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魔王の目覚め3

「・・・・・・ん・・!?」


一番始めに見えたのは自分の暗い茶色の髪だった。


頬にあたる冷たい感触に自分が枕に顔を埋めたまま


眠ってしまっていた事に気づいた。










グラグラする頭を抱えながら寝台から


上半身だけ置き上がって周りを


見回してみるがいつのまにか誰も居なくなっている。




「思いっきり『嫌いよ』って


・・・言っちゃったから・・・」


瞳の所で留まっていた涙がその拍子にポロポロッと頬を伝って


服の胸元に吸い込まれた。




「・・・・・・知らないもん


・・・・皆居なくなっちゃえ」


悪い事を言ってしまったと思いながらも


やっぱり何もかもが許せなくて


誰もが大嫌いで涙が止まらない。




「・・・・でも・・・・誰も居ない・・・」


気を使ってくれたのは分かるけれど


誰も居ないのが寂しかった。






何だか寒くて膝を抱える。




「・・・・・あ・・ねうえ・・父上・・母上・・・」


大きな声で言ったら何故かまた涙が溢れそうな気がして


俯いたまま堪えるように拳を握り締め小さく囁いた。














「失礼いたします・・・


姫様・・・・・お起きになられましたか?」


2回軽いノックの音が聞こえた後


入ってきた背の高い青味の髪の


持ち主を少しだけ顔を動かしてゆっくりと見てみると


床に跪き頭を垂れて何か布を捧げ持っていた。




「・・・・か・・・カイル?・・・無事だったの?」


ルナの泣きすぎて掠れてしまった声に一瞬顔を


上げ痛ましそうな顔をしたがすぐに無表情になり


再び下を向いてしまった。




「・・・・はい・・・


お気遣いありがとうございます・・」


「・・・・!?・・・・


なあに・・・これは・・・?」


そっとカイルの捧げ持っている布に手を伸ばすと


ルナの手にコトンと載せてくれた。




「・・・・ちょっと重いけど・・・・なに?」


「・・・・・・・サラ様・・・・女王からです・・」


カイルの瞳が揺れている。


どうしてカイルからサラのからのものを渡されるのかと


不思議に思いながら布の外から手触りを確かめてみる。




「・・・・・・!!・・・・これは!?」


「・・・・改めて・・・忠誠を誓います・・・


ルナ新女王陛下・・」


手触りにまさかと思い開いたその中身はやはりその


とおりの物だった、もう一度しみじみと見てみた


カイルの鎧はそこかしこが汚れ欠け


その下には厚く巻かれた包帯が見えていた。














ルナは渡された


サフラ巫子大国女王の証である銀のブレスレットを手に


どうしたら良いのかと戸惑っていた。




















「あんた、ちゃんと水は汲んで来たの?」


「・・・・ああ・・」


「木の枝は?乾いた葉っぱは?」


「・・・・・・・・うるさい」


サフラ王国の聖騎士候補のセーンとシエザのいつもの


掛け合いに周りから微笑みがもれていた。




「本当にさ、相変わらずだよなあいつらは。


なあ、シアリス師匠!?」


「シエザは面倒見が良いからな。」


セーンとシエザの同僚であるジャラクの言葉に


シアリスが頷く。


その場にもう一人居たジャラク命であるシリアムは


黙って厨の入口で騒がしくしている兄達を見つめていた。

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