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番外編(あの稲妻の下2)ルイド誕生


「ルイド・・・私のルイド」

銀の髪の女が同じ髪を持った自らの子に口付ける。



「あ~う~?」

手を伸ばした赤ん坊の手の平に絡まる女の髪は

サラリと流れ落ちて赤ん坊は心地よさに瞳を細めた。



「愛しいルイド・・・・ずっと私の傍で

そのままで居てね」

自分の長い髪を絡めたりのばしたりする姿に

溜まらず女は強く抱き締めた。


「お前は人間なの・・・・

人間で・・・私の国・・

清浄なる守護の国サフラの王子

お兄様の名前ルイドと、始祖王カルフォスから頂いた名前・・

ルイド・カルフォス=サフラよ。」







幸せそうに我が子を抱く女を男はじっと見つめていた。


「あの赤子・・・・・魔力を感じない・・・

我が血と巫子の血を引く者のはずなのに・・・

普通の人の子のように・・・むしろそれ以下だな・・・」


純粋な人間の赤子のように全く成長しない自分の子に男は

徐々に苛立ちを感じていた。


(これでは役立たずだ)







「月の巫子姫よ・・・・」

女と赤子の居る部屋に突如として男が現れ

チラリとも自分を見ないで心の殻に閉じこもっている

女の頬に手を伸ばす。


「私は我が血と月の加護を持つ血を持つ

最強の魔族が欲しいのだ。」

そっと何度も愛おしむように女の頬を触れる

美しい男を赤子は、全てを知っているとでもいうように

じっと母親の腕の中から泣きもせず見上げていた。


(役立たずは要らない。)


「嫌!!・・・・・嫌!!ルイド!!!」


男は赤子のそんな瞳を無視したまま無言で女の腕から

もぎ取ると赤子の名を叫び縋りつく女の動きを魔力で封じ

更に赤子に対しても消滅させる為の力を送る。



バチッ




しかし


何かが男を邪魔しているのが分かった。



「・・・・!?・・・何だ?」


「止めて!」



動きも力も封じているはずの女の方を振り返り

自分が封じ切れていないのかと

もう一度瞳を凝らしてみるがそんなことは無いと分かる。

今度はしっかりと声までも封じて

微笑を浮かべながら女に歩み寄る。


「そんなにこいつが愛しいか?

・・・・まもなく私に消滅させられるこれが?」

クスクスと笑った後おもむろに

後ろの壁に赤子を放り投げて女の反応を楽しんだ。


「大丈夫・・・すぐに次の子が出来る・・・

私の魔力とお前の姿を受け継いだ子が」


身動きも声も封じられた女の唇に口付けを落とし

男は再び自分の子を産ませる為に女を強く抱き締めた。

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