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異世界ものづくり商会記 〜趣味だった「YouTube真似してものづくり」の経験を活かして快適に暮らそうと思います〜  作者: 積と和〝


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燻製肉という革命

石鹸は売れた。

びっくりするほど売れた。


雑貨屋の店主が言った。

「兄ちゃん、もっと作れ」


「そんな売れました?」


「一日で完売だ」


エリックとシェリーは顔を見合わせた。

「すごい」


「すごいな」


だが問題があった。

「油が足りない」


石鹸には油が必要だ。

肉屋の脂だけでは追いつかない。


そこでエリックは考えた。

「じゃあ別の商品作ろう」


「また何かあるの?」


「ある」


エリックはニヤリと笑った。

「燻製」


シェリーは首をかしげた。

「くんせい?」


「煙で保存する肉」


「干し肉じゃないの?」


「もっと美味しい」



肉屋に行く。

「安い肉あります?」


店主は奥から持ってきた。

「この硬い肉なら安い」


「買います」


「料理できるのか?」


「たぶん」


「たぶん?」



街の外。

エリックは木箱を作っていた。

シェリーが見ている。

「何それ」


「燻製器」


「料理なのに家具作ってる」


「料理は科学だから」


「意味わからない」



箱の中に肉を吊るす。

下に火を置く。

湿った木を入れる。

煙が出る。

「おお」


煙が充満する。

数時間後。

肉を取り出す。

いい香り。

シェリーの耳がぴくぴくした。

「いい匂い」


「食べてみ」


一口。

シェリーは固まった。

「……」


「どう?」


「なにこれ」


「美味しい?」


「すごく美味しい」


目が輝いていた。

「干し肉より柔らかい!」


「保存も効く」


「これ売れる!」



市場。

肉屋の前で売る。

「燻製肉!」


誰も知らない料理だった。

客が一人来た。

「なんだこれ」


「煙で熟成させた肉です」


「怪しい」


「一口どうぞ」


食べた。

客の目が見開いた。

「うまい」


すぐ売れた。

次々売れた。

一時間で完売。

肉屋の店主が言った。

「兄ちゃん」


「はい」


「うちと組まないか」


「え?」


「肉は出す」


「いいんですか」


「こんな売れるならな」


シェリーが小声で言う。

「商会っぽくなってきた」


エリックも思った。

順調すぎる。そして異世界テンプレは、


だいたいここで来る。

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