2 真冬の海で泳がせてやる編
本来なら依頼の翌日は休みにするはずだが、昨夜の夢のせいで煮え切らない感情になってしまった。
再度寝ようとも考えたが、依頼を受注し”雑魚でも倒して、タマ巻き上げて憂さ晴らしでもするか”…と心に決め冒険者協会へと出かけた。
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「??? ナレーション」
ここはムサタマ第三の都市”ブループラム”。ムサタマ最大の山「奥太魔山」がありここブループラムからも遠目だが良く見える。
ブループラムは奥太魔山から王都の中間指定都市としての役割も機能している。
大きな商会や旅館も多くあるこの街。ここから少し行くと山間となる為、比較的穏やかな街並みだが、商業はそれなりに盛んだ。
他にも「温泉」施設などもあり、観光客の姿も多く見える。人に危害は加えないよう調教された「魔物園」なんてものもある。
そんな街だが、”中間指定都市”になっている事から、王族関連の大きな建物や大聖堂、騎士団の施設などもある。
かつて奥太魔山の山頂付近で魔王が生まれたとされており、その影響もあってなのか多くの強力なモンスターが今でも多く存在している。
その裏で、麓付近には自然豊かな土地が広がり、山菜や大きな獣達、雪解け水が流れつく農作物に非常に適した場所でもある。
この山は鉱山にもなっており、貴重な魔石や金などが取れる。更に地形上特殊ダンジョンがうまれる事もあり冒険者も出入りする。
多種多様な人々がこの山に出入りするが、当然モンスター達からの被害も頻繁にあってしまう。
麓までの道中に小さな町が一つあるが、モンスターを完全に防ぐ事が出来ないこともあり
定住者は殆どおらず最低限の物資商会と治療施設。騎士団の防衛拠点がある程度となっている。
その為、ここブループラムは奥太魔山へ向かう最終休憩地点でもあり、最初の防衛地点として重要な都市と指定されており
王都から派遣された優秀な騎士たちやモンスターの被害にあった者たちの手当てをする聖女達が多く定住している。
ここはムサタマ第三の都市”ブループラム”。今日も多種多様多くの人で賑わっている。
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そんな街の大通り沿いに冒険者協会はある。俺は今日の依頼を受けに向かっている。
途中、街の名物”山菜と獣肉の串焼き”露店から出るこれまたおいしそうな匂いに…
「こちとら休日出勤で世界を救う…てのに美味そうな匂いさせやがって…S級魔物連れて帰ってくんぞ!」
そう小声で呟いたり、貴族ご用達のカフェで優雅にティータイムを過ごす貴婦人を横目に
「こちとら世界を救う為に汗水垂らしてんのに…帰ったら家半分ドラゴンに焼かれてればいいのに」
そんな事を独り言で呟きながら向かっている。
先ほどから世界を救うと口にしているが、実際に行うのは冒険者協会からの依頼だ。
依頼だって誰かを助けてるのであって、世界を救う事には変わりは無い。
しかし…あまりにも小さすぎる世界線の為、いくらドSな俺でも人前では言わないように心掛けている。
事実、このムサタマにはモンスターもいるし魔王もいる。当然魔人族だっているし、伝説と謳われている神龍だっている?かもしれない。
逆もしかり…勇者はいるし、聖女もいる。魔法使いもいるし、賢者もいる。王様も貴族も騎士だって。
そんな世界を救うともなれば普通に考えるのは、いわゆる主人公タイプの奴らだ。
王族貴族関係にしろ勇者関係にしろ魔王関係にしろ、庶民から見たらあいつらは”特別”だ。
魔王に憧れるのは魔人族くらいなもんだろうが、誰しもが”特別”になりたいと思うのが人間の性というもの。
本来誰もが憧れるそんな存在だが、俺にとっては全く興味すら無い。
俺はこの世界に送られた時からずっと心にしまってある事がある。
こいつらは”嘘と偽りの世界”の小さな篭の中で”作られた特別”に浸っているアホども
何が本当で何が真実なのか知らないこいつらに、俺から何かを伝える事は無い。
興味も無ければ、他がどうなろうと俺のしったこっちゃない。
ただし…もしこの”本質”を知っている者が現れ、聞かれたら答えてやらなくも無い。
「まぁその時はこちらの言い値のタマを払ったら…だがな!」
そうふっと口から言葉がこぼれた。
今後はもっとコミカルになる予定です!




