表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/83

番外編 (あの煌きの下)ルナとリュクシス

「ハッ!!」

ビューン!!


「ハッ!!」

ビューン!!


(後、25回・・・・)

シアリス師匠に言われた素振りは100回

その他まだまだ有るが一様終わったら一度休憩しよう

心に決めて最後のラストスパートをかける。


「ハッ!!」

ビューン!!


ビュンッ!!


剣の風を切る音が重なる

しかも格段に剣の切れがいい音

何となく予感がしてチラリと音がした方を見てみる

やはり・・・



「姫!!剣の稽古ですか?

私も是非ご一緒させてください!!」


にっこり笑ってリュクシス皇子の顔

けして嫌いでは無い、何となく苦手では有るかもしれないけど

内心、機嫌が悪くなりながらも

黙って引きつり笑いをして見せる。


(剣の天才って言われる人が私と一緒に

素振りなんてして欲しく無い、

私の未熟さを強く感じるじゃないか?!)

ほとんど八つ当たりだと分かってはいるけれど

自分の力のなさを痛感しながら育った

ルナには辛いものがあった。



「・・・・・・」

ビューン!!


「・・・・・・」

ビュンッ!!


噴水の水が飛び散る中庭で

すでに無言となりながら

しばらく不本意ながら続けていたが不意にリュクシスが

剣を置いてしまう。


「疲れましたね。」

さっき始めた所で

しかも汗の一つもかかないで突然そんな事を

言い出すのを聞いて

ルナは一瞬リュクシスがルナの気持ちに

気付いて手加減してそんな事言い出している

(馬鹿にされた!!)

と激しく思って怒りを感じたが


剣を振るい始めてから実はずっとルナの方ばっかり

リュクシスが見つめていたのに気付いて

(剣に集中もしないで一緒にやってたの?)

更なる怒りを感じる反面何だか

この人は気を使いすぎの人だと

ルナの中で判明してしまった。


自分ではさりげなく見てないように装っているのだろうが

ひたすらさっきからルナの顔色を見ているのを

その瞳に馬鹿にしたような色やふざけているような光が

無いのを感じて

笑い出したくなった。


「うん!!・・・・疲れたね、

休憩して何かお話しましょう?」

「・・・・そうですね・・・・・じゃあ・・・

姫の趣味とか・・・お聞かせ下さいませんか?」

一瞬、リュクシスが一生懸命私の顔色を見ているが

私に分かってしまったのを感じたのだろう、

恥ずかしげに微笑むと顎に親指と人差し指を

沿えて首をかしげた後そんなことを聞いてきた、

まるで何処かお見合いみたいな雰囲気が漂うのが

何だか可笑しい。




(あんまり気を使ってばっかりだと、

若禿げになっちゃうよ・・・・そんなに綺麗な髪してるのに・・・)

一人こっそり心の中で囁いて

頭も剣も物凄い才能を持った

皇子が身近に思えて

何だか大好きになりそうな自分に気付いて

ストップを掛けた。

この態度が嘘じゃないのは分かるけど

企み野郎らしいのも分かる

そしてルナは早々と結婚相手を

決定されるのはかなり困る事




噴水の水滴が太陽に煌きながら二人の

まだ少し腹に一物持ち合っているのを

見守っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ