第二話 神社の息子と私
何だったんだ。あれは。幽霊かそんなものなのか?いやだけど私の事祖母の孫だって知ってたみたいだしそもそもあんな若い知り合いいたのか?
「どうしたんですか?」
「ぬわ!?」
思考に没頭している時、いきなり後ろから声をかけられ変な声を出してしまった。急いで振り返ると、同い年くらいの少年が立っていた。髪を長めに伸ばしていて後ろで括っている。神社で神主じゃない男の人が着ている服装をしていた。
「あの、御気分が悪いようでしたら少し休まれていきませんか?」
「いや、大丈夫。心配してくれてありがと」
「僕の名前は月見 弓彦といいます。貴方は?」
「市原咲夜だ」
「市原さん。本当に大丈夫ですか?」
月見弓彦という少年は案外心配性のようだ。そのあと月見はこの神社の神主の息子だということ、五日後から通う清風高校の生徒だということが分かった。
「じゃあ同い年なんですね」
「ああ、敬語は無くてもいい」
「いや、これは癖みたいなものなので。此処の高校に通うって事は、このアパートですか?」
近くのベンチに座り、地図を見ながら話をしていると月見の手が入居したアパートを指した。「僕も此処に住んでいるんで。よかったら案内しますよ」と微笑んだ。
「……私より女らしいな」
「えっ?」
「いや、何でもない」
どうやら聞こえなかったらしい。
「此処ですよ」
「ありがとう。本当に助かった」
「いえいえ」
アパートまで案内してもらってもらった。そういえばあの和服の男の事は月見は知っているのだろうか。気になってしまって聞いてみることにした。
「あの、神社に和服の男に会ったんだけ「ええ!!あの七不思議に会ったんですか!?」
どうやら有名らしい。月見曰くあれは月見町七不思議の一つで「いつの間にかいる和服の男」らしい。ちなみに会ったら幸せになるそうだ。
「だけどあいつ、いや、何でもない」
「あの人の事ですか?確かに七不思議って呼ばれてますけど、たぶん普通の人ですよ?」
あんな目の前で消えてしまった話などをしたら頭を疑われるかもしれない。それだけは死んでも避けたかった。
「あ!あのさ、明日も神社行こうと思ってるんだけど」
「それだったら一緒に行きますよ。明日も日曜日で学校休みですし」
明日の約束をして、私たちは自分の部屋に入った。お守りを買ってなかったのもあるが、何よりあの男の言葉が気になる。
「考えるのは明日でいいか……」
明日に回せるのは明日でいい。
「おい、月見」
「何ですか?」
「幸せになれるかもしれないぞ」
次の日、神社に行ったら、和服の男がいた。一緒にいた月見は目を輝かせて喜んでいた。本当に私より女らしいな。
「来たのか」
「来いって言ったのは貴方でしょう?」
「知り合いなんですか?!」
「似たようなものだ。―――姉様の依巫よ」
聞こえない。月見は何故か驚いている。いきなり耳が悪くなったのか?と思ったが他の言葉はしっかりと聞こえている。
「聞こえないか。会うまでは無理そうだな」
「……どういう意味ですか」
「今説明する。我が名は」
名を名乗ろうとした瞬間、横からきた衝撃に私は吹っ飛ばされた。
早いですがためていたので。
ラブコメも入れたいな~と思案中。
次はしばらくかかります。