婚約1
「この頃ルナ・・・元気無いの・・・」
サラは、ピンクと薄い緑の色彩をふんだんに使った自分の部屋で
婚約者ルイドとなんだか少し居心地が悪そうだが
ルナを心配している様子がありありと表れているカイル、
そして女王の私室なのに堂々としているシアリスとともに居た。
「・・・・」
「姫様は・・・・カルを気にしているのでしょうか・・?」
「それに、ちい姫『ムーンティア』探しに進展が無い上に
闘技場で魔物に出会って死体見て、婚約申し込まれてエーティルの
奴に色々言われて・・・・それでその上一回居なくなって戻ってきた
と思ったのが今度倒れて・・・そいつを傷つけたかなって
思って、でも皇子様の方もほおって置けなかったんだろ・・」
沈黙したままのルイドに、言葉少なにカルのことを指摘するカイル
なれなれしい言い方をカイルに怒られながらつらつらと
ルナの状況を話すシアリス。
「・・・ですが・・・政略の意味合いが無いとは思えませんが・・」
ルナへの心配にそれぞれ沈黙している空気の中
珍しくカイルの声がそれを破った。
「・・・え!?・・・なあに?」
「・・・・いえ・・・・
・・・あの・・ですが私のただの感なのですが・・・多分
彼の皇子は・・・姫様を想って下さっていると思います・・・
そういう鋭さは無い方だとは分かっているのですが・・・」
それでもリュクシスのルナを見ている瞳に気付くものがあった
・・・カイルにとっても人事では無いものだったのだから・・・・
戸惑った後とつとつと自分の考えを言葉にする。
「・・・姫様の方も気落ちなさっている時と言うのも
あるのだと・・・・思うのですが、随分皇子に心を許されて・・・」
「そうね・・・あの皇子がルナにとっての本物の王子様だったら
良いのだけれど・・・・私は皇子にしばらく任せておこうと思っています。」
他の3人に否やはなかった。
「でも、カルは何時になったら・・・起きることが出来るのかしら・・
確かに彼に・・・嫌な気配を感じる事はあったわ・・でもおかしいわね・・」
(魔族に辛いけど普通の人間は平気なはずよ)
サラの呟きが風に消えた。
「カル・・・」
「・・・・」
部屋に戻る前にカルの部屋の扉をそっと開けてかして入らずに
眠っているカルを見てみる。
「・・・・カル・・・。」
「・・・姫・・・。」
倒れたと知って心が乱れた。
離れてしまった時もとても哀しかった。
「・・・リュクシス皇子・・・・・何だか
苦しいよ・・・・どうしてこんなに哀しくなるのかな・・・・」
後ろから撫ぜてくれるリュクシスの優しい手を感じながら
「・・・父上と・・母上に・・・会いたい。
何も心配する事は無いって・・・・そう言って欲しい・・・。」
そっと力を入れないように抱き締めてくれる
リュクシスの腕に頬を寄せていた。




