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番外編 (その一つ星の輝きの下)ちびルナとシアリス

「どうしたんです?」


王宮の庭、あまり人気の無い裏庭の低木の下で


幼いその女の子は泣いていた。




「・・・どうしたんです?」


顔を覆う小さな手の間から零れ落ちる大粒の涙を


ポロポロと落としながら女の子は問いかける言葉にも


気が付かない様子で泣き続ける。




そっと小さな体を抱きしめてあげると、


初めて気付いたように顔をあげる。




「・・・し・・しありす・・・」


あどけなく名前を呟いたシアリスの、


よく知っている女の子のその顔は、


涙に濡れ、頬を真っ赤にしていて、


女の子がこんなに泣いている理由を


知っているシアリスはズキズキと、心が痛んだ。










「・・・・まほー、


ルナは、まほー出来ないから・・うちの子じゃないの?」


拾われてきた子なのかな・・・


涙のいっぱい溜まった大きな瞳でシアリスをみあげる


自らの国の第二王女の頭をシアリスは、優しく撫ぜてやる。




「そんなこと無いですよ。


魔法が出来ても、出来なくても、ちい姫は、ちい姫ですよ。


王様も、王妃様も、おお姫もそうだって言うでしょ?」


シアリスの言葉に黙ってシアリスを見ていたルナが、


ちょっと考えて大きく頷く。




「・・・じゃあ、良いじゃないですか。


ちゃんと、ちい姫は、『うちの子』なのでしょう?」


「でも・・でもねぇ?・・・・・みんな、みんな言ってるよぅ?


月の女神の加護を受けた、巫子王国サフラの直系の姫が魔法を


一欠片も持たないのはおかしいことだって。


ルナ、役に立たないって・・・。」


再び瞳が潤んできたルナの涙を服の裾で拭って、




「・・・・・あのね・・・魔法だけが、役に立つ事じゃないですよ・・・


役に立つという事は、色々な事があって・・・。」


慰めようとするが、シアリスもそこまで人生経験が豊かでなかった。




「でも、ルナは、サフラの王の子だもん、


姉上の妹だもん・・・・まほー無いと駄目なんだもん!」


グスグス鼻をたらしながら再び瞳の涙を


決壊寸前にしながらそうルナが、言うのに、




「・・・・・空の星・・・・そう、空の星っていっぱいあるでしょう?」


シアリスが搾り出した言葉。




「・・・ほし?」


「そう、星、魔法は、あの星の一つ見たいなものなんですよ。


人によって色んな役に立つ事の星があるし、


王の子としての役に立つ事も、


きっと、一つじゃない・・・・ですよ!


ちい姫は、ちい姫の星を見つけたら良いのです!」


とにかく必死のシアリスの勢いに押されたのか、


首をかしげながらも


しばらくして、頷いてくれた。








「ルナ・・・・の、星、見つける、ありがとう。」


絶対に納得していない。


シアリスは、そう、確信した。


でも、ルナは、頷いてくれた。


それを見て、シアリスは、


ルナの役に立つ事の星は、


人を気遣える事、


気遣えるという、賢さ、


そして、はにかむような笑顔だとふと思った。














ルナが、シアリスに剣を教えてもらうようになる少し前のお話・・・・




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