再会ー刺客ー
大毅Side
怪物に吹き飛ばされた時、俺は死を覚悟した。
腹に感じた激痛、背中で受けた衝撃を忘れることはできないだろう...
痛む体を無理にでも動かし、優たちに追いつこうとした
「エレベーターが使える...!」
真奈美がエレベーターの前で嬉しそうに跳ねている
この状態で階段で屋上へ行くのは酷なのでエレベーターを使えるのはかなり助かる。
しかし...
「落下することも想定されるな、電気の供給が止まりつつあるから。」
現実的に考えたときのリスクはかなり高い。電気が止まってきているのは事実だからだ...
現に今居る階の電気が点滅している
「それでもお父様の状態を考えるとエレベーターを使うべきよ。屋上ではなくても少し下で降りればいいわ」
そう言って優はエレベーターのボタンを押して、エレベーターの中に入っていった
後に続くようにマスター、真奈美が中に入っていったので、俺も続く
機械音が鳴った後、エレベーターの扉が閉まり、上に上がっていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エレベーターは屋上から三階下に止まった
「仕方ない、ここからは歩くか...」
ドアを開けて外に出ると、ひどい光景が広がっていた
重なっている死体、腐敗が始まりひどい臭いを放っているものもある...
「うっ...何なのこの臭い!」
真奈美が鼻をつまみながらエレベーターを出る。そのとき、
「きゃっ!」
真奈美の足元に感染者がいて、彼女の足を掴んできた。すかさず俺はそいつの頭を踏み潰し、体制を崩した真奈美を支える。
「あれ...みろ!」
マスターが指さした先には、数えきれないほど大量の感染者が走ってこっちに向かってきていた。
「逃げるぞ!」
俺たちは非常階段を目指して逃げ始めた...
・・・・・・・・・・・
間一髪で非常階段には間に合ったが、扉が閉まらない...
誰かが押さえつけていないとすぐに開いてしまうような状態で、先に進むことは非常に困難だ。
「お前ら、行け!ここは俺が時間を稼ぐから屋上に行くんだ!」
マスターが扉を抑えながら俺たちに向けてそう言った
優がその言葉を聞いて叫ぶ
「駄目よ!みんなで屋上に行って助かるのよ!さぁ!」
「この扉を誰かが抑えてないと全滅だ!お前たちが死ぬより俺一人が犠牲になったほうがいい!行け!」
言い返す言葉もなかった、やはり事実だからだろうか...
優も真奈美もそれで黙り込んでしまい、その場の空気が気まずくなる。
そこにマスターが「はやく行け!」とせかしたため、俺を先頭にして非常階段を上り始める
ーマスター、本当にありがとう...ー
最後に開きそうな扉を一生懸命押さえつけているマスターの姿を見て、そこからは振り返らなかった....
・・・・・・・・・・・・・・
屋上に通じるドアを開けて、すでに日が沈み、暗闇がすべてを包み込んでいることに気づいた
涼しい夜風を感じながら、俺は目線の先にいるあいつをただ見据えていた
「加寿...」
「やっと来たか。」
暗いため加寿の表情はわからない、しかし声の感じからやっと来たかという怒りが少し垣間見えた
その怒りを隠そうともしないで、加寿は言葉を重ねる
「でもここに来たってことはい俺のことを受け入れるってことで間違いないな?」
「当たり前だ」
俺は即答した。言葉にはしていないが優と真奈美もうなずいている気がした
暗闇の中でお互いの顔は見えない、しかしお互いに通ずるものがある。
____絆、か___
再会の喜びに浸っているとき、突風と耳をつんざく羽音で現実に引き戻された.....
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
加寿Side
___今度は何だ___
正直もう終末の世界にはうんざりだ。もしあと一時間で優や真奈美たちが来なかったらここから飛び降りて自分自身を終わらせようと思っていた
最も、それがかなうならという話だが...
こいつらが俺のことを見捨てていない、それだけで俺の活力になる
暗闇の中、大きな音をたてて屋上に着陸したのは、ひときわ大きなヘリコプターだった。
ヘリコプターからは一人の博士のような人と、それの護衛についていると思われる人が下りてくる
「誰だ」
暗闇のため、お互いの顔は見れない。しかし、お互いに警戒はしている
「自己紹介をする時間はない、要求を呑んでもらう。」
不愛想に博士のような男は俺に近づいてくる
「お前に本当のことを伝えないといけないな」
俺の前で止まり、そう言ってきた
_本当のこと...?_
俺の耳に入ってきた「真実」は、受け入れるのに時間がかかるものだった
「お前は、いつか来る感染爆発を止めるために作られた人体兵器なんだ、私たちは、お前を」
__回収しに来た__
俺は、何も考えられなくなってしまった
・・・・・・・・・・・
優Side
とても長い沈黙、加寿に告げられた真実で固まってしまったのは本人だけではない
私も、加寿も...お父様も言葉を飲み込むことができなかった
加寿がようやく口を開く。
「モルモットだったのか、俺の思い出は....本物じゃなかったのか」
怒りではない、心の底からの悲しみにあふれた声だった
こらえていた涙がこぼれてしまう、暗闇で気づかれていないだろうと思っている...けど、声が漏れてしまい気づかれてしまっただろう
続けて加寿が言う
「俺が断ったら、お前たちはどうするつもりだ」
博士は言葉を用意していたかのようにはっきりと加寿に告げた
「その時は、お前が大切にしているものをすべて私が破壊しよう」
To Be Continue......................
これが、真実




