市街地 地獄絵図
加寿Side
大毅さんと合流できたので、俺たちがかつていた市街地へ向かうことにした。
「美香、ゆっくりでいいからな。」
牧人が美香に肩を回して、ゆっくりと歩いている。
俺たちはそのペースに合わせて歩いている。
「正直言わせてもらうと、そのペースじゃ四時間間に合わないぞ。」
「仕方ない・・・なら。」
牧人は美香を肩車した。
「え・・・牧人・・・」
「こうするしかないだろ?我慢してくれ。薬を飲めば少しは良くなる。」
「うぅ・・・」
美香は顔を赤くしている。
「さ、走るぞ。」
俺は小走りを始めた。
それに合わせてみんなが走り始める。
「これなら、間に合うだろ?」
俺は誰かに問う。
「あぁ。間に合う。」
誰でもよかった。
仲間を失いたくなかった。
大毅さんのその言葉を聞き、俺は走る速度を上げる。
・・・・・・・・・・・・・
「はぁ・・・はぁ・・・」
何とか走って市街地についたが、着くころにはみんなの息が絶え絶えで、休まないと動けないほどになっていた。
もっとも、俺は感染してるので疲れてないが。
「美香に、奇跡は起こらないのか・・・どうか・・」
牧人が空に願う。
俺みたいな耐性があれば、だが。
「奇跡はおこるわよ。絶対に。」
「あぁ。そのとおりだ。」
市街地の様子は以前よりも悪化しており、車は焦げて真っ黒になり、あちらこちらにはまだ火の手が回っていた。
「不吉だな・・・。」
以前のきれいな街と比べると、真っ黒になっていて、不吉に思えてしまう。
「ここで待っててくれ。俺は風邪薬を探してくる。」
「気を付けてね。」
俺は、この黒く焦がれた街を探検し始めた。
・・・・・・・・・・・・・
「此処の薬局は・・・お?」
感染拡大の影響か、ほとんどの薬局にある薬は、とうに盗まれていた。
しかし、11軒目にしてようやく、目当ての薬局を見つけることができたようだ。
「探そう。どこにあるんだ?」
俺は商品棚を片っ端から調べ始めた。
時間にして約12分、ようやくこれだろうという風邪薬をあらかたリュックにしまった。
「よし、行くか。」
そして俺は薬局を飛び出し、路地を走り始めた。
・・・・・・・・・・・・・
優たちの所に戻ると、文字通り地獄絵図が広がっていた。
「くっ・・・!なんて数だ!」
「優!美香ちゃんをおねがい!」
「分かったわ!」
優たちを中心にして、どこから現れたかわからない感染者の大群が押し寄せていた。
「優!大毅さん!大丈夫か!」
優と大毅さんの姿が見えた。
優は美香を連れ出していて、大毅さんはその後ろで感染者の相手をしていた。
「この野郎!」
俺は後ろにいた感染者に裏拳を食らわせ、優と大毅さんの所に向かった。
「この数・・・相手できそうにないぞ!」
「逃げよう!真奈美と牧人もこっちに!」
「ああ!」
「分かった!」
真奈美と牧人も感染者の山を何とか潜り抜け、俺たちのもとに来ることができた。
「はぁ・・・はぁ・・・ここじゃ・・・ダメだ!」
「俺についてこい!抜け道がある!」
そう言って大毅さんは大通りを走り出した。
「まってくれ!」
俺たちはそれについて行った。
もちろん、感染者も連れて。
???Side
「ほんとにこれでよかったんですか?」
「いいのいいの。せっかくの生存者で、仲良くできたんだけどね。」
「そうですか。私も社長にこんなことするのは不本意なんですがね。」
「まぁ、私もだよ。冬馬くん。」
「まぁ、後を追いましょう。美結さん。」
To Be continued............................




