避難所編 到着と安堵
優姫Side
騒がしいヘリの音、様々な生存者の会話、自衛隊の鳴りやまない通信機の声。
私たちは、無事に避難所に到着することができた。
「では皆さん、こちらへ来てください。」
「俺たち生きてるぜ、なぁ優?」
「そうね。うれしい限りだわ。」
「あー!最悪だあ!」
「どうしたの真奈美?」
「化粧品忘れたぁ!」
「はぁ・・・」
「真奈美、らしいな」
「うるさいなぁ、私にとって化粧品は命なの!これじゃぁ不細工だぁ・・・」
「まぁ、ここに置いてあることを期待しよう。」
「うん・・・」
『続いて、大毅、加寿、優、真奈美の人たち、こちらへついてきなさい。』
「なんで私たち下の名前で呼ばれてるの?」
「そ、それは・・・・」
「あんたかぁ!大毅さん!」
「すまない、少し疲れてて名字が・・・」
「自分の名字は覚えててよ・・・」
「あ、あぁ」
(あれ・・・お父様・・・認知症?まさかだけど・・・・・・いや、私の考えすぎね・・・)
<ついたぞ。ここがお前たちの部屋だ。部屋数の関係で男女混合だが、変なことはすんなよ>
「するか、っての」
「まぁ、まぁ加寿君。落ち着きたまえ。」
なんともない会話の後、お父様が扉を開ける。
「さぁ、御開帳だ!」
ガチャリ・・・
キイイィィィ・・・
「「「「おぉ・・・」」」」
部屋の広さは約七畳ほどの、大きなテレビにソファ、まぁまぁ大きなテーブルが、綺麗に並んでいた。
そして何よりも・・・
「ベッドだわ!」
「うわああぁ!ふっかふか!大きいし!これなら全員入るね!」
「ありがたい限りだ。」
「お、なんかドアがまたあるぞ」
お父様がさした指の先には、装飾が施された木製の扉があった。
「なん、だろう?」
「トイレかお風呂かな?」
「俺が行ってみる。ここでゆっくりしていてくれ。」
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「トイレだったぞ。水洗の洋式トイレだ。しっかりナプキンとトイレットペーパーの替えがあった。なくなったら俺に言ってくれ。」
「わかったわ。ありがとう。」
「そういえ、ば。荷物は?」
「あぁ、それならあれだぞ」
大きなベッドの横には10個ほどの段ボールが並んでいる。
「はぁ・・・めんどくさそう・・・」
「さて!みんなで仕事を分担しよう!俺と加寿で掃除、点検とかやるから、優と真奈美は洋服の整理を頼む。」
「「はぁい・・・」」
「いく、ぞ。大毅」
「おう!」
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牧人Side
「うう・・・吐きそうだ・・・」
「何言ってんの牧人!溜畑さんを見て!」
俺が顔を上げると、今にも嘔吐しそうな俺をあざ笑うかのように本を読んでいた。
所変わってここは船の中。到着まで五分もかからない場所にいる。
「なんであんなに・・・余裕があるんだろ・・・ヴオエ・・・」
「ちょっと!ここで吐かないでよ!?」
「さっきっからなんだよぉ・・・。こっちは本読んでるってのによ・・・」
「気持ち悪いんだよ・・・」
「もう五分も無いんだから・・・耐えてよ・・・」
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「やっと着いた・・・ふ、袋を・・・」
何とか船が避難所に到着して、俺はこらえていた吐き気が限界に達した。
言わずもがなという様子で美香がビニール袋を差し出す。
そこに思う存分吐いた後、息を整えた。
「ふぅ・・・ふぅ・・・」
「まったく・・・」
「ここまでよく頑張ったもんだぜ、なぁ?」
『大丈夫か?この人は?』
「船酔いです。彼、船に乗るのが初めてで・・・」
『そうか・・・できるだけ早く呼べるように考慮しておこう』
「ありがとうございます。」
「はぁ・・・はぁ・・・すまない・・・美香と溜畑さん・・・」
「しょうがないよ・・・」
「まぁ、気を落とすなよ・・・」
<続いて、武田 牧人 咲良 美香 支那原 溜畑 山崎 美結の人たち、ついてきなさい>
「ん?山崎って誰だ?」
「あなた知らないの?自衛隊の幹部の中のかなり凄腕の人だよ?ニュースにも出てたし・・・」
「そうか・・・と彼女のお出ましだ。」
「なーんかみんな陰キャって感じー。」
「な、喧嘩売ってるのか!?」
「落ち着いて牧人!」
「あ、ごめんー。私が美結でーす。美結とか、みーちゃんとか呼んでくれて構わないからねー」
「よろしく。牧人だ」
「咲良美香です。しばらく、お願いします。」
「支那原溜畑だ。名前でからかうなよ。」
「部屋についたら、みんなで部屋掃除をしようか。」
「わかった。」
『ついたぞ。部屋数の関係で男女混合だが、変な気が起こすなよ』
「もちろんだ。バカヤロウ・・・」
『なんか?』
「何でもない。」
ガチャリ・・・
キイイィィィ
「「「「うわあぁ!」」」」
「綺麗なベッドだ。それに大きなテレビ。あのドアはトイレかな?これなら掃除しなくても・・・」
「駄目よ!私のプライドがゆるさにゃい・・・許さない!」
「また噛んだな。」
やはり笑ってしまう。
「うるさい!掃除するよ!」
「ったく・・・照れ隠しが下手な奴め笑」
こうして、俺たちはしばらく安全な場所で生活することになった。
To be continued.............




