表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/83

番外編(あの稲妻の下3)ルイド誕生

(「ルイド・・・ルイド!・・・・お兄様・・!」)

我が子を最愛の兄を思って

女の頬に涙が伝う。



「・・・・我が妻よ・・・・銀の髪と緑の瞳を持つ

月の巫子姫・・・お前は私のものだ・・。」



女の心の声が、そして

男の声が赤子には聞こえていた。


(「助けて・・・私を・・・ルイドを・・」)

涙に濡れた女の瞳がぐったりしている赤子の方に向いているのを

赤子自身が分かっていた。



「・・・あ・・う・・シャ・・リャ・・サ・・ラ・・」

体中がズキズキ痛かったけれど

女の瞳を見ているとほんの少し落ち着いた。


女の長い髪がサラリと床に落ちたのを見て赤子は

懸命に手を伸ばした。


赤子の手は本当に小さくてまあるい

母親に甘えるだけの何の力も無い手で

今の女が望むような守れるだけの力と

大きさが必要なんだと赤子は理解した。


「・・・・サラ・・・!」


伸ばした手が見る見るうちに大きく長くなっていく。


もっと・・・もっと・・・大きく


「・・・・・サラ・・・駄目・・サラを・・止め!」

大きくなるにつれて身体の痛みも徐々に消えてきた。



「やめえ!!」

何が良い?・・・・どれが一番強い?

自分自身に尋ねてみたらすぐに分かった。

そして、今まで女の望み通りに眠らせていた

体中の魔力を男に向けて叩き付けた。


最も強い攻撃性を持つ火の力と

それに力と技を与える風の力

二つを混ぜて子は女を傷つける男に対して思い切りぶつけた。




バチバチ火花を散らすそのエネルギーを

男は軽々と片手で受け止めると

本当に嬉しそうに微笑んだ。



「火と風・・・・稲妻の力か・・・・

さすがは我が子だ・・・・・・・

この私、魔王の血を引きながら月の巫女の・・・

月の女神の加護を持つ者・・・私の望んだとおりだ」

男の笑い声が木霊した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ