終わりの始まり
ー登場人物の心の声ーを追加しました
句読点を減らしました
加寿Side
_長い夢の続きを見た_
昼休みが終わり五時間目、眠気を我慢することなくいつも通り机にふせようしようとした...
すると隣から優しくつつかれた
「なーに寝てんのさ、授業中だよ?」
ーんだよ、おせっかいだな・・・ー
うざいと思いながら顔を上げて隣を見ると、真奈美がこちらを見ていた
「ったく、いままで無視してたくせに今更なんだよ・・・」
「もう友達なんだからさ、昔のことは水に流そうよ!」
授業中にもかかわらず、先生に聞こえそうな声で俺に言う
「バカっ...先生に聞こえるだろ...」
「このくらいでしゃべらないとあんた寝そうじゃん!センセー!加寿くんが!」
突然真奈美が手をあげて立ち上がり、俺が寝ようとしていたことをチクろうとした
授業を信仰していた先生はその突然さに驚き、一瞬黙ってしまう
「バカやろう!先生、何でもないっす!授業進めててください!」
ーめんどくせー奴だ、ホント....ー
夢だと、自覚することもなく、つかの間の幸せを堪能していた....
「っは...!」
夢から覚めた俺は、かなり汗をかいていた
ーなんでこんな夢を....ー
気づけば涙も流れていたようだ、上手く目の焦点が合わせられない....
ー本当に、俺はあいつらを捨ててよかったんだろうか....ー
心のどこかで、後悔しているような気がする....
そんな鬱とした気持ちを押し殺しつつ、俺は屋上でみんなが来ることを信じて待った。
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優Side
「なんで...私は何もできなかった...」
加寿が去っていったあと、私たちはその場から離れることができなかった
加寿を支えられなかった私の責任だと、ずっと自分を責め続けている...
すると真奈美が、
「優のせいじゃないよ、そんなに自分を責めようとしないで...」
私を慰めようとしてる真奈美の声も、少し震えていた気がする...
「奴は屋上で待ってる、行くぞ」
有無を言わせない気迫で、お父様が一歩進んだ
ーこのままではダメね...私も前に進まないとー
「ええ、進みましょう...私はお父様についていくわ」
「あたしも、あたしも進む!加寿はあたしたちの親友だもん!」
真奈美が私に続いてそう言った
「よし、それじゃ行くか、ここにいるのも危険だしな」
私たちは、ワクチン製造室を後にした。
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牧人Side
なぜだ....
なぜなのか...
俺は加寿や優たちの話を聞いても、ずっと上の空だった
ー美香...お前は...ー
本当に最後まで手のかかる奴だった
初めての女友達もあいつだったし、家に行ったのもあいつが最初で最後だった...
美香には、形に残らない大切なものをもらった...
今は、もう.....
「なんかの音がするぞ...気を付けろ」
大毅さんが声を潜めて俺たちを止めた
ー聞いたことない声だー
それは声というより、吐息のようだった
防火扉の一枚向こうから聞こえる「それ」は、俺たちに気づいている様子はなく、不規則なリズムで呼吸をしている
「合図で行くぞ...1...2...」
最後までカウントすることなく、「それ」は防火扉を破って現れた
「うがっ!」
坂橋さんが怪物に正面から衝突し、悲鳴と共に動かなくなった...
「こいつ...なんだ!?」
「それ」は、人間の皮をはぎ取り、代わりにネズミの皮をつぎはぎにつなげたような外見をしていた
両手から生える長い爪が防弾ガラスを割り、あたり一面にガラス片が広がる
ーこいつの弱点は...ここだ!ー
弱点を見つけた俺は「それ」のもとへ走り、跳んだ。
「それ」の目であろう場所に銃口を向けたとき、全身に激痛が走り、口から血を吐いた
「牧人!」
「かはっ...」
息をしようとしても横隔膜が潰れ、吸うことも吐くこともできない
最後の力を振り絞り、銃の引き金を引く。
ー美香...俺もお前のところに行けそうだ...ー
これから死のうというのに、俺の心の中は幸せに満ちていた。
To Be continue..................




