1話『俺と転校と幼馴染み!?』
俺は吉居直人、今日から私立如月学園に通うことになったんだ。
2年からの転入なんだけどな。
転校の理由はおいおい語っていくさ。
では、そろそろ始めるとしよう。
俺の、いや、俺たちの物語を。
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン、
校舎に鳴り響くチャイムの音。
教室からは先生の声が聞こえてくる。
『はーい、みんな早く席について!』
懐かしいなぁ、この感じ……
学校に通うのはこれが4ヶ月ぶり…か……
『今日は転校生を紹介しますね♪吉居くん、入ってきて。』
おっと…もう呼ばれたよ………がらにもなく緊張してんだなぁ俺……
-ガラガラ-
教室の扉を開け、教壇へと歩いていく。
教壇にはさっき職員室で会ったばかりの宍戸先生が立っている。
キレイな人だよなぁ…………はっ!そうだ自己紹介しなきゃ!
『えっと……初めまして。家庭の事情もあって初音高校から転校してきました、吉居直人です。よろしくお願いします!』
ざわ……ざわざわ………ざわ……
クラスの人たちがざわつきはじめた……
『転校生だってよ……』
『2年からの転入らしいよ…しかも初音高校って県内で一番進学率高いとこだよ?なんでそこから私立のうちなんかに…』
ざわざわ……ざわ…
えっと……なにこの扱いは……
転校生ってもっとこう、皆からいろいろ質問されたりとかぁ……
『えっと、じゃあ吉居くんの席は……木村さんの隣ね!』
とりあえず先生に言われた席に着く。
『じゃあこれでHRを終わります。気を付け、礼!』
宍戸先生はそうして教室をあとにした。
『えっと……木村さん………だよね?転校してきた吉居です、よろしく』
『それはさっき聞いた。』
うわ、冷たい……そこは、『よろしく!』とか言ってほしいんだけど……
『そ、そうだよね、ごめん……』
……………
はい、会話終了。
はやっ!
会話終わるのはやっ…
『あの木村……さん…?』
『あんたさぁ…まだ気づかないわけ?』
木村さんはそう言って立ち上がる。
『えっ?』
『私よ、わ・た・し!木村友花よ!!』
その名前には聞き覚えがあった。
『木村………友花……木村……えっ!?あの友花!?小さい頃よく一緒に遊んでた!』
これは驚いた……
『そうよ、その木村友花よっ!言われるまで気づかないなんて最低ね…』
だって俺の知ってる友花ってもっとこう…可愛かったような……
『なによ、私の顔になんかついてる?』
嘘だ……こんなの俺の知ってる友花じゃない!
偽者だ……
『この偽者!友花の名前を語りやがって!』
『偽者じゃない!私が木村友花よ!』
嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ
これが、俺と幼馴染みの友花との再会だった……
こうして再会を果たした友花と直人だったが、その陰で……
『へっ…良い尻じゃねぇか…』
直人の尻を狙う男が一人……
一話(完)