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異世界ものづくり商会記 〜趣味だった「YouTube真似してものづくり」の経験を活かして快適に暮らそうと思います〜  作者: 積と和〝


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村の整備と発展

数日後。


猫人族の村から人が来た。


荷車に、布に包まれた荷物。

子どもたちや年寄り。

シェリーの仲間たち、顔見知りが多い。


手を振る。

シェリーも振り返す。


村長が言う。

「移住してきました」


少し誇らしげで少し不安げ。


エリックは笑った。

ゆっくりとうなずく。

「歓迎だ」


短い言葉。でも村人たちがざわめく。


新しい仲間。新しい空気。

広い土地にはまだ余っている区画が多くある。


木の杭と縄で囲われた場所。

新しい建物や建設途中の壁。

乾ききっていない土。


石鹸工房では煙突から薄く煙が上がる。


猫人族が働く。手際がいい。

役割分担は慣れた動きだ。


鍋が並ぶ。

大きな鍋。小さな鍋。

火が入る。

ぱちぱちと音。


油。

壺から注ぎ、とろりと落ちる。


灰。

袋からすくう。

さらさらと落ち、それを混ぜる。


木の棒。

ぐるぐる回す。

重いが止めない。


腕を組んで眺めるながらリオが言った。

「量産体制」

満足げ。いろいろ計算している顔だ。


シェリーが鼻をひくつかせ少し顔をしかめながら言った。

「すごい匂い」

油の匂い。灰の匂い。

それが混ざる。


独特。


エリックは少し笑う。

肩をすくて冗談めかす。

「商会の匂い」

だが本気。


村人が石鹸を恐る恐る触る。

指先でつつく。

ぬるり。

水をかける。

泡…白い泡。

ふわりと広がる。


子どもが笑う。

大人が目を見開く。

ざわめきが広がる。


工房を見渡す。

煙突。鍋。働く人々。

村長が言った。

「この村が工場に…」

言葉が途切れる。


実感が追いつかない。


リオが言う。

「産業です」

数字が見えている声だろう。


エリックは空を見た。

青空に雲が流れる。

一瞬の静けさ。

そして言った。

「次は酒」


軽く。

だが次の一手。


シェリー

首をかしげる。

耳がぴくり。

「酒?」


エリック

うなずく。指で空を切る。

それからニヤリと笑った。

少し悪い顔。商人の顔。

「儲かる」


リオが頷く。何度も。


村長が息をのむ。

周りの村人たちがざわめく。

期待と不安が…混ざる。


シェリーは空を見る。

さっきと同じ空。

だが少し違う。


「忙しくなるね」

ぽつり。


エリックは笑う。そしてはっきりという。

「これからだ」

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