市街地編 安全地帯への第一歩
牧人Side
「くっそ!こんなこと予測してなかった!」
目の前にはかなり多くの奴らと、横たわった車、火が出てる車が無造作に転がっていた。
俺はブレーキをかけ、ハンドルをきつく切り、回った。
Uターンをして、迂回する作戦だ。
「っぶねえ!大丈夫か!?美香!」
「・・・」
「美香?」
「zzz・・・・・」
かなりの急ブレーキとカーブをしたにもかかわらず、美香は深い眠りについていた。
「いつも通りだな・・・ハハ・・・」
美香は昔から一度寝たらなかなか起きない性格だったから、あまり深くは考えないことにした。
___________
美香Side
「・・か・・・ろ!」
「美香!起きてくれ!」
「んぅ・・・ん?どうしたの?」
「一回ここで止まるぞ。」
最後に見た十字路の光景から、目の前にあったのは、まだ光がついているコンビニだった。
「おなかすいたの?」
「・・・少しな・・・」
「っ・・・ごめんなさい、私も・・・」
「じゃあ、入ろうか」
「はーい」
チャリリーン
「誰だ!ここに何の用だ!?」
「なっ!人がいたとは・・・」
「何もしないから出てきて!お願い!」
「ッチ・・・仕方ねえな・・・」
タッタッタッタ・・・・
コンビニの奥から出てきた人は、少しやつれた、小汚いおっさんだった。
「で、あんたら誰だ?」
「一応高校生だ。ほとんどいってねーし退学寸前だけどな。」
「咲良美香です。私たち高校二年生です。彼は武田牧人。」
「そうか。おれは支那原溜畑だ。この店に何の用が?」
「少し食糧を分けてほしいんだが・・・」
「待ってくれ!放送を聞いたか?」
「ああ。公園だっけか?」
「そうだ。俺はこれから行く予定だったんだ。一応ここにあるものは持ってけるものは持ってくが、手伝ってくれるか?」
「・・・美香、どうする?」
「牧人に任せるよ。」
「じゃあ、手伝うぜ。早くいかないと、ヘリが行っちまう。」
「わかった。ありがとう!なら、早速だが、美香さん。裏に車がある。鍵を渡しておくから、車のエンジンをつけておいてくれ。」
「はーい。」
「牧人くん。食料品は頼んだ。」
「おう。」
_____________
「よし、積み終わったな。」
「早くいこ!もうじかんがなにゃい・・・ない!」
「噛んだなwww」
「うるさい!はやく!」
ブウウウウウウウウウウゥン・・・・
<最後に繰り返す。十時半には点呼を終了し、避難所に移動する。生存者がいる場合は、直ちに公園に集合しなさい。>
「今何時?」
「十時二十七分だ。」
「あと三分だと!?」
「間に合うの?」
「大丈夫だ。ほら。」
目の前には、二人の自衛隊のような人や、おそらく百人弱はいるだろう生存者がいた。
「最後の生存者です。道を開けてください!」
「車から降りよう!」
「荷物は?」
「牧人と俺が持っていく。事情説明を頼んだ。」
「わかった!」
「行くぞ牧人君。」
「次から牧人でいいや。あと避難所ついたらシャワー浴びて髭剃って。ちょっと汚いから。」
「ずばりというなぁ。牧人」
「さ、駄弁ってないで行くぞー」
「おう。」
美香Side
「何人だ?」
「三人です。」
「感染者は?」
「二人は感染してません。もう一人はわかりません。」
「わからない一人は?」
「今車の荷物を持ってきてます。」
「わかった。とりあえず二人は入れ。」
「はい。」
こうして私と牧人は避難所に行くことが確定した。しかし溜畑さんは、感染しているかわからないため、一応チェックを受けてもらうことにした。
「美香さんと牧人さんですね?感染していない証拠としてこのリストバンドをつけてください」
「はい。」「わかった。」
「溜畑さんの結果が分かった。未感染だ。」
「よかった・・・」
<現在の生存者がすべてそろったことを確認したため、只今より避難所へと移動する。荷物は各自で持っているように。>
「じゃ、あなたたちは五号車です。説明はあっちで受けてください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「行こうぜ美香。」
「うん。」
「美香さんと牧人さん、そして溜畑さんですね?乗ってください。」
「わかった。ここからどれくらいだ?」
「約二時間といったところですね。」
「了解だ。」
こうして私たちは、無事に生き残ることができた。
人物紹介
武田 牧人:高校二年生だが、ほぼ学校に行ってない挙句、全教科赤点という退学寸前の不良。十七歳でどうしてもバイクが欲しいという理由で先生や親に内緒でバイクの免許をとる。
咲良 美香:高校二年生。あまり男子が好きではないが、牧人に少し気がある。あるところでは女子らしく、またあるところでは人間離れしているという。人見知りではない。
支那原 溜畑:43歳の独身。1か月前まで刑務所にいて、刑務所上がりの男。女にあまり興味がないが、音にも興味がない男。しかし楽しいことには興味がある。とある組織から狙われているという噂がある。




