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大切な存在4

「皇・・・・リュース・・・」


リュクシスの、ルナの頭のすぐ上に顎が来てしまう細い胸に


でも、とても温かく安心出来るそれに顔を埋めた。




「リュース・・・何だか怖い」


子供が親に甘えるようにリュクシスの服を握り締め胸に感じる不安を


言うとそっと優しくリュクシスの腕がルナの頭を抱き締めてくれた。




「大丈夫・・・大丈夫ですよラージュ」


ゆっくり撫ぜてくれる繊細な指先にルナは心に安らぎが


広がっていくのが分かった。




何時からだろう・・・


何故なんだろう・・・


どうして皇子なんだろう・・・




リュクシスの胸で安らぎながら


頭の片隅でそう思う。






抱き締めてくれた腕に、胸に、父上と母上をと同じ


温かさを感じた時から、だと思う。


皇子にそれを感じたから


父上と母上が帰ってきたように思えて


強く皇子を求めるようになった




本当はずっと辛かったから・・


父上と母上が居なくなって


姉上を私が守るんだって強くあろうとするのは・・


皆が私でなくてサフラの王族に相応しい力を持つ


姉上ばかりを見ているのは、


初めて私自身を見てくれた


カルを傷つけたと思ったのが、


傍で、笑ってくれなくなったことが、




辛かったから・・








「ごめんなさい・・


ちょっと取り乱しちゃったかな私・・」


気持ちが落ち着いて来て


しっかり引っ付いていた体を離そうとするが




「・・・謝る必要なんてありませんよ


この雰囲気です、不安を感じるのも当たり前ですよ。」


笑顔を向けられた




「私で良かったら何時でも甘えて下さい、


甘えてくれるというだけで、私は嬉しいですよ。」


そっと髪を梳いてくれるのに


嬉しくて笑顔を返した。








「おーおーラブラブだね・・・・でも坊主けなげで可哀想だね~」


シアリスがその様子を見て、聞こえないよう小さく呟いた。






「帰る時に、村の近くの森で、花とか摘んで帰ったら


カルも早く目覚めるかな?・・・


それともそんなの要らないかな?」




「カル君は、きっとラージュのくれる物なら


何だって嬉しいと思いますよ」


心の不安を今はおいて、ルナとリュクシスは、


そんなことを話していた。


















「・・・ルナ・・・」


ルナの耳元に突然温かい風が吹いて


目の前に2つの人影が現れた。




「・・・・あ・・あれ?・・・姉上!?」


何時になく真剣で、


心なしか血の気の引いた顔で、サラが現れた。


魔法で城から飛んできたようで、


サラ達の周りを風が渦巻いている。




「・・・ルナ。」


やがて風が収まりサラは、共に手を繋いで来ていた


ルイドと一緒にルナの元まで歩いてきた。


サラは、微笑を浮かべながらしゃがみ無言で、


ルナを抱き締める。


サラの様子に、ルナは何が何だか分からなくて戸惑う。




「どうしたの?・・・魔法で飛んできたの?姉上?


何かあったの?・・・そう言えば噴火するし・・・


様子が変なの・・・」


少し戸惑いながらも


突然現れたサラとルイドを心配そうに


代わる代わる見つめ、


ルナは言葉を紡ぐが、サラだけではなく、


ルイドも無表情で黙って立っていた。

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