表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/37

陰キャの有罪判決

 ――今日という日が、俺の人生最悪の日になるかもしれない。


 幽体離脱でもしているかのように、教室の床で這いつくばる自分を見下ろす。まるで他人事だった。このまますべてが終わればどれだけ楽だったか。


「おい、亀頭。テメーはいちいちキメーんだよ」


 後頭部に衝撃。強い圧力。


 俺は亀頭じゃない。鬼頭守(きとう まもる)だ。


 心の抗議も空しく、後頭部をより強い力で踏みつけられる。


 土下座するように言われた俺は、床に膝をついたまま頭を踏まれた。固い床に額をぶつけたせいで、頭蓋骨の内側がジンジンと痛む。


 踏みつけているのは、このクラスを支配するボスだった。


 鮫島賢司(さめじま けんじ)――バスケ部のエースであり、スクールカーストの最上位。高身長にイケメン、頭も切れて喧嘩が強いという最強のラスボス。


 最悪だ。よりにもよってこんな奴に目をつけられるなんて。


「お前の小説とやらを読んだけどよ、本当に隅から隅までキモいんだよ。童貞丸出しで、お前の願望が丸見えなんだよ!」


 後頭部にかかる圧力が強くなる。固いタイル貼りの床が痛くて、顔の向きを横へずらした。罪悪感で押しつぶされたような顔の岡莉奈(おか りな)と目が合う。


 目下行われているつるし上げの発端は彼女だった。いや、正確に言えば、彼女にまつわる小説を書いたことだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ