後日談 とある母親あての手紙
日は流れ、避難所に生存者がいなくなったころ、とある手紙だけが残っていた。
それは、とある母親へ向けた、感謝の手紙だった。
『お母さんへ
おかあさん、いつも僕のことを守ってくれてありがとう。
いつもめいわくをかけたり、おこらせたりしちゃってるけど、大好きっていってくれてとてもうれしいよ。
お母さんとの三つの約束、ちゃんとおぼえてるよ。
ひとつ、お母さんの言うことはしっかり聞くこと。
これは何回もやぶっちゃっておこられたよね。でももう大丈夫。おかあさんのじまんの子供になるよ!
二つ、おやつはご飯を食べた後だけ。
これも何回もやぶちゃったよね。どうしてもがまんできなくて、れいぞう庫のなかからプリンを出して食べて、ばれたときはすごくおこられちゃった。あの時はすごくこわかったよ。
そして最後に三つ、お母さんより長生きすること。
僕は絶対に、お母さんがむねをはって自分の子供だといえる子になれるように、お母さんよりも長生きして、おかねもちになって、お母さんがしあわせになれるようにするよ!
だから、待っててね。
研より』
手紙のそばには、首をかみちぎられた息子と、涙の後が見える女性の姿だった。
この手紙が読まれることは、もうないだろう・・・。




