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3話『1クラスに必ずホモは1人いる!?』

『はぁはぁ………なんでこんなことに……』




ホントなんでこんなことになったのか……

俺は今校舎の中を全力で走っている。


何でかって?


でわ回想スタート!





遡ること数時間前。




『んー、はぁ……今日も終わったぁ』



ようやく今日も授業が終わり、俺はせっせと帰りの支度をする。



『じゃ、じゃあな“木村さん”また明日……』




俺は隣の席で帰り支度をしている幼馴染みにあいさつをすませる。


『あ、じゃあね………………名前で呼びなさいよ……バカ』



『ん?最後なんか言ったか?』


『なんでもないわよバカ!』


確かになんか聞こえた気がしたんだけど……気のせいか……


『んじゃ、帰りますかっと……』


そこに……


『おっ、君なかなか良いねぇ………帰りマスカット!うん、上手いよ!』



誰だこの人?


『えっと……』



『あぁ、紹介がまだだったね、僕の名前は斎藤慎平、慎平でいいよ』



んーと……クラスメイトだよな……


『あぁ、俺も直人って呼んでくれて構わないよ。』


『じゃあ、改めてよろしく直人!』



やったぁぁぁぁぁあ!転校から2日目……俺にもようやく友達が出来たよ……



『じゃ、俺は軽音部の練習あるから!また明日な』



そう言って慎平は教室を去っていった。


『友達……か……』





『さて、今度こそ帰るとするか……』



教室を出て右手にある階段を降り………ようとした時だった。


『吉居くん、ちょっといいかな?』



後ろから声を掛けられたのだ。



とっさに相手の方へと振りかえる。


『えっと……どちらさんで?』



クラスメイトだというのは分かる。

教室内の男子のなかでは一際大きく目立つ存在だったのだ。



『唐突だが吉居くん……いや、俺も直人と呼ばせてもらおうかな。』



なんだ?俺も?あぁ、さっきの会話聞いてたのか…



『盗み聞きはよくないんじゃないかな。で、俺になんか用でも?』


気に入らないやつだな。


『直人……俺はお前がほしい!』


はい……?

俺が……ほしい?


ちょっとまて……落ち着け……落ち着いて整理しろ……


相手は男子だ……そんな恋愛的な意味とかではないはずだ……


『ぶ、部活の勧誘か何かですか…?』



『一目惚れだった……』


はい?

この人俺の話聞いてるのか?

いや、聞いてないだろう…


『あのぉ……』



『亀田重賢、この世に生を受けて16年…』


なんか語りだしたよこの人…!


『こんな気持ち初めてなんだ…!直人!俺は君が好きだ!君がほしい!!』


もしかして……この人はあれか…?

俗に言うホ……モ…


『直人!俺の気持ち受け止めてくれぇ!』



『ぎゃあぁぁぁぁぁぁあ!!』


逃げた!

全力で逃げる俺!!


『なんだこれなんだこれぇ……女子にすらコクられたことないんだぞ…なのになんで男子なんかにぃぃ!!』


ってかなにあいつ、亀田……だっけか?

ガチなホモとかホントにいたのかよ……

もしかして昨日感じた視線もあいつの仕業なのか…


『はぁはぁ……とりあえずここまでこれば…』


まだ転校してきたばかりで校舎のつくりも知らなかった俺はどこを走ってるかもよく分からないまま、どこかの教室へ逃げ込んだ。


『あれ?君は確か転校生の……』


はぁはぁ………ん?


誰だ…今日はよく話しかけられるな…


『僕は小西一摩。皆からゲイネスって呼ばれてるよ。ははは……』



ゲイネス?

なんだそれ…あだ名か?

まぁいいや…


『こちらこそよろしく』


まぁ良い人そうだな…



『そうだ吉居くん、ちょっと見せたいものがあるんだけど、一緒に来てくれないかな?』



見せたいもの?

行ってあげたいのはやまやまなんだけど今は…


『ごめん、今なんか変な人に追いかけられててさ、行ってあげたいけど…ちょっと無理かな』


『変な人?もしかして………ピッピッ…』


ん?携帯いじり始めたけどどうしたんだろ…


『あぁ亀田?転校生見つけたぜ、あぁ、今2Bにいるぜ、あぁ分かった』



亀田……?

転校生見つけた…?


もしかしてこの人は…

『では吉居くん僕と…………っていない?!』


逃げた…

またしても全力で逃げた。


『くっそ、良い人だと思ったらあいつらグルかよ…』

はぁはぁ……






というわけで俺は今ホモ野郎から逃げている。



『あれ?お前転校生の吉居じゃん。』



はあはあ…次から次に誰だよ次は……


『俺は同じクラスの上妻和樹、よろしく!ってお前すげぇ汗だけど大丈夫かよ?』


今回は親切そうな人だ………


『あぁ、大丈夫だ…なんか変なやつに追いかけられててよ……』



『変なやつ…か……この学園は変なやつ多いからなぁ………』



そうなのか……

確かにみんな個性的な人ばっかりだけど………



『見つけたよ直人!さぁ!俺と一緒に!』



ゲッ……来やがった…


『ん、なんだヅマも一緒なのか……』



ヅマ?

あぁ上妻くんのことか


『変なやつって…もしかしてあれ…?』


『そう、さっきから小西ってやつと追いかけてくんだよ』


『あぁ……あいつに目をつけられちゃったわけか……そりゃ災難』



なにあいつ…そんなに有名人なのか…?

確かに強烈なキャラだけどな……



『チッ……ヅマがいるんなら今日のとこは諦めるか………だけど直人!また君のことを狙いに来るからなっ!!』



なんだ?

助かったのか?


『はぁ……助かったぁ…』

ホントに……助かってよかった……


『あの、上妻くん!よく分かんないけどありがと!』


『ん?別にいいよ、あいつ俺には逆らえないし。』


えっ?

それってどういう……


『とりあえずまたあいつに会う前に早くかえれよな』


そうするかな…


『じゃあ、そうする。ありがと上妻くん』



『ヅマ……ヅマでいいよ。』



『分かった、じゃあまた明日ねヅマ!』




こうして長い長い1日が終わったのであった。



新たな高校で友達が出来た直人、これから彼の高校生活はどうなるのか。




三話(完)





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