表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ものづくり商会記 〜趣味だった「YouTube真似してものづくり」の経験を活かして快適に暮らそうと思います〜  作者: 積と和〝


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/18

王様の興味

エリックが小さな箱を取り出した。


木製で手のひらサイズ。

紐がついている。


騎士たちが身を乗り出す。

「何だそれ」

「また妙な物を…」


王も目を細める。

興味が深い。


エリックが言う。

「簡易トラップです」


シェリーが小声。

「城の中でやるの?」


リオが小声で返す。

「やるね、この人」


エリックは床に置く。

紐を引く。

カチッ。


一瞬の沈黙。


次の瞬間。

バンッ。


小さな音、煙が広がる。


騎士たちが一斉に身構える。

剣に手。

数人は一歩下がる。

「敵襲か!?」

「落ち着け!」


煙はすぐに薄れる。

害はない。


床を見ると木片が飛び散っている。


エリックが落ち着いた声で説明する。

「音と煙で攪乱。ついでに足止めもできます」


隊長が腕を組む。感心した顔。

「戦場向きだな」


別の騎士。

「夜襲にも使える」


シェリーは頭を抱える。

「心臓に悪い…」


リオは楽しそう。

「商品化決定」


王が笑った。今度ははっきり。

「面白いな、本当に」


玉座から少し身を乗り出す。

完全に興味を持っている。

「他にもあるか?」


エリックは少し迷う。

でももう一つ出す。


細い筒。金属製。

片手で持てる。


騎士の一人が呟く。

「また変なの来た」


エリックが言う。

「発射装置の改良型です」


シェリーが即座に反応。

「やめて」


リオが即答。

「やれ」


エリックは構える。今度は的に向ける。


引き金。

シュッ。

さっきより静かだが速い。


矢が的の中心に刺さる。

正確でぶれない。


騎士たち。

今度は静かに驚く。

「精度が高い…」

「訓練いらないのか?」


エリックが言う。

「ある程度は誰でも使えます」


ざわめきが広がる。

意味を理解した者から。


隊長の顔が変わる。

真剣だ。

「量産できるか?」


一気に空気が変わる。


エリックは少しだけ間を置いた。

「材料があれば」


リオが小さく笑う。完全に商談の匂い。


王がゆっくり頷く。考えている。


そして言った。

「面白い」


同じ言葉。

だが重みが違う。


「エリック」


「はい」


「お前、王都に残れ」


シェリーが固まる。

完全停止。

「え?」


エリックも止まる。

あまりに予想外だ。


王は淡々と続ける。

「工房を用意する」


騎士たちがざわつく。破格の待遇だ。

「必要な物資も出そう」


リオの目が光る。

完全にスイッチオン。

「いいね」


王がさらに言う。

「代わりに」


一拍。

「その技術、国に貸せ」


静寂。

シェリーがエリックを見る。

不安と期待。


リオが横から囁く。

「大当たり」


エリックは少し考える。

短い沈黙。


そして言った。

「条件があります」


騎士たちがざわつく。

王の前でだ。


隊長が眉をひそめる。

「おい…」


だが王は止めない。むしろ楽しそう。

「言ってみろ」


エリックはまっすぐ見る。

「村にも支援を」


シェリーが目を見開く。

「設備と人手が必要です」


続ける。はっきりとした口調で。

「ここだけじゃ足りない」


リオが小さく頷く。

確かに納得だ。


王は少し考える。

長くはない。

そして、笑った。

「いいだろう」


空気が一気に緩む。

騎士たちも息を吐く。


シェリーがその場で座りそうになる。

ギリギリ耐える。


リオが言う。

「交渉成立」


王が立ち上がる、ゆっくりと。

「今日からお前は王都の職人だ」


エリック、少し苦笑。

「DIYですけど」


王が笑う。

楽しそうに。

「そのDIYとやら、期待している」



城を出る。


空気が軽い、でも現実感がない。


シェリーが言う。まだ混乱している。

「王様と話した…」


エリックは空を見上げる。

「工房か」


リオが歩きながら言う。

もう次を見ている。

「忙しくなるよ」


市場の喧騒が戻る。

人の波。


でも三人は少しだけだ違う。


シェリーが小さく笑う。緊張が解けた顔。

「出世イベントだったね」


エリックが答える。

「チュートリアル終わりかな」


リオが即答。

「ここから本編」


三人は歩き出す。

王都の中へ、新しい騒動の方へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ