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婚約3

(ドクンッ・・・ドクンッ・・)




・・・ニ・・クイ・・ニクイ・・・




・・・ユルサナイ・・・サツ・・




(ドクンッ・・・ドクンッ・・)




・・アイシテル・・・ハナレル・・・




・・・クルシイ・・・サビシイ・・・




(ドクンッドクンッドクン)




・・・許さない!・・・












「あ!ちい姫!・・・・何してるんだ?」


「師匠・・・」


中庭の花のアーチの方から指導を任されている聖騎士候補達と


歩いてくるシアリスに視線を送る。




「草むしりでもしてんのか・・んん?」


風のジャラク


「・・・・・」


水のシリアム


「あれ!?・・・1人なの?ルイド様か~カイル様は?~


私、ルイド様と不倫か、カイル様の花嫁目指してるんだけどな~」


地のシエザ


「・・・寄り道している場合じゃ・・」


火のセーン


一休みしていただけなのにこの騒ぎだ。


何故なのか4人とも師匠を見習ってと言う訳じゃないだろうに


まったく敬語を使わない(使えないのか?)


別にルナ自身使って欲しい訳じゃないけど不思議な感じだ。




「別に何をしてるとかじゃなくてボーッとしていただけ」


近付いてくるシアリスの動きを目で追いながらそう言うと


シアリスがおもむろにルナの頭を手刀でパコンッと打つ。




「師匠・・・ちょっと痛かったんだけど、力入れすぎじゃない?」


「いや~何となく叩きやすかったからノリで・・・カイルには内緒だぞ!


この若さでしかも可愛い最愛の甥に暗殺されるのはちょっと・・・」


微笑まれても誤魔化されない、実際骨に入って痛かった。




「叔父様~」


ルイドの不倫相手及びカイルの花嫁を目指している


地の聖騎士候補シエザはとたんにシアリスをヨイショするが


ルナは無駄に微笑みを浮かべているシアリスの顔を


少しだけ抓りたくなった。




「ちい姫、今から時間空いてるか?ちょこっと楽しく


お遊びに行こうか?・・・カイルに内緒でな」








王宮でこのところ煮詰まっていたルナを気分転換に連れていこうと


しているのが何となく分かって小さく笑って




「行く!・・・行くよ・・・カイルに内緒でね。」


「固いこと言わずにな・・・じゃあ行くか?ちい弟子。」


シアリスと手と手を合わせて音を立てた。








「・・・あ・・・そうだ・・・・師匠。・・・リュクシス皇子も


良いかな?・・・来てから王宮出てないもんね」


ルナの言葉に返って来た答え




「・・・あ・・・まあ・・良いけど・・・身体の弱いってあいつに


辛いかもしれないな・・・大丈夫かな・・・?」


その言葉の意味が分かったのはすぐ後のことだった。












とある場所で、ルナは、色々な思いを込めてこう言葉を落とした。




「・・・・大丈夫かなって・・・良く分かったよ」


小声で呟き冷めた瞳で師匠シアリスを見上げる。


その隣でリュクシスが取り成すようにルナの肩に手を置き


苦笑していた。

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