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求婚1

「ルウナ~!!」

王宮に帰ったルナ達を待っていたのは

リュクシス皇子がカルを見つけて連れて

少し早めに着いたという知らせと

実物の二人だった。


「ああ・・・!!・・・・カル!」

何だか久し振りな気がしてルナもいつもと違う行動を取ってしまった。

ヒシッと抱き締め合い再会を喜び合う。

リュクシスに向けられた、カルのしてやったりの表情にも気付かずに

ルナは、ギュッと抱き返していたが、ふとカルが更に調子に乗って

頬っぺたに口付けしようとしているのを感じて真っ赤になって

飛びのいた。


「・・・・なかなか・・・焼ける光景ですね・・・・」

居るのは分かっていたが、その静かなリュクシスの声に

我に返って余計に恥ずかしくなってルナは、

さらに、首筋までも赤くなってしまった。














王宮の夜は私にとって辛い、

特にこんな月が泣きそうに夜は、

いつもそんな私を心配して寝るまで傍に居てくる姉上やシアリスが

去った後、今夜も涙が溢れてきた。


・・・カル、今どうしてるかな?


必死で意識を逸らして涙を堪える。

濡れてしまった枕に顔を埋めたて嗚咽を漏らし泣いて泣いて

泣きつかれてやがて引きこまれたように

眠りについた・・・・。


・・・・父上・・・母上・・・・







ルナの城での夜はいつも決まっている。

一緒に寝ようと言うサラ達を断った後、いつも泣きながら眠り

夢の中で父と母を捜し追い求める。

手が届かないところ、もうけして温かさを与えてくれぬ所に

逝ってしまった両親を

何処までも追い求める。


ルナは知らないのだ、いつも自分が夢と現実の中で父と母を捜し

さ迷っているのを・・・・・いつも自分が父と母の寝室に向かうのを、

その夜も、そんなルナをそっとシアリスが抱き上げたのを、

サラが、抱き上げられたルナの頬に流れる涙を拭ったのを、

ルナは全然知らないのだ。


「・・・・父上・・・・母・・・・上・・・・・」


拭われた頬を、また新しい涙が伝って行く。


「・・・・・ルナ・・私は父上と母上に頼まれたのだから、小さい貴方を

守って上げてって・・・貴方はまだこんなに小さいのに・・・・」

サラを支える為にいつもしっかりした表情をしている

ルナの顔は、今は年相応に、とても幼くあどけなかった。




「お願い・・・・ルナを、心を、守って上げて・・・・」

若くも幼い17歳の女王と幼いくもしっかり者の幼い王妹は

互いに守り合いながら危なげな心で自分を支えていた。




「・・・・誰か・・・・・ルナを好きで守ってくれる人が現れたら良い・・・

私だけでは駄目・・・・・みたいだから・・・・」


「・・・・ルナ・・・・・!?」

自分も両親を失った哀しみを思いだし、自分の頼りなさに

涙を滲ませたサラの瞳に映ったのは赤い髪の

旅の仲間の少年だった・・・・

リュクシス皇子とはまた違ったルナの求婚者の・・・・


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