表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/102

5:思わず悲鳴を上げることに

「鉄槌王の間」は舞踏会がなければ、美しくとても広いホール。


でも今は……。


沢山の花があちこちに飾られ、国旗に加え、王旗、王太子旗、各騎士団旗などが横断幕のように天井からつりさげられている。そこに着飾った男女が沢山いるので、もうゴージャスさにさらに磨きがかかっていた。


「これは……すごいな。王太子殿下目当ての令嬢が圧倒的だけど、そこに付き添う両親も、気合いが入っているな」


カールがそう呟いた時。


「あら、あれはリヴィングストン公爵令嬢ではなくて? 昨日、婚約者の浮気が発覚して、婚約破棄されたのよね。まさかもう、新しいお相手探し? もしや王太子様狙いかしら?」


マダムの会話が聞こえてきて、私は固まる。

そ、そんな風に見えてしまうの……?と。


私はただ、自分の推しであるエドワード様を遠くからでいいので、愛でたいだけなのに。


「セシル、こっちへ行こう」


カールが気を使い、噂話をしていたマダムから離れた場所へ連れて行ってくれた。いわゆる壁の花になりそうな、背後が壁なので、余計な噂を立てられないで済む場所ではあった。


「……前言撤回するよ、セシル。昨晩の婚約破棄はさ、今のところアンドリューが浮気男で悪い奴になっている。でも……今日、ここにいることは誤解を生むかもしれないな。さっきのマダムが言ったような想像をされてしまう可能性は、ゼロではない」


あああああ、私はただ推し活をしたいだけなのに。なんて世間は面倒なのかしら。


「ダンスが始まったらテラスの方へ行こうか? それともセシルはダンスをしたい?」


「テラスに行くので賛成。というか、カールを付き合わせてしまって悪いわね」


そこでカールは困った顔で微笑む。


「ひどいのはさ、僕がセシルをエスコートしているのに、王太子殿下狙いと思われることだよ」


「それは……」


そこで気が付く。

宮廷画家としてマダムのファンも多いカールにエスコートしてもらうことは、それはそれで変な噂につながらないかと不安になる。


うううっ。


断罪回避できて、自由に推し活できると思ったのに、いろいろままならない。


結局、開催のセレモニーの後、最初のダンスが終わったタイミングで、逃げるようにテラスに出た。


テラスには休憩できるように、籐で出来たソファが置かれている。そこにひとまず腰をおろすことにした。


「セシル、飲み物を僕は取ってくるから」

「ありがとう」


カールが飲み物を取って来てくれたら、その後は「別行動にしましょう」と提案するつもりだった。エドワード様狙いと思われるのも困るが、カール狙いと思われても困ってしまう。


「はぁ……」


美しく正装しているであろう推しの姿を見たかったのに……。


見上げる夜空も十分に美しかった。

前世と違い、まだまだこの世界の夜は暗い。

肉眼でとんでもない数の星が見えていた。

キラキラと煌めくその様子は宝石みたい。


「!」


そうだ!

オペラグラスがある。

これがあれば、ここからでも推しの姿が見えるかもしれない。


レティキュールからオペラグラスを取り出し、ホールを眺める。

エドワード様、エドワード様……。


「!」


推しを見つける前に、珍しい浅紫色の瞳をした、あの美貌の貴公子を見つけてしまった。


今日は白のテールコートに瞳と同じ色のマントとタイをつけている。遠くで見ていても高貴に感じた。


そこでふと、彼の切なそうな顔を思い出してしまう。

昨日はなぜあんな表情をしていたのかしら?


よく見ると、今もなんだか切なそうな表情になりかけながら、周囲を窺っている。


誰かを探している……?


そこで一瞬、もしかして私を探している?なんて思ってしまったが。


まさか、そんなわけがない。

昨晩、私はきちんと名乗っている。

リヴィングストン公爵家は、公爵家の序列の中でも上位。

この国の人間だったら絶対に知っている。

彼がもし異国の人間であっても、この国の住人に聞けば、「ああ、それは」と答えが返ってくるはずだ。


つまり。


もし本気で私が気になり、話したいと思っていたら、手紙の一通を屋敷に寄越すということ。それがないのだから、昨晩のあれは……。


やはり、ナンパ?


「あ……」


美貌の貴公子に令嬢が、話しかけようとしている……!

それは……そうだろう。

と思う反面、勇気があると思ってしまった。

何せあの容姿と高貴なオーラなのだから。

多くの令嬢が、話しかけたいが、話しかけられない――と思う。


……!


美貌の貴公子に近づいた令嬢を阻止したのは……黒騎士!

やはり彼は護衛騎士ね。


どうやら黒騎士がガードを固め、あるじに令嬢が近づけないようにしているらしい。その一方で、美貌の貴公子は、相変わらず人探しをしているような……。


「きゃっ」


思わず悲鳴を上げることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●シリーズ第一弾●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』もぜひお楽しみください☆

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ