大毅Side

エレベーターからは護衛と同じ服装をしたやつが何人も出てきた

「加寿以外を殺せ、命令だ」

冷たくも博士は護衛にそう伝えると、銃をこちらに向けてきた。

__ここまで来たんだ、最後まで生きて帰ってやるさ__

俺たちも銃を構えた

加寿が博士にとびかかり、頭を殴った。それを一目見た後、最も近くにいる護衛にハンドガンを撃つが、効いている様子は全くなく、アサルトライフルをこちらに撃ってくる

「隠れろ!」

加寿がそういうと、一人で護衛の群れに飛び込んでいった

俺たちは物陰に隠れて、様子を見ながら銃を撃つ

隠れた先に非常電源のブレーカーがあったため電源を付け、明かりをつける

護衛が倒れていく声が聞こえる一方、加寿の声は聞こえない

横を見ると、真奈美はいるが優の姿がなかった

「優!」

「大丈夫よ、お父様!」

優は、加寿と護衛を倒していた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

優Side

居ても立っても居られないっていうのは、こういうことを言うのかもしれないわね

加寿の真実、そして大量の護衛を目の前にして感じたのは恐怖でも悲しみでも、同情でもなく、

__怒りだったのかもしれない__

加寿が隠れろと言って私が素直に加寿が一人で戦っているところを見ていられるわけがなかった

見る見るうちに敵は倒れていき、ついに最後の一人が加寿の手によって倒れた

息を整え、 加寿を見ると、目が合った

「信じるか、あいつのこと」

「いいえ」

私は即答した、信じない、信じられるわけがない...

加寿も、高校で過ごした思い出は本物だって信じてくれているはず...

加寿は屋上の端に向かい、そこから街並みを見下ろしていた

私は隣に立ち、同じく街並みを見下ろす。

「こんな世界になったけれど、私は楽しかったのよ。偽物とか、本物とか、どうでもいいわ」

言葉が詰まるけど、無理やり絞り出して加寿に伝える。

彼は何も言わなかった、私は唇をかみしめた

「危ない、優!」

お父様が飛び込んでくるけど、状況が理解できなかった

博士が立ち上がり、私に銃口を向ける

銃声が鳴る、目を瞑る。

目を開けると、目の前には加寿がいた

「加寿...?」

お父様が博士に銃を撃ち、ついに力尽きた

腹を抑えて、ふらついた加寿を見て、支えようとした

「優、最後に....」

_俺は....お前が___

私の目の前には、加寿はいなくて、加寿は下に落ちたのだと理解するのに時間はかからなかった

私に迷いはなかった

恐怖心を振り払い、私も加寿に追いつこうと飛ぶ

跳ぶ間際、見えた星はとてもきれいな気がした

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

加寿Side

「加寿!」

上から優が落ちてくる。

地上までまだ距離はある、せめて優だけでも助けなければ...

「何してんだお前!」

優を抱き、俺が下になるようにした

「さっきの言葉、最後まで聞かないと墓場には行けないわよ!」

_ったく、どこまでお前は、馬鹿なんだ__

「これが答えだよ!」

風が耳をかすめる中、俺は優を抱きしめ、唇にキスをした

勘の鋭い優ならこれで何を伝えたかったかわかってくれるだろう

地上までもう距離がない、俺は優を抱きしめたまま、目に映る最後の景色を見ていた

__星が綺麗だな、俺にはもったいないくらいだ__

流れ星が光ると、俺の意識は黒く染まった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大毅Side

昔、優に教えたことがある

「優、花っていうのは散り際が綺麗で、星っていうのは光るともっと綺麗なんだ。優もそれくらい綺麗な心を持つといいな」

いつまでも純粋な優は、俺の教えの通りに綺麗になってくれた

しかし、俺はまだ信じていない...

優はまだ生きている、加寿も生きている...

そう思わないと頭がおかしくなりそうで、俺は真奈美を抱きしめて涙をのんだ

「大毅さんっ、優、ゆうっ...いきてるよね...」

つっかえながら真奈美が俺に聞いてくる。落ち着かせるために背中をさすりながら答えた

「生きてるさ、加寿も、生きてるよ、絶対な」

俺たちはエレベーターを使って一階に降りた

To Be continue...................................

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