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一人じゃない1

「・・・・こちらに・・・・・リュクシス皇子・・・


シアリス・・・。」


「・・・・ちい・・・・?」


思わずシアリスの口からいつもの呼び方が零れる。




「・・・・あのね・・・・たくさん・・・泣いたから


大丈夫・・・・師匠もカイルも、リュクシス皇子も、


じいやも・・・聖騎士の皆も・・大切なのまだ残ってるもん


大丈夫・・・・。」


閉めかけていた部屋の扉が大きく開かれて


明るい陽の中にルナが出てきた。




「・・・・大好き・・・・ありがとう・・・」


真っ赤になった瞳で微笑むルナがそこにはいた。














ルナの資質を強さを信じていながらも


シアリスはまだこの小さな主君を


信じ足りていなかったのかも知れない・・・


けど・・・それは嬉しい誤算だった。












「じいやは・・・エトナに居るのね・・」


「はい・・・・4、5日後には其方に移って頂きます。」


ルナにあてがわれた部屋の中に導き入れられたシアリスとリュクシスは


静かにこれからの事を確かめるルナを見つめていた。




(本当に大丈夫か?)


(傷ついているはずなのに・・・この方は、


こんなにまだ小さい肩をしているのに)




「・・・・分かった・・・・・・


・・・それで・・・王宮は・・・被害はどうだったの?」


シアリスの説明をルナは下を向いて聞いていた。


表情が分からないながらも一見は立ち直ったように見えなくも無い。




シアリスは、王宮のほとんどが全壊したこと


城下町、各都市都市で地割れや台風等


により死傷者がいくらか有った事等を横顔を伺いながら


話していく。




「・・・・あ・・・姉上・・は・・・魔王を


食い止める為に・・・・って言ってたよね・・」


言いながらまた哀しさを思い出したのか


ジワリと浮かんだ涙に慌てたようにリュクシスが近付こうとするが


手で押しとめる。




「・・・・大丈夫・・・魔王は、サフラを滅ぼしたくなったの?


急に・・・・何故、突然こんな風にしようとしたの?・・


それに、王都には結界が有った筈・・・効かなかったのかな?・・」


我が国には姉上以上の術者は居ない、これからも


魔王の攻撃があるとしたら防ぐ方法は無いのだろうか?


も分かる範囲で良いから言って欲しい。


たどたどしいながらも何とか主として頑張ろうとしているのか


そんな事を言う。




「・・・・・ち・・いや・・ルナ様・・・・それは・・・」


他国の皇子が側に居る場所で


(しかもその皇子は今から国に帰る)


そんなことを気軽に喋って良いものか


シアリスが迷っていると不意に




「・・・・・ねえ・・・好き?シアリス師匠は


私の事好き?・・・・」


不安そうなルナの声が聞こえてきた。

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