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異世界ものづくり商会記 〜趣味だった「YouTube真似してものづくり」の経験を活かして快適に暮らそうと思います〜  作者: 積と和〝


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9/10

盗賊団の影

今日は3話目の投稿です。

ある日。

猫人族の村から手紙が来た。


嫌な予感がした。

シェリーが青ざめる。


指が震えている。

封を切るのも遅い。


「どうした」

エリックが聞く。


シェリーは答えない。

ただ読む。

目が見開かれる。

呼吸が浅い。


「……どうした」

もう一度。

低い声。


シェリーがようやく言う。

「襲われた」


空気が変わる。

「誰に」


短く。

「盗賊団」


エリックの顔が変わる。

目の色が冷える。

「どれくらい」


「……大規模」

言葉が重い。


村は壊された。

家は焼かれた。

畑は踏み荒らされた。

人が連れていかれた。


子供も。

仲間も。


シェリーの拳が震える。

歯を食いしばる。

「許さない」

低い声。

怒りが滲む。


エリックは黙る。

考える。


前世知識。

頭の奥。

引き出しを開ける。


武器。

戦い。

効率。


思い出す。

YouTube。


DIY動画。


サバイバル。

罠の作り方。


クロスボウ。

仕組み。

構造。


火薬は無理。

材料がない。

技術も足りない。


だが。

弓より強い武器は作れる。


連射はできない。

だが威力は出せる。


エリックは顔を上げた。

「作ろう」


シェリーが見る。

「何を」


「盗賊を倒す道具」

言葉は静か。

だが確信がある。


シェリーが聞く。

「戦えるの?」


エリックは少し考える。

そして。

笑った。

「戦えない」


「え?」

間の抜けた声。


「でも作れる」

言い切る。


机に紙を広げる。

インクを取る。

設計を書く。

線を引く。

部品を分ける。


クロスボウ。

トリガー。

弦。

矢。

強化。


落とし穴。

深さ。

偽装。

杭。


警報装置。

糸。

鈴。

簡易ベル。

侵入検知。


リオが覗き込む。

「面白そう」

目が輝く。

「これ全部作るの?」


「できる範囲でな」

エリックは答える。


シェリーがまだ不安そうに言う。

「エリック」


「ん?」


「あなた本当に何者?」


少し沈黙。


エリックは肩をすくめる。

「元サラリーマン」


「意味わかんない」


リオが笑う。


だが。

手は止まらない。

設計は増える。


矢の改良。

毒は使えない。

なら貫通力。


集団対策。

通路制限。

誘導。

罠の連携。


シェリーが見ている。

怒りと。

少しの安心。


「間に合う?」

小さく聞く。


エリックは答える。

「間に合わせる」


即答。

迷いなし。


外では風が吹く。

嵐の前の静けさ。


遠くで雷の音。

そして。

盗賊団との戦いが。

静かに。


確実に。

始まろうとしていた。

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