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事件、王宮へ1

「ヒューウ・・・ヒューウ・・」

床に伏すルナの耳元に変わっているが鳥らしきものの鳴き声が

聞こえた。

(鳥・・・・?!)

聞き覚えのあるもののような気がして思わず、

リュクシスの腕から抜けだそうとしかける。

バチッ

地震の時一気に噴出していた邪気や妖気は、一旦収まったが、

邪気や妖気におびき寄せられて出てきたのか

一匹の小鬼が二人を庇ってくれている騎士の

気によって目の前で消滅するのを見て

ルナは、思わず首を引っ込める。

普段から時々見かける、小さな弱いモノだったら

よほどのことが無い限り

ルナを含めた魔力を持たない者でも大丈夫だが・・・

ちょっとでも強いものになると

ルナでは防げない、つらくはあるが現実だった。

(・・・さっきの、『ジャラク』の『ヒュー』の鳴き声に似てたような)

巫子王国サフラに存在する、精霊の力を扱う騎士である、

四聖騎士という制度。

姉上に付いてよく、聖騎士達が居る神殿に行っていたルナは、

まだ候補である為、見習みたいなことをしているジャラク達、

四聖騎士候補と、年近いこともあり、よく話した事があった。

遠ざかってゆく鳥の声に重なるように近くで狼の唸り声が、

したかと思うと、申し合わせたかのように同時に、

部屋に純白の小鳥と青銀の成狼が飛び込んできた。



その姿を見て今度こそ、リュクシスの腕の中から飛び出してゆく、


「ヒュー!!・・・モリガン!!」

呼びかけるルナに、

風の聖騎士候補ジャラクの精獣

(聖騎士の精獣は、聖獣だが、見習い騎士の精獣である為)ヒューと

水の聖騎士候補シリアムの精獣(同じく見習いの精獣だから)モリガンが、

擦り寄ってくる。


「ジャラクとシリアムはどうしたの?!」

(2人が来てる!?なぜ?)

擦り寄るヒューとモリガンの頭を撫でながらどうして此処に

2人がいるのか考えていた。


「・・・聖獣?!・・・サフラ四聖騎士の・・・」

後ろからリュクシスの声が聞こえて振り向くが

リュクシスは驚いたようにただ精獣達のみを見つめ続けている。

「おお!!此処にいたのか?!・・・・・っと・・・人がいたのか

ああ!!姫様・・・・此処にいらっしゃったのですか・・・・ご無事で?!」

不意に、すでに精獣によって開け放たれた入り口から

懐かしい声と姿を認めたが、それが信じられない・・・・

風と共に踊るフワリとした青味を帯びた黒髪、

深い、でも少年のような青空の輝きを持った青い瞳、

華奢ながらも俊敏さを秘めたその体、

始め忘却無人に、途中人に気付いて言葉使いを変えるその根性・・・・


「・・・お・・師匠・・・様・・・?!」

「はい!!姫様。」

エンジェルスマイルを作ったその白々しいまでの

二重人格は、やはりルナの剣の師匠であり魔法剣士の才能が有る為に

年若い聖騎士候補4人の指導をも任されている

そして信じられない事にカイルの叔父でもある、国で1、2を争う剣の名手、

シアリス=イーズその人だった。





「シアリスと四聖騎士候補が来ていたなんて・・・・」

ルナを探しに行く途中で出会った、叔父シアリスに指示されて、

サラ達の元に戻ったカイル、

聖騎士候補4人と大地と炎の精獣2匹が、

サラとルイドの側に居た。


「・・・・・見つけた・・・・。」

サラ達の後ろで瞳を閉じていた

水の聖騎士候補シリアムが小さく呟いて水晶のような瞳を開く。

動きに沿って額を流れてゆく銀水色の髪、

候補の中で只一人、既に、現水の聖騎士の能力を凌駕する程の魔力と

感知能力の片鱗を見せていた。


「・・ああ?!・・・何処何処?本当だ!!」

その隣で同じく瞳を閉じていた

風の騎士ジャラクが感じ取ろうと更に強く力を入れて瞳を閉じる。

性格を表すように大雑把に所々ハネている茶色味の黒髪

閉じているが瞳も同じ色をしている

水の聖騎士候補、シリアムとは、何故か仲の良い兄弟である。

雪のような澄んだ白い肌の水の騎士とは違って

風の騎士は、力強い小麦の肌をしていた。


サラ達の前を守っていた、同じく騎士候補の2人、

金髪深緑の瞳の火の聖騎士候補で、サラとルナの従兄弟

セーン・ルフル=サフラは、肩に精獣トカゲを乗せたまま

そっぽを向いているし、

赤味の強い茶色の髪とこげ茶色の瞳のシエザは、

手の平で視界の邪魔をする精獣マガンダを押え付けたまま、

憧れの人であるルイドの顔しか見ていなかった。


「それで・・・・ルナは無事なの?!何処に居るの?」

サラは水の騎士シリアムの方に少しだけ近付き

焦らないように一呼吸してから

聞いてみた。




(どうしてこんな事になったのかしら・・・

お父様・・・お母様・・・・女神様・・ルナをお願い・・・!!)

サラは、大切な妹姫の為に祈り続けることしか今は、

出来なかった。


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